「ノー」の動き(2024/6/17)

 

 

 

かつて世界各国、様々な国で「古き良き時代」がありました。

 

 

 

日本だと、「一億総中流」と言われ、終身雇用制度が普及し、多くの労働者が安定した職に就くことができた時代がそうでしょう。

米国だと、映画産業が花開き、多くの家庭が郊外に家を持ち、車を購入するなどの消費生活を楽しんだ時代がそうでしょう。

 

 

 

しかし、日本も米国も、今では以下のようなニュースが報じられています。

 

 

 

【日本】

・先進国のなかでも、深刻なほど「所得格差」の大きい日本・・・なぜ日本でこんなにも格差が拡大しているのか?

 

 

 

・国立大協会が物価高と円安に伴う財務状況の悪化で緊急声明、「もう限界」

 

 

 

 

 

【米国】

・米家計の二極化、経済指標で浮き彫りに 富裕層は自信に満ちているが、その他の層は警戒感を強めている

 

 

 

・米国で大学の閉校相次ぐ-行き場失った学生の獲得競争も激化

 

 

 

 

 

さて、このように「古き良き時代」がすっかり変わってしまったのも、「富める者はいつまでも富み、貧しい者はいつまでも貧しい」という昨今の時代の大きな流れがあるからです。

そして、その元凶とされているのが「新自由主義」であり「グローバル化」です。

簡単に言うと、競争が大事、自由が大事、民営化が大事、国と国の垣根を無くすことが大事・・・といった考えに基づく、世界的に大きな流れがあるのです。

 

 

 

そして、それが行き過ぎた結果、富は一極集中し、世界全体の個人資産のうち約4割は「上位1%」が占める世界となりました。

 

 

 

ところが今、このような「新自由主義」や「グローバル化」に「ノー」を突きつける動きが世界中で広がっています。

 

 

 

ちなみに、昨年終わり頃、CNNが【世界は心の準備を、2024年が衝撃の選挙イヤーになる可能性】と報じましたが、それが現実化しつつあるということです。

 

 

 

例えば、先日の欧州議会選挙や欧州各国の総選挙は以下のようになりました。

 

 

 

 

 

・フランスでは、極右政党の「国民連合」が、マクロン大統領率いる与党連合に対し、獲得議席で倍以上の差をつけて大勝

 

 

 

・ドイツでは、最大野党の保守、キリスト教民主・社会同盟(CDUCSU)が大勝し、難民排斥を掲げる右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が2位となった

 

 

 

・イタリアでは、メローニ首相が率いる右派「イタリアの同胞」が国内第1党となった

 

 

 

・ベルギーでは、ドゥクロー首相の所属政党「フラームス自由民主」が惨敗し、首相が辞任を発表

 

 

 

・オーストリアでは、極右政党の「自由党」が議席を倍増し、国内最大政党となった

 

 

 

 

 

このように、「新自由主義」や「グローバル化」に「ノー」を突きつける動きが明確に見られました。

特にフランスでは、極右政党の「国民連合」を率いるマリーヌ・ルペン氏が、「フランスをEUから離脱させる」と言っていますので、もしそうなったら、第二のブレグジット(Brexit、イギリスのEU離脱)ということで、大混乱になるでしょう。

 

 

 

そして、ブレグジット(Brexit、イギリスのEU離脱)が決まった2016624日ですが、為替相場は、わずか1日で以下のように動きました。

 

 

 

 

 

ドル円:   106.79円  98.88円   高値と安値の差「7.91円」

ユーロ円: 121.95円  109.52円   高値と安値の差「12.43円」

ポンド円: 160.06円  133.16円   高値と安値の差「26.90円」

 

 

 

 

 

為替相場は、非常に大きく乱高下したことが分かります。

したがって、フランスの今後の動きも「要注目」と言えます。

実際、フランスがEU離脱となれば、EU崩壊の懸念すら高まって、為替相場はブレグジット超えの「大荒れ相場」となる可能性もあるからです。

 

 

 

いずれにせよ、富が一極集中し、ある意味「強欲資本主義」とも言える今の世界は「持続不可能」になってきているのでしょう。

 

 

 

日本でも昨年10月以降、自民党が地方選挙で敗北し続けているのも、その証左だと思います。

 

 

 

そして米国では、トランプ氏が「アメリカ・ファースト(アメリカ国内優先主義)」を掲げ、大統領再選を目指していますが、今のバイデン政権下で、とてつもなく国内問題が山積していますので、やはりトランプ氏が優勢となっています。

 

 

 

そんな米国の国内問題ですが、貧富の格差が止まらず、景気悪化のせいで、安売り店を中心に盗みが横行し、警察も見て見ぬふりを決め込んでおり、安売り店は閉鎖のラッシュとなっています。

また、小売業者の団体によると、窃盗による年間損失額は1000 億ドル(157390億円)を超えているそうで、これは「ロシアの軍事予算」よりも大きな数字となっています。

さらに近年は「省人化」とばかりに、至るところでセルフレジが増えましたが、米国ではそうした店舗での盗難が急増しているため、「人」によるレジの復活が広がっているそうです。

 

 

 

その上、米国は「深刻な治安悪化が進んでいる」とも報じられていますし、ある意味「終わった国」だと思います。

ただし、そんな米国を、自国民を犠牲に(異常な円安を放置)しながら支えているのが日本です。

 

 

 

冒頭で伝えたように、日本全国86の国立大学からなる国立大学協会は、物価高と円安に伴う財務状況の悪化で「もう限界」と言っていますが、もはや「強欲資本主義」とも言える今の世界自体が「持続不可能」になってきているように思えます。

 

 

 

 

相場の「大転換」も近いと考えて、引き続き慎重に取り組んでいきましょう。