経済格差(2024/9/9)

 

 

 

【株式市場にかつてないほど強気な米国人】

 

 

 

【株式強気派に支援材料、米企業の自社株買い発表額が記録的規模に】

 

 

 

【膨張する超富裕層の資産、30年には1370兆円に-ヘッジファンドに匹敵】

 

 

 

 

 

上記はいずれも先週のニュースです。

 

 

 

米国人はかつてないほど株式市場に強気であり、米企業の自社株買い発表額も記録的規模になっているようです。

また、世界の超富裕層が保有する資産は2030年までに1370兆円に膨れ上がる可能性が高いとのことです。

ちなみに、1370兆円という金額は「日本の2年間のGDP(国内総生産)を超える金額」ですので、尋常でないことが分かります。

 

 

 

一方で、同じく先週報じられたのが、以下のニュースです。

 

 

 

【仕事をかけ持ちする米国人が増加、生活苦しく】

 

 

 

【わずかな年金で老後の生活費賄えず、70歳過ぎても働く日本人が増加】

 

 

 

 

 

前述のように、株式市場に強気等と報じられたのとは対照的に、米国でも日本でも、生活が苦しく仕事を掛け持ちする人、年金で老後の生活費を賄えず、働く人が増加しているようです。

現在は米国も日本も「歴史的株高」ですから、これらのニュースから言えるのは、「経済格差」が国民の間で拡大しているということでしょう。

 

 

 

米国では、資産合計の70%を上位10%の人達が握っており、下位50%の人達の資産は全員分合わせても2.8%(上位10%の金持ちの25分の1)程度と言われますから、経済格差は非常に深刻です。

 

 

 

また日本も、国税庁によると「業種別平均給与」に大きな格差があり、給与最高の「電気・ガス・熱供給・水道業」と、給与最低の「宿泊業、飲食サービス業」は「2.79倍」もの大きな開きがあるそうです。

さらに、厚生労働省の調査では、世帯平均所得は5242,000円ですが、300万円未満の世帯が最も多く、平均以下が62.2%と過半数を超えているそうです。

 

 

 

つまり、日本も米国同様、経済格差が深刻になっているということでしょう。

 

 

 

一方で、かつて米国には「古き良き時代」があり、日本にも「1億総中流」と呼ばれた時代がありました。

 

 

 

そして、そのような「かつての時代」と比較した時に、経済格差が非常に深刻になっている現在の社会が「持続可能」と言えるのでしょうか?

 

 

 

実際、米国では激しい経済格差と不平等への「怒りと絶望」から「内戦が起こる」と言われていますし、ヘッジファンドの帝王と呼ばれるレイ・ダリオ氏もそれを指摘しています。

また、今年の104日、映画『シビル・ウォー アメリカ最後の日』が全国公開されますが、この映画でも「米国の内戦」が描かれます。

 

 

 

やはり、米国も日本も社会が「持続可能」か「持続不可能」かと考えると、どこかで「大きな修正」が起こらないと、遅かれ早かれ「持続不可能」となってくるのではないでしょうか?

 

 

 

そして「持続不可能」といえば、今年の4月に報じられた以下のニュースも無視できません。

 

 

 

米政府債務は持続不可能-100万通りのシミュレーションで結論は一つ】

 

 

 

 

 

ブルームバーグ・エコノミクスが100万通りのシミュレーションを行った結果、現在の米政府債務は「持続不可能」なレベルとなっており、財政再建を果たさなければ、世界の安全資産(ドル・米国債)に対する信頼が消失するだろうとのことでした。

 

 

 

そのような中、同様の警鐘を鳴らしたのが、米実業家で大富豪のイーロン・マスク氏です。

 

 

 

【米国は急速に破綻に近づいている=マスク氏】

 

 

 

 

 

上記も最近のニュース(先月末)ですが、マスク氏によると「米国は急速に破綻に近づいている」とのことで、やはり「持続不可能」になっているということです。

 

 

 

では、相場の世界ですが、やはり、これまで述べた「持続不可能」や「大きな修正」ということを意識する必要があるでしょう。

 

 

 

そして、そのことを踏まえた上で、先週の以下のニュースですが、無視できないと思います。

 

 

 

【中国の消費不足、世界需要に「300兆円の穴」】

 

 

 

【中国で爆発的に膨らむ商品在庫、景気不振の深刻さ表す】

 

 

 

【習近平の中国で「消費崩壊」の驚くべき実態・・・! 上海、北京ですら、外食産業利益9割減の衝撃!】

 

 

 

【ヘッジファンド、銀行・保険株など売り越し継続=ゴールドマン】

 

 

 

【米ISM製造業指数、5カ月連続で活動縮小-受注と生産が低迷】

 

 

 

【エヌビディア時価総額、1日で2790億ドル消失 米史上最大】

 

 

 

【ブラックロック新興国株ETFから多額の資金流出-高い中国依存響く】

 

 

 

【銀行業界に数兆ドルの弱点-世界に広がる潜在的な危機】

 

 

 

【アジアの投資家が5000億ドルのドルを売る可能性-SEBが試算】

 

 

 

 

 

これらのニュースもそうですが、相場においては「楽観」よりも「大きな修正」を意識した方が賢明だと言えるのではないでしょうか?

 

相場は引き続き、慎重に取り組んでいきましょう。