まやかし(2024/10/15)

 

 

 

株式市場は強気な報道が相次いでいますが、本当に今後も「強気」を信じていいのでしょうか?

 

 

 

 

 

解散・総選挙期間は日本株買い、百発百中の定石戦略-景気対策期待も】

 

 

 

【強気地合いのナスダック、最高値更新のダウとS&P500を追撃、9月のCPIPPIに注目】

 

 

 

 

 

まず、日本株についてですが、30年以上にわたり百発百中の投資戦略として知られるのが「衆議院解散から総選挙期間の買い」です。

1990年以降、衆院解散・総選挙は11回あり、全てのケースで日経平均株価は解散から投開票日まで上昇しているからです。

その要因ですが、選挙に向け与党が景気対策を打ち出す傾向があるからだと言われています。

 

 

 

ですので、今回も「解散・総選挙期間は日本株買いではないか?」ということのようです。

 

 

 

ただし、選挙後60営業日までの株価を見ると、90年以降では11回中、7回で下落しているため、選挙後は特に注意が必要だと言えます。

 

 

 

次に米国株ですが、米国の9月の雇用統計の内容が市場予想を大きく上回ったことで、投資家の間では景気の先行きに対する安心感が広がっているようです。

 

 

 

中でも、今年に入り、S&P 50046回も史上最高値を更新しており、ダウも23回、ナスダックも7回、史上最高値を更新しています。

したがって、完全に強気相場になっていると言えます。

 

 

 

ただし、米国の財政赤字は増える一方です。

つまり、政府の支出が歳入(税収など)を上回り続けているわけですが、これに連動して株価が上昇し続けているということです。

ですので、財政赤字増加分の一部が金融市場に流れてきた結果の株高とも言われています。

 

 

 

しかし、このような、米国の「増え続ける財政赤字」は持続可能なのでしょうか?

 

 

 

ちなみに、実業家で、世界一の大富豪のイーロン・マスク氏は「米国は急速に破綻に近づいている」と、最近は何度も発言しています。

 

 

 

そのような中、ちょっとした「騒ぎ」がありました。

CNNでも報じられましたが、米大手銀行のバンク・オブ・アメリカで、多くの顧客の口座残高が「ゼロ」になるという異常事態が発生したのです。

 

 

 

その後、バンク・オブ・アメリカは「不具合はほぼ修正された」と述べましたが、世界的著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米投資会社バークシャー・ハサウェイが、7月中旬から、バンク・オブ・アメリカ株を大量に売っていることが判明したのです。

 

 

 

バフェット氏は売却の理由を明らかにしていないようですが、このことが、バンク・オブ・アメリカの他の株主に不安をもたらしているようです。

 

 

 

また、バフェット氏の動向と同様に、気になるニュースが、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた【2024年の株高、傍観する企業インサイダーたち】というニュースです。

このニュースでは、以下のようなことが報じられています。

 

 

 

 

 

・企業の内部情報に近い関係者(インサイダー、自社の事業の見通しに関して十分な情報を得ているはずの企業幹部・取締役)たちは、自社株式の購入に消極的だ。

 

 

 

・ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、現金の持ち高を増やしている。アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス氏やメタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ氏らハイテク大手のリーダーは今年、自社の株式を何十億ドル相当も売却している。

 

 

 

・インサイダーセンチメント・ドット・コムのアドバイザーを務めるセイフン氏は、企業のインサイダーたちがリセッション(景気後退)を懸念しているとみている。

 

 

 

JPモルガン・チェースの会長兼最高経営責任者(CEO)のジェイミー・ダイモン氏は、米経済の先行きについて、多くの投資家が考えているよりも厳しい状況になる可能性があると警告している著名な企業経営者の一人だ。

 

 

 

・企業インサイダーによる株売りはさておいて、最近の彼らの株買いの状況を見ると、そこでもやはり積極性がほとんど見られない。米企業の経営幹部・役員による今年19月の自社株購入額は、計23億ドル(約3400億円)だった。ワシントン・サービスのデータによると、これは19月の数値としては2014年以来の低水準だという。

 

 

 

 

 

さて、そもそもですが、いくら株高だと言っても、実体経済が良くなければ、それは「まやかし」と言えるでしょう。

そういう意味でも、上記のニュースは無視できないと思います。

 

 

 

さらに、現在の米国では、生活苦から犯罪に手を染める貧困層が急増しているといいます。

失業者は不満と憤りに苛(さいな)まれ、報道にもあるように、トランプ氏は何度も暗殺未遂事件に遭遇し、ハリス氏も陣営事務所が何度も銃撃されました。

 

 

 

このような状況だからこそ、いくら株高だと言っても、それは「まやかし」と言えるのではないでしょうか?

 

 

 

そして、日本も同様です。

現在、日経平均株価は19891229日の終値(38915円)の高値記録すらも超えていますが、このことに、どれだけの人が納得しているでしょうか?

 

 

 

ちなみに、帝国データバンクが発表した20249月の全国企業倒産は29カ月連続で前年同月を上回っていますし、中でも、歯科医院の倒産件数は過去最多だそうです。

また、飲食店の倒産も過去最多ペースだといいます。

ですので、日本の株高も、やはり「まやかし」でしょう。

 

 

 

そのような中、米国のオンライン賭けサイト「プレディクトイット」では、トランプ氏が選挙で勝利する確率が高まっているそうです。

そして、そんなトランプ氏ですが、トランプ政権1期目では、ドル円は「100円~110円」で推移していましたので、市場関係者の多くは「トランプ勝利=円高」とみています。

 

 

 

いずれにせよ、このような全体像を把握し、相場は「いつ何時乱高下してもおかしくない」と思って、引き続き慎重に取り組んでいきましょう。