混沌とした世界

 

 

 

世界が混沌(こんとん)とする中、今後の相場にはどう対応したらよいのかを考えてみたいと思います。

 

 

 

ちなみに「混沌」という言葉は、今の時代の「キーワード」だと思います。

 

 

 

実際に、様々なニュース等でも頻繁に「混沌」という言葉が使われています。

例えば、「混沌とする世界」「混沌の時代」「2023混沌を読む」「混沌とした世界情勢におけるバイデン政権の課題」「米中の弱体化で混沌の時代へ」「混沌のウクライナ」「超大国無き混沌の世界へ」「中国は再び混沌の国になる」・・・といった具合です。

 

 

 

そのような中、先週、以下のようなニュースが報じられました。

 

 

 

 

 

【米国、「露中の脅威」を口実に日本を軍国主義化=パトルシェフ氏】

 

 

 

 

 

ロシア国家安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記は、日本が米国によって再び軍国主義に向かっていると指摘したそうです。

パトルシェフ書記によると、米国は「ロシアと中国の脅威」を利用しているとのことです。

 

 

 

そして、このニュースの翌日に、今度は以下のようなニュースが報じられました。

 

 

 

 

 

【殺傷武器輸出、一部容認 共同開発品の第三国移転も―政府、与党に見解提示】

 

 

 

 

 

日本政府はこれまで輸出の実例がなかった殺傷能力のある武器について、輸出を一部容認する見解を提示したのです。

これは、パトルシェフ書記に「軍国主義化」と指摘されてもおかしくない動きだと思います。

 

 

 

また、このニュースの数日前には【防衛費、過去最大7.7兆円 24年度予算要求で防衛省調整】というニュースも報じられており、なにやらきな臭い感じがします。

 

 

 

そして、このような「きな臭さ」の背景を考えてみると、先週開催されたBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)首脳会議が大いに関係しているのではないかと思います。

 

 

 

元フランス軍諜報員のピエール・プラス大尉は、次のようなことを指摘しています。

 

 

 

 

 

・ドルの時代の終焉は、米国にとっては「超えてはならない一線」である。ウクライナ紛争の正真正銘の原因もここにある。

 

 

 

BRICS首脳会議は、ドルの時代の終焉と脱ドル化を記念するものとなるだろう。米国にとっては「超えてはならない一線」である。これは経済の闘争だ。

 

 

 

 

 

さて、そんなBRICS首脳会議が先週開催されたわけですが、次のようなニュースが報じられました。

 

 

 

 

 

BRICS、サウジやイランが加盟へ-24年から11カ国体制】

 

 

 

【世界貿易におけるドルの支配は終わる プーチン大統領、BRICS首脳会議で語る】

 

 

 

 

 

上記にあるように、BRICS2024年から11カ国体制ということで、新たに、サウジ・イラン・エジプト・アルゼンチン・エチオピア・アラブ首長国連邦(UAE)が正式メンバーとして加わることになりました。

 

 

 

しかも、それだけではありません。

 

 

 

現在、新規加盟には約40カ国が興味を示し、正式に加盟希望を伝達したのは約20カ国に上っており、今後、加盟国がさらに増える可能性があるのです。

 

 

 

今回の6カ国(サウジ・イラン・エジプト・アルゼンチン・エチオピア・アラブ首長国連邦)の加盟で、BRICSの世界人口に占める割合は45%を超えますし、今後、加盟国がさらに増えれば、50%をも超えてくるでしょう。

 

 

 

また、これは「すでに」ですが、世界経済におけるBRICSが占める割合(今年3月時点のGDP)は31.5パーセントと、G730.7パーセントを超えているのです。

 

 

 

そのような中、世界の外貨準備高に占めるドルの割合は昨年、過去20年間平均の10倍のスピードで低下したといいます。

 

 

 

つまり、上記のニュースにもあるように、プーチン大統領が「ドルの支配は終わる」と語ったことが現実味を帯びてくるのです。

 

 

 

今回、噂になっていた新国際決済通貨のデビューは宣言されませんでしたが、BRICSは金(Gold)を裏付けとする通貨の検討を始めているようです。

 

 

 

しかし、このようになってきますと、前述のように、米国にとっては「超えてはならない一線」ということになるでしょう。

 

 

 

すると、今後は「地政学上の不測の事態」ということも考えられます。

 

 

 

このような状況は、冒頭で述べたように混沌とした状況だと言えますが、このようなことを意識してか、世界の中央銀行約40行の外貨準備運用担当者を対象に実施した年次調査によると、ほぼ全ての中央銀行が、通貨の多極化が今後数年で一段と進むと予想しているそうです。

 

 

 

具体的には、世界の中央銀行は、円・カナダドル・豪ドル・ニュージーランドドルなどの通貨を増やす計画といいます。

 

 

 

さらに、世界の中央銀行は、ドル離れを進めていますし、金(Gold)保有を急速に積み上げ、人民元などに移す動きも進めています。

 

 

 

私達投資家は、このような大きな流れを知っておくことが大事で、現状は「ドル一強」とも言えるドル高トレンドが続いていますが、今後はいつ流れが変わってもおかしくないと思っておいた方がいいでしょう。

 

引き続き、リスク管理を怠らずに取り組んでいきましょう。