市場は滅茶苦茶!?(2024/8/19)

 

 

 

最近の株価や為替の値動きは、ある意味「滅茶苦茶」です。

以下は産経新聞のニュースです。

 

 

 

【トランプ氏、「カマラ暴落」と皮肉る 世界株安「市場を滅茶苦茶に」】

 

 

 

 

 

85日の世界的株安(日経平均株価はブラックマンデー超えの過去最大の暴落)を受け、米大統領選の共和党候補トランプ氏が、11月の選挙を念頭に「有権者には選択肢がある。トランプの繁栄か、カマラによる暴落2024年の大恐慌かだ」と述べました。

また、「カマラは市場を滅茶苦茶にする」と指摘しました。

 

 

 

一方で、米経済については【米経済指標は好調、景気減速懸念和らぐ】といったように、好調さを伝えるニュースもあるのですが、ここで注意しなければならないのが、世界各国の報道自由度ランキングで米国は55位だという事実です。(日本に至っては70位)

 

 

 

したがって、米経済の実態を正しく把握するには、もっと細かく中身を見るべきで、そうすると見えてくるのが、以下のような現実です。

 

 

 

・大都市の中心部がホームレスと麻薬中毒者であふれ、強盗が日常茶飯事なので、メインストリートでは、ほとんど店舗が閉店してもぬけの殻となっている。客が入らず、ガラガラの高級レストランも目立つ。

 

 

 

・クレジットカード延滞の割合が2012年以降で最高となった。

 

 

 

2024年現在、米国でチャプター11(連邦破産法第11条)に基づく破産件数が2,462件に急増し、過去13年間で最多となった。

 

 

 

 

 

さて、上記3点だけを見ても、トランプ氏の「2024年の大恐慌」発言の方が「米経済指標は好調」と報じるニュースよりも実態に近いと言えるでしょう。

 

 

 

ところが、現実の米株価は、そのような実態を無視して「歴史的高値圏」にあります。

つまり、だからこそ「市場は滅茶苦茶だ」と言えます。

 

 

 

また、このような市場の滅茶苦茶さは、最近の日経平均株価や為替の値動きからも言えることだと思います。

 

 

 

【日経平均株価】

42224円(711日)→ 31458円(85日)

31458円(85日) → 38062円(816日)

 

 

 

【ドル円】

161.95円(73日) → 141.67円(85日)

141.67円(85日) → 149.34円(816日)

 

 

 

 

 

上記を見れば分かるように、まず日経平均株価ですが、高値から1万円超も下落したのはなぜでしょうか?

また、今度はそこから6000円超も上昇したのはなぜでしょうか?

 

 

 

同様に、ドル円も、20円超も円高に動いたのはなぜでしょうか?

また、今度はそこから7円超も円安に動いたのはなぜでしょうか?

 

 

 

このような問いは、まともに答えようと思ってもほとんど意味がなく、MBSニュース(毎日放送)で専門家が「マネーゲーム」と言い、その異常さについて指摘していましたが、どこまでいっても「マネーゲーム」ということに尽きると思います。

一部では、キャリートレード(相対的に金利が低い円建てで資金を借り入れ、その資金を外貨に転換して運用する取引)に絡んだ説明も聞かれますが、結局のところ「マネーゲーム」でしょう。

 

 

 

ただし、このようなマネーゲームに振り回されるのは、個人投資家にとっては堪らないでしょう。

 

 

 

実際、先日の「株の暴落と円の急騰」で報じられたのが以下のようなニュースです。

 

 

 

【信用買い残が急減、株暴落で追い証多発-「傷んだ個人多い」】

 

 

 

【急激な円高に伴う株の投げ売り、今後も続く=ゴールドマン】

 

 

 

【円に強気な日本のFX投資家、買い越しポジションが過去最高に迫る】

 

 

 

【キャリートレード巻き戻しはさらに進行へ、1ドル100円にも-BNY

 

 

 

 

 

これはすなわち、信用取引で株を買っていた個人投資家は大打撃を受け、株はさらに売られるだろうという見方が強まったこと、為替もさらに円高に進むだろうという見方が強まったということです。

 

 

 

ところがその後、前述のように、日経平均株価は6000円超も上昇し、ドル円は7円超も円安に動いたわけです。

すると一転、今度は以下のようなニュースです。

 

 

 

【ゴールドマン、日本株の調整は海外勢の買い好機-長期ストーリー不変】

 

 

 

【円キャリートレード復活の兆し、ヘッジファンドが再開に動く】

 

 

 

 

 

要するに、「株が上がることに変わりはない、円も再度売られるだろう」というわけです。

 

 

 

結局のところ、株も為替も、上がれば「もっと上がる」、下がれば「もっと下がる」といった調子で報じられ、それでも現実は報道と真逆の値動きとなりますので、前述のように、どこまでいっても「マネーゲーム」ということに尽きるでしょう。

 

 

 

そのような中、日経新聞が報じていましたが、今ネット上では「往復ビンタ」という言葉が飛び交っているそうです。

買えば下がって損切りになり、売れば上がって損切りになる、というわけです。

 

 

 

したがって、このような、ある意味「滅茶苦茶」な相場で、それに振り回されずに利益を上げていこうと思えば、ロング(買い建て)の高値掴み・ショート(売り建て)の安値掴みに気を付けることが必須です。

 

引き続き、相場は慎重に取り組んでいきましょう。