政治と円安

 

 

 

直近の3か月、主要通貨で最も売られた通貨が「円」となりました。

逆に、最も買われた通貨は「ポンド」でした。

 

 

 

ところで、同じモノは同じ値段で買えるはずだという「購買力平価説」という説があります。

そして、それが基になった「ビッグマック指数」に着目すると、今の「円安」の異常さが際立ちます。

 

 

 

 

 

【ビッグマック価格で見れば1ドル81円、為替相場はとんでもない円安】

 

 

 

 

 

上記は先週のニュースですが、ビッグマックの価格に着目した時に、為替相場は1ドル=81円」でなければ「釣り合わない」のです。

これを簡単に説明すると、以下のようになります。

 

 

 

 

 

現在、日本のビッグマックの価格は450円、米国は5.58ドル

        ↓

450円÷5.58ドル=約81/ドル

 

 

 

 

 

上記のように、「1ドル=81円」であれば釣り合うのですが、現実には「1ドル=145.38円」(819日時点)ですから、仮に日本人が米国に行ってビッグマックを購入する場合、811円(5.58ドル)支払わなければならず、日本で購入する(450円)よりもずいぶんと割高になります。

 

 

 

これは逆に米国人からすれば、日本でビッグマックを購入するのはずいぶんと割安になります。

450円÷145.38/ドル=3.10ドル < 5.58ドル)

 

 

 

このように、外国人の目から見ると、いつの間にか日本はずいぶんと「安い国」になってしまいました。

 

 

 

そのような中、報じられたのが以下のニュースです。

 

 

 

 

 

【日本の46月期GDP6%増 円安と外国人観光客の回復が後押し】

 

 

 

 

 

これも簡単に言えば、円安で日本が「安い国」になっているから外国人観光客が増え、円安で日本製品が安い(世界の消費者にとって)から日本の輸出が増え、結果的にGDP(国内総生産)が伸びたということです。

 

 

 

しかし、このような「円安」が、多くの日本人にとって「喜ばしいこと」なのでしょうか?

明らかに、それは違うでしょう。

 

 

 

実際に、以下のようなニュースも報じられています。

 

 

 

 

 

【肩身がどんどん狭くなる…海外で「絶滅危惧種」となった日本人は、国内でも存在感ゼロ!「悲しき円安」のヤバすぎる末路】

 

 

 

GDP成長率6%!にはカラクリが訪日客が円安恩恵で爆買い、国民は物価高騰で節約の日々】

 

 

 

 

 

結局のところ、とんでもない円安になってきていることで日本への外国人観光客は増える一方で、特に欧米に旅行する日本人は激減しており、さらに物価高騰で日本人は「節約の日々」という実態が浮かび上がっているのです。

 

 

 

また先週は【ガソリン価格歴代最高値に迫る 13週連続値上がりで18190銭に】というニュースも報じられましたが、これも円安が要因の一つになっています。

 

 

 

このように、多くの日本人にとって円安は明らかに「マイナス」と思われますが、以下のニュースにもあるように、残念ながら、政治に期待できそうもありません。

 

 

 

 

 

【旧統一教会敷地内の麻薬輸送滑走路を爆破=国際犯罪組織が利用、教会関与の疑い】

 

 

 

 

 

これは、南米パラグアイで「旧統一教会敷地内の麻薬輸送滑走路」を地元警察が爆破したというニュースで、CNNブラジルが報じたニュースです。

旧統一教会の「麻薬密売への関与」が疑われているということです。

 

 

 

ところが、202295日発売の『週刊ポスト』では、そんな旧統一教会と「ズブズブの国会議員が168人いる」と報じられ、8割が自民党だそうです。

それにもかかわらず、ジャーナリストの鈴木エイト氏も言うように、国会議員への追及は止まっています。

 

 

 

したがって、日本の政治に自浄作用はないと思われますし、そうである以上は、今の円安も「しつこい」ものになりそうです。

 

 

 

ただし、過去を振り返っても分かりますが、リーマン・ショックや東日本大震災など、衝撃的な出来事があれば円は一気に「急騰」し、円高に振れます。

そのような中、気になるのが、先週報じられた以下のニュースです。

 

 

 

 

 

【フィッチ、米銀70行の格下げ警告 JPモルガンも対象―米報道】

 

 

 

 

 

上記は、格付け大手フィッチ・レーティングスが、米銀大手JPモルガン・チェースを含む約70行の信用格付けについて引き下げる可能性があると警告したというニュースです。

また、米銀の格付けを巡っては、今月の7日、格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスも、中堅行10行の格付けを引き下げたほか、USバンコープなど大手6行の格下げの可能性に言及しており、上記のニュースは「それに加えて」ということです。

 

 

 

はたして、今後「何事も無くいくのか?」と考えると、やはり警戒しておいた方が賢明だと思います。

したがって、このような全体像から考えると、相場は円の急騰を警戒しながらも円安目線で臨むのが正解となりそうです。

 

 

 

 

引き続き、慎重に取り組んでいきましょう。