アジェンダ47(2024/7/22)

 

 

 

713日のトランプ氏の銃撃事件は、容疑者が「20歳の単独犯」と報じられました。

しかし、この報道を鵜呑みにするのは無理があるように思います。

【トランプ氏銃撃で噴き出す「陰謀論」 多くの米国人が事件の公式説明に疑念】と、ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたように、この事件については多くの米国人も疑念を抱いているようです。

 

 

 

ちなみに、20227月の安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人罪などで起訴された山上被告(43)も単独犯とされましたが、この件についても、鵜呑みにするのは無理があると個人的には思います。

 

 

 

いずれにせよ、シークレット・サービス(大統領警護隊)など警護官たちは、現在の民主党政権下の国土安全保障省に属していますから、一部で言われる「トランプ氏側が人気高揚を狙ってやった狂言だ」という説には無理があり、反トランプの組織的な動きがあったと考える方が自然だと思います。

 

 

 

そのような中、今年の米大統領選については、トランプ氏の圧勝体制が確立した感があります。

そして、株式市場・為替市場・国債市場など、マーケットでは「もしトラ」から「もうトラ」へとテーマが変わりつつあります。

したがって、今回はトランプ氏関連の情報について考察したいと思います。

 

 

 

ところで、トランプ氏の支持層ですが、よく言われるように、白人で50歳以上の有権者が大きな割合を占めているようです。

これはつまり、米国の古き良き時代の記憶を持っている人々です。

具体的には、映画産業が花開き、多くの家庭が郊外に家を持ち、車を購入するなどの消費生活を楽しんだ時代、豊かに暮らせていた時代の記憶を持っている人々ということになります。

 

 

 

ですので、トランプ氏も自身の支持層を意識していると思いますが、公表している公約集「アジェンダ47」で幅広い構想を描いています。

以下、公約集「アジェンダ47」のいくつかを簡単に整理します。

 

 

 

【ディープ・ステート(隠れた権力、民間人含む)とそれに連なる官僚の解雇】

「真実・調停委員会」を発足し、機密文書を公開することで、ディープ・ステート(隠れた権力、民間人含む)の悪行を明らかにする。

 

 

 

【政府の10万人分の役職を首都から移転へ】

連邦政府に巣くうディープ・ステート(隠れた権力、民間人含む)を破壊し、国民のための国民による政府を復活させる。およそ10万人分の連邦政府の役職を首都ワシントンの外に移す。公務員の天下りを禁止する。

 

 

 

【米国の利益を最優先してウクライナ戦争を停戦】

ロシアとウクライナの戦争は無意味で、直ちに停止すべきだ。米国の国益第一の外交政策を復活させる。

 

 

 

【「普遍的基本関税」の導入】

ほとんどの外国製品を対象にした一律関税「普遍的基本関税」を導入し、米国企業を保護する。他国の通貨操作や不公正な貿易慣行には関税を引き上げて対抗する。

 

 

 

【大統領が予算執行を停止できる「没収権」を復活】

米連邦議会が承認した予算の執行を、大統領が独断で止めることができる権限を復活させる。これで、歳出削減が可能になり、財政改善によって減税の余地が生まれる。

 

 

 

【多様性を重視した教育否定】

LGBTQ容認のジェンダー教育や、白人至上主義を批判的に捉える「批判的人種理論」を子どもに押しつける学校に対して補助金をカットする。

(現在、「平等」や「差別」が声高に叫ばれるあまり、米軍の特殊部隊においても、戦闘能力が高い者ではなく、非白人や女性、トランスジェンダーをあえて登用しており、米軍の戦闘能力自体が削がれている・・・

トランスジェンダーの人々が、自己認識する性別に基づいてトイレを利用することに対して安全への懸念がある・・・

男性から女性へのトランスジェンダーのアスリートが女性の競技に参加する場合、体力や筋力など、明らかに不公平・・・)

 

 

 

【米市民権の取得を厳しく制限】

米国へ違法に入国するメリットをなくして国境危機を解決する。

 

 

 

 

 

さて、簡単に整理してみましたが、これらは今の米国政治に「強い憤り」を感じている一般の多くの米国人の心を強く捉えるのではないでしょうか?

個人的にも、昔の米国の方が「まとも」だったと思いますので、公約集「アジェンダ47」が実現された方が良いと思います。

 

 

 

ただし、逆に言うと、ディープ・ステート(隠れた権力、民間人含む)からすると、トランプ氏は「邪魔」な存在になるはずです。

したがって、「トランプさえ殺せば、あとは何とかなる」と考える人達がいても不思議ではありませんし、今回の銃撃事件も、ディープ・ステート(隠れた権力、民間人含む)が黒幕だと考える方が自然だと思います。

 

 

 

そして、「もうトラ」になったとは言え、相場については今後も油断は禁物です。

なぜなら、世界最大級のへッジファンド「ブリッジウォーター・アソシエーツ」創設者で、ヘッジファンドの帝王と呼ばれるレイ・ダリオ氏が以下のような発言をしているからです。

 

 

 

「これから米国は内戦の混乱期になる。内戦が起こる可能性は、一般に考えられているよりもはるかに高い」

 

 

 

「民主党にも共和党にも選挙の負けを認めない過激な強硬派が存在しており、彼らによってこれから抜き差しならない対立に向かって進むだろう」

 

 

 

 

 

要するに、レイ・ダリオ氏は、米国が「ますます混乱する」と予想しているのです。

また、例えば、トランプ氏は「ドル安」志向で、米国の輸出企業にとってはドルが安い方が世界に物を売りやすくなるという考え方であることが知られていますが、米国が「ますます混乱する」のであれば、そんなトランプ氏の思惑通りにはいかない可能性もあるわけです。

さらに、専門家の中にも「関税引き上げ → インフレ(物価上昇) → 利上げ再開 → ドル高」という見方もありますし、先週は久しぶりに「円高ドル安」に大きく動きましたが、今後も一本調子でこの流れが継続するとは思わない方が賢明でしょう。

 

 

 

今後、米国が「ますます混乱する」と想定すると、相場も乱高下すると考えられますから、相場はロング(買い建て)の高値掴み・ショート(売り建て)の安値掴みに気を付けながら取り組むべきだと思います。

 

引き続き、各種報道に注意を払いながら取り組んでいきましょう。