マネーゲームとアドバイス

 

 

 

NYダウ、36年半ぶり13連騰 米景気の軟着陸に期待】

 

 

 

 

 

NYダウは36年半ぶりの「13連騰」となりました。

これは、先週の水曜日まで続きました。

そして木曜日は下落しましたが、金曜日は再び上昇しました。

しかし、改めてですが、このような13連騰が妥当と言えるほど、米国景気は良いのでしょうか?

 

 

 

私は、そうではないと考えます。

 

 

 

というのも、先月「米企業倒産急増」というニュースがありましたが、米国では今年、昨年の2倍の速さで企業が倒産しているそうです。

さらに、今年の上半期(1-6月)だけで、昨年1年間の倒産企業の負債総額を超えてしまったそうです。

また、米世論調査会社の最新の消費者感情調査によると、米国人の63%が現在不況にあると感じていると回答しています。

 

 

 

これらは、米国が「不況入り」しているサインと言えるでしょう。

 

 

 

したがって、NYダウが「36年半ぶり13連騰」と言っても、何かが「おかしい」と考えた上で、相場に向き合った方がいいと思います。

それこそ、前述の「米企業倒産急増」「不況」という視点で考えれば、今後は以下の報道内容が的中するのではないかと思います。

 

 

 

 

 

【金相場は来年に最高値更新へ、FRBの利下げ開始で-JPモルガン】

 

 

 

 

 

上記は先週のニュースですが、米銀JPモルガン・チェースは「米景気後退 ⇒ FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ」という展開を想定しており、来年の第4四半期(1012月)における金(Gold)の平均価格見通しを「1オンス=2175ドル」と予想しています。

729日時点で1オンス=1959ドル)

 

 

 

そのような中、金(Gold)が高いということは「ドルの信認低下」「ドル安」を意味しますから、「米企業倒産急増」「不況」という視点で考えても、やはりドル安に進むと考える方が理にかなっていると言えるでしょう。

 

 

 

ところが、前述のように、現実は「NYダウが36年半ぶり13連騰」となり、未だに「ドル高」も続いています。

しかも、例えば以下のような報道が出る度に、相場は極端に円安に振れたり、円高に振れたりしています。

 

 

 

 

 

【持続的・安定的な物価2%達成には「まだ距離」=植田日銀総裁】

 

 

 

【日銀は現時点でYCC副作用に対応の緊急性乏しいと認識-関係者】

 

 

 

【日銀がYCCの修正案を議論へ、上限0.5%超え容認案-報道】

 

 

 

【日銀、金利操作の柔軟運用を決定 上限超えを容認 金融政策決定会合】

 

 

 

 

 

具体的には、ドル円は「1ドル=137円」から「1ドル=142円」の間で、上記のような報道が出る度に、大きく上に動いたり下に動いたりを繰り返しました。

実際に、マーケット速報でも「乱高下」と繰り返し報じられていました。

 

 

 

したがって、株式相場にせよ、為替相場にせよ、現在の相場は「マネーゲーム」であると認識するのが正解だと思います。

 

 

 

では、そんな「マネーゲーム」に取り組むにあたって、何か「役に立つ」ような考え方はあるのでしょうか?

書籍『システムトレード 基本と原則』(パンローリング)では、世界的に成功したトレーダー達16人による「一言アドバイス」が紹介されています。

ちなみに、その「一言アドバイス」とは、以下の質問に対する回答です。

 

 

 

 

 

「成功したいと考えるトレーダーに一言だけアドバイスをするなら、それは何でしょうか。また、その理由は何ですか?」

 

 

 

 

 

以下に、彼ら16人による「一言アドバイス」の一部を紹介します。

 

 

 

 

 

・機会を見つけなさい。そこでトレードを行いなさい。だが、長居をして売り時を失ってはならない。

 

 

 

・守りとは見張りであり、逆境に襲われると自覚した上での自衛計画のことだ。

 

 

 

・小さくトレードをしなさい。世界屈指のトレーダー達も、始めた頃はほとんど全てを失いかけた。小さくトレードを行えば、成功のために必要なことを全て学べるだけの時間が得られるだろう。

 

 

 

・トレーディングでは、単純さが一番だと悟った。複雑な戦略で、データをあまりにも多くのルールに合わせようとすれば、合わせられはするが、将来良いパフォーマンスが得られることはない。

 

 

 

・トレーダー達が昔から抱いている信念は、「トレンドはトレーダーの味方」だ。私はこの信念に「トレンドが終りかけでない限り」と付け加える。

 

 

 

・損失もこのゲームの一部だから、先に進んで、損失にあまりこだわらないこと。損失を取り戻そうとむきにならないことが非常に大切だ。機会はほぼ毎日訪れる。

 

 

 

・守りが良ければゲームに勝てる。

 

 

 

・成功するために底で買って、天井で売ることを目指す必要はない。自分の性格を補う健全なトレーディング法を考案して、それを使ってどの週も、どの月も、どの年も進む必要がある。

 

 

 

 

 

さて、「マネーゲーム」であればこそ、上記の「一言アドバイス」を踏まえて取り組むことが大事だと思います。

 

今後もマーケットに翻弄されないように、気を引き締めて取り組んでいきましょう。