「トランプ的」か「反トランプ的」か、最終的にどちらの勢いが勝るのか分かりませんが、世界は今、大きく揺れています。
ちなみに、昨年、【トランプ前大統領 欧米の保守勢力に対し選挙での連携呼びかけ】という報道もあったように、トランプ米大統領は「保守」です。
そして「保守」と言えば、古き良きものを大切にするということであり、時代が変わっても大事なものは残そうという考え方になります。
そのような中、【「敵対国」で高まるトランプ人気・・・まさかの国で「世界平和にプラス」回答が80%超え、衝撃のアンケート結果】という報道もあり、トランプ米大統領の誕生を、世界平和にとって「いいことだ」と答えた人の割合が高いのはインド、サウジアラビア、中国、ロシア、南アフリカ、トルコといった非西側諸国の国々が並んでいます。
これはつまり、非西側諸国の国々が、「反トランプ的」=「反保守」であった米国のバイデン前政権に対して「うんざり」していたことへの「裏返し」でもあります。
また、肝心の米国でも、昨年の米大統領選挙で「トランプ圧勝」となったわけで、やはり多くの米国民はバイデン前政権に対して「うんざり」していたということであり、「保守」を支持しているということになるでしょう。
ここで最近、非常に注目を集めたのが、ジェフリー・サックス教授(コロンビア大学)の発言です。
ちなみに、ジェフリー・サックス教授は、米国の歴代政権の経済コンサルタントとして、多くの発展途上国に派遣され、経済再生プログラムの立案を主導してきた人です。
そんなジェフリー・サックス教授が、「二番煎じではない」「自分の目で見て、経験してきたこと」として発言したのが、簡潔に以下のような内容となります。
「ウクライナ戦争の原因はNATO(北大西洋条約機構)の東方拡大である」
「1991年のソビエト崩壊以降に発生したすべての戦争について、米国の歴代政権を強く断罪する」
「イスラエルのネタニヤフ首相は、21世紀最大かつ最悪の大統領である」
さて、これらの発言は、トランプ米大統領の「考え方」とも一致すると思います。
なぜなら、トランプ米大統領も以前、「ウクライナ戦争は、ロシアの侵略で始まったのではない。ロシアが許容できないと言い続けてきたウクライナのNATO加盟をバイデン政権が認めたことで始まった」と述べているからです。
また、第一次トランプ政権時代を振り返れば分かるように、トランプ米大統領は軍事的な圧力や制裁を強めることはあったものの、戦争には踏み込まなかったからです。
さらに、先日、トランプ米大統領は約8万ページに上る「ケネディ暗殺機密文書」を公開しましたが、このことによって、米国の歴代政権が最後まで隠そうとしてきた「イスラエルが米国を操っていたという実態」も明らかになったからです。
ところが、このように、米国や非西側諸国の国々で「トランプ的」=「保守」が支持されてきているにもかかわらず、世界では未だに「反トランプ的」な動きが目立っています。
【被選挙権停止の仏ルペン前党首、控訴を表明「政治判決だ」 マスク氏や欧州右派が援軍】
フランスでは3月31日、「フランスのトランプ」と言われ、2027年の仏大統領選挙の世論調査において「国民の支持率圧倒的1位」である「国民連合」のマリーヌ・ルペン前党首が、パリ裁判所から5年間の被選挙権停止を命じる判決を受けたのです。
それもこれも、重箱の隅をつつくように「公金流用」で有罪とされたからで、当然ながらルペン氏は控訴を表明しましたが、パリ裁判所の判決については、トランプ米大統領もイーロン・マスク氏(世界一の大富豪、実業家)も欧州の右派(保守)政治家も相次いで批判しました。
要するに、イーロン・マスク氏が「急進左派(反トランプ的)は選挙で勝てないと、司法を操って政敵を収監しようとする」と言って批判したように、これは「反トランプ的」な動きなのです。
前述のように、ルペン氏は「国民の支持率圧倒的1位」なので、フランスでは「今日(3月31日)は民主主義が死んだ日」と言われており、国民の支持率さえ無視した動きとなっています。
そして、これと似たような「反トランプ的」な動きが、ブラジルでもルーマニアでも見られるのです。
一方で、日本では以下のようなニュースがありました。
【東京で「令和の百姓一揆」減り続ける農家の苦しみ・・・4500人デモ、表参道などトラクターで行進 新潟県からも参加「米価高騰の裏の悲惨さ知って」】
さて、かつてヘンリー・キッシンジャー元米国務長官は、国家の最低条件として「食糧」を挙げたといいます。
ところが、ニュースによると、「日本の1つのコメ農家の1年間の収入から経費などを差し引いた所得の平均は、わずか1万円。時給に換算すると、たったの10円」とのことです。
前述のように、日本で仮に「保守」が守られていたら、要するに、古き良きものを大切にし、時代が変わっても大事なものは残そうという考え方が守られていたら、今回のような「令和の百姓一揆」が起こったでしょうか?
このことからも明らかだと言えますが、日本も「反トランプ的」な動きが優勢だということです。
しかし、多くの日本国民は、他の多くの国々の国民と同様、これまでの政治(反トランプ的)を良しとする人は少ないのではないでしょうか?
いずれにせよ、冒頭で述べたように、「トランプ的」か「反トランプ的」か、最終的にどちらの勢いが勝るのかということで、今後の世界は大きく変わってくるでしょう。
ですので、相場においても、いつだって「混乱」を想定しておく必要があります。
特に先週、トランプ米大統領が関税の大幅引き上げを示しましたので、今後の世界経済も「混乱」が続くと思います。
引き続き、相場は慎重さを持って取り組んでいきましょう。