先週15日に衆院選(27日投開票)が公示され、12日間の選挙戦がスタートしました。
この選挙戦に際して、しばしば聞かれるのが「過去30年間、日本だけが賃金上昇も経済成長もなし」という主張です。
実際、この主張は正しく、OECD(経済協力開発機構、欧州を中心に日米など38か国が加盟)の調査からも明らかになっています。
そのため、先日の自民党総裁選についても、【自民党という人災「失われた30年」の戦犯であり、この国を衰退させた張本人たちによる総裁選】という報道がありました。
ちなみに、現在、日本は「賃金が安いけど物価も安いから生活できる」という貧しい国になっており、旅行代も食べ物も「フィリピン」よりも安い国になっていると言われています。
先日、訪日観光客数が、今年9月時点で、昨年1年間の累計を上回ったと報じられましたが、それもこれも、日本が「安い国」になっていることが大きな要因でしょう。
では、過去30年間、賃金上昇を実現させた欧米諸国は生活が豊かになったのでしょうか?
実は、これについては、一概に「豊かになった」とは言えません。
なぜなら、欧米諸国では物価の上昇が顕著で、賃金が上がっているのに伴い、物価、特に住宅費や医療費、教育費などの上昇が顕著だからです。
そのため、収入が増えたとしても、それが生活全体の豊かさに直接結びついているとは言えないのです。
つまり、欧米諸国では賃金は確かに上がったものの、物価の上昇と生活コストの増加がその恩恵を相殺しているのです。
そして、そのような中で報じられたのが以下のニュースです。
【米消費者の支払い延滞予想、2020年4月以来の高水準に-NY連銀調査】
このニュースでは、米消費者の間で「債務の支払いが延滞する」との懸念が高まっていることが伝えられました。
また、以下のようなことが指摘されました。
・一部の家計が好調な一方、他の家計は悪化するなど米経済で二極化がますます進んでいる。
・株式相場の上昇により、家計の純資産総額が過去数カ月で過去最高を記録したが、多くの米国人は株式をそれほど保有しておらず、負債を積み上げている。
・1年前に比べて状況が改善したと回答した消費者が減少する一方、悪化したと答えた消費者は増加している。
結局のところ、【遠のくアメリカンドリーム、中間層に疲弊の色-選挙覆う経済的断層】といった各種の報道からも見えてくるのですが、日本も欧米諸国も、一握りの人たちばかりが豊かになり、多くの人たちが没落しているという現実が見えてきます。
そして、そんな現状の世界が今後どうなっていくのかということで、最も大きな影響を与えると思われるのが、やはり米大統領選挙です。
実際、米大統領選挙については各国の思惑もあり、選挙介入の疑いまであります。
【ロ中など米選挙介入の動き活発化、情報機関が見解 AI悪用懸念も】
【中国が米国の選挙介入を計画? 日本も気をつけたい「世論の弱点」とは】
【米大統領選2024 ロシアが介入試みていると米政府 制裁やビザ制限などの対抗策を発表】
そのような中、選挙はトランプ氏が勝つのか、ハリス氏が勝つのか、最後まで分かりません。
しかし、個人的には、トランプ氏が「正義の味方」であるとは思わないものの、トランプ氏の方が「マシ」だと思っています。
なぜなら、特に日本では、決して少なくない人たちが「お天道様が見てる」という感覚を持っていると思いますが、現在の米国(民主党政権)は、完全に「真逆」の人たちによって支配されているからです。
例えば、多くの報道もありましたが、性的人身売買(小児性愛)で起訴の故エプスタイン氏関連文書では、英アンドルー王子やクリントン氏、ビル・ゲイツ氏の名前もあったと報じられ、ラッパーで音楽プロデューサーのディディが主催した性的パーティー(未成年者に対する性加害事件)でも、クリントン氏、オバマ氏をはじめ多くのエリートたちが参加していたと報じられています。
また、昨年7月、米ホワイトハウス内でコカインが見つかったと報じられましたが、そのコカインは「カマラ・ハリス氏のものだった」という報道まで出ています。
さらに、米民主党の副大統領候補のティム・ウォルツ氏についても、未成年への性的虐待を行っていたとのことで、被害者本人が告発を行っています。
そして、そんな米民主党政権下で、米国の軍事費は過去最大となっており、トランプ氏は「国内の敵」こそが米国が直面する最大の脅威であり、「国内の敵」に対して軍隊を使うと宣言しています。
一方、実業家で、世界一の大富豪イーロン・マスク氏は、米大統領選ではトランプ氏に「オールイン(全賭け)」すると述べています。
マスク氏は、激増する「不法移民」の問題に警鐘を鳴らしており、「民主党政権があと4年間続けば、大勢の不法移民を合法化するだろう。次の選挙で激戦州はなくなり、この国は一党独裁国家になるだろう」と述べています。
したがって、様々な面で、個人的にはトランプ氏の方が「マシ」だとは思うものの、トランプ氏が「国内の敵」に対して軍隊を使うと宣言しているように、現在の米国は内戦の可能性さえ指摘されるような危機的状況にあると言えます。
実際、トランプ氏は何度も暗殺未遂事件に遭遇しましたし、今後も何があるか分かりません。
投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は米国株を手放し始めましたし、今後、相場については、無風であることはないと想定して、引き続き慎重に取り組んでいきましょう。