様々な主張(2024/3/4)

 

 

 

【日経平均終値39910円、史上最高値を3営業日ぶりに更新・・・一時は「4万円」まで10円に迫る】

 

 

 

【日経平均株価、初の4万円超え 脱デフレ期待、投資マネー流入】

 

 

 

 

 

日経平均株価が上昇し続け、その勢いが止まりません。

そのような中、「まだまだ上がる!」という専門家もいれば、この株高に警鐘を鳴らす専門家もいます。

 

 

 

ちなみに、「まだまだ上がる!」という専門家の主張には以下のようなものがあります。

 

 

 

 

 

・伊藤レポート(20148月に公表された、伊藤氏が座長を務めた経済産業省で実施されたプロジェクトをまとめたレポート)で、「ROE(自己資本利益率)の目標水準8%」が宣言された。これは、世界の投資家が納得できる水準であると考えられている。

 

 

 

・東京証券取引所は「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」の上場企業に対し、改善策を開示して実行するように要請している。

 

 

 

・東京証券取引所から上場企業に対して「コーポレートガバナンス・コード」が示されたことにより、上場企業は、収益力や資本効率などについて目標を提示することや独立社外取締役を少なくとも2名以上選任することなど、具体的な行動の改善に取り組むようになっている。

 

 

 

2014年に金融庁が「日本版スチュワードシップコード」を策定し、機関投資家が投資先企業と対話をして経営改善を促す場面が増えている。

 

 

 

・経済はインフレが進展しており、インフレは株高に繋がる。

 

 

 

AI(人工知能)に対する投資家の関心の高まりがあるので、さらなる株高に繋がる。

 

 

 

2024年に新NISAがスタートしたことで、これからはより多くの人が株式を買うようになる。

 

 

 

 

 

一方で、この株高に警鐘を鳴らす専門家の主張には以下のようなものがあります。

 

 

 

 

 

・最近の日経平均株価は、わずか数十分で200円以上上がることもある。バブルの頂点では、最後に急激に上がって、スピード違反が起きて、暴走し、崩壊するものである。

 

 

 

・現在、大量に売買しているのは、短期トレーダーと投機家、そして異常に強気な短期投資家、浮ついた個人投資家、異常に強気という誤った投資家、狂った投資家だけである。つまり、絶対的な株価水準など全く気にしない者だけが残っている。まともな投資家は売るべきものは売りつくしている。

 

 

 

・現在、取引量も膨らんでいるが、同じトレーダーがとことん繰り返し仕掛けて、売買し続けている。今はプログラム売買が大半だが、プログラム同士の仕掛け合い、せめぎ合い、騙し合いが行われている。

 

 

 

・現在の株高は「海外投資家へのセールスが奏功しただけ」で、日本の実力を反映しているわけではない。

 

 

 

20231012月期の日本の実質GDP2四半期連続でマイナスとなり、場合によっては202413月期もマイナス成長となる可能性が指摘されており、もしそうなれば3四半期連続のマイナス成長ということになる。この結果は、株価の史上最高値更新とだいぶ温度感が異なる。

 

 

 

・日本の実質賃金は21カ月連続でマイナスになっており、株価上昇に国民の生活実感が伴っていない。

 

 

 

 

 

さて、私達投資家は前者と後者、どちらの主張に耳を傾けるべきなのでしょうか?

 

 

 

ちなみに、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏は、現在の株高には警戒感を示しています。

 

 

 

バフェット氏は「マーケットは昔とは比べ物にならないほどカジノ的な動きをするようになった」と述べており、自身が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイは手元現金水準が約25兆円と、過去最高を更新しているといいます。

 

 

 

今の日経平均株価は「米国株高」に牽引(けんいん)されていますから、バフェット氏の「読み」が正しければ、米国株の急落に伴って、日経平均株価も急落する可能性があります。

 

 

 

そのような中、現在は新型コロナウイルスの感染が落ち着いて、約1年が経過したところですが、コロナ禍の当時は「経済より命だ!」という主張も聞かれました。

 

 

 

そして、それに対し、以下のように「経済の方が上だ!」という主張もありました。

 

 

 

 

 

「経済より命だ!」と主張するなら、コンビニも休め、スーパーも休め、電車やバス、電気や水道などインフラを支えている人も休め、ごみ収集車も休め、病院も休めと言うべきである。命が大事だと言うなら、それらで働く人達の命も同じように大事なはずである。現実は、経済が動いていないと生活できない、生きていけないことに気づくはずだ。

 

 

 

 

 

このように、「経済より命だ!」「経済の方が上だ!」と、新型コロナウイルスの感染を巡って様々な主張がぶつかり合っていたのが、つい23年前のことです。

そして、そんな23年前と比較して、現在は、「日経平均株価が史上最高値を更新するのは当然だ!」と言えるほどに経済環境は改善されたのでしょうか?

 

 

 

個人的には、株高に警鐘を鳴らす主張の方が、やはり「まとも」だと感じます。

 

 

 

また前述のように、ウォーレン・バフェット氏は「マーケットは昔とは比べ物にならないほどカジノ的な動きをするようになった」と述べていますが、これは為替相場についても言えることだと思います。

 

 

 

したがって、今後、上がり過ぎた株価が急落するのであれば、安くなり過ぎた「円」が急騰してもおかしくはないでしょう。

 

 

 

 相場は引き続き、慎重に取り組むべきだと思います。