【米国が為替監視国から日本を除外、市場には介入懸念の声も】
【為替は安定が重要、過度な変動・投機的な動きは注視=西村経産相】
【為替政策「必要なら適切対応」、各国と緊密に意思疎通-財務相】
【日本の当局の口先介入を警戒-円安進行で為替トレーダー】
上記はいずれも先週のニュースです。
しつこい円安、止まらない円安で、ドル円は「1ドル=143円台」まで進みましたが、ここにきて日本政府による為替介入が意識されています。
また、米国は通貨を意図的に誘導する為替操作を行っていないかをチェックする「監視リスト」の対象からは日本を除外しました。
ちなみに「監視リスト」ですが、「大幅な対米貿易黒字」「多額の経常黒字」「為替介入を継続的かつ、一方的に行っている」という3つの基準のうち2つに該当する国と地域が指定されます。
日本の場合は、「大幅な対米貿易黒字」は該当しているものの、他については該当せずということで、「監視リスト」から除外されたようです。
ところで、このような一連の流れからも感じ取ることができますが、多くの識者が指摘するように、日本は米国の属国と言えるでしょう。
それも、敗戦後から今に至るまで、ずっとです。
しかしなぜ、これほどまでに「しつこい円安」「止まらない円安」になるのでしょうか?
個人的には、外資系銀行員や大学教授などを歴任し、副島国家戦略研究所(SNSI)を主宰している副島隆彦氏が「真実」を述べていると思っています。
その「真実」とは、簡単に言うと、「日本が米国に貢いでいる」「米国の巨額の財政赤字の穴埋めに、日本の資金を使っている」ということです。
具体的には、米国債を「買う」という形等によってです。
逆に言えば、そうでなければ、これほどまでに「しつこい円安」「止まらない円安」にはならないと考えられます。
ただし、副島氏は以下のようなことも述べています。
「米国が、急激に落ち目になって、信用をなくすときに、1ドルは、80円、60円、40円・・・と下落する」
問題はそれが「いつなのか?」ということですが、目先の相場においては、まだまだ円安が続くかもしれない一方、前述のように、日本政府による為替介入が意識されており、相場は急転換するかもしれません。
なぜなら、昨年も3回、日本政府は為替介入を実施しましたが、その時と今が似通ってきたからです。
いずれにせよ、相場の急転換の可能性は常に意識しておいた方がいいと思います。
そのような中で、以下のようなニュースもあります。
【「日銀いつでも解除可能」と円買い-YCC近く撤廃見込むM&G】
上記の「M&G」とは、資産運用会社のM&Gインベストメンツで、世界的にも有数の資産運用会社ですが、そこが「円買い」に動いているというニュースです。
ちなみに、YCC(イールドカーブ・コントロール)とは、日銀が導入した政策枠組みで、短期国債から長期国債までの金利全体の動きをコントロールすることで、2%の物価上昇と金融機関の収益改善を目的としています。
もう少し分かりやすく言うと、日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)によって、長期(国債)金利を低く抑え、このことによって、住宅ローンや企業の借り入れなど、お金を借りる人たちの負担が軽減されます。
そして同時に、企業の投資や経済活動が活発になることが期待されています。
しかし、その効果については、専門家からも「疑問」の声が挙がっており、実際に目に付くのは、株価こそ高いものの、極端な「円安」や「景気悪化」の兆候です。
したがって、M&Gインベストメンツとしては、このYCC(イールドカーブ・コントロール)も近く撤廃されるだろうということで、それは「円安要因」の撤廃を意味しますので、円買いに動いているようです。
そうかと思えば、以下のようなニュースもあります。
【円安地合い継続か、介入警戒感と綱引き=来週の外為市場】
要するに、今週も円安に進むのではないかということで、専門家の間では「ドルは再び145円乗せが視野に入る」との指摘も増えているそうです。
このように、一つハッキリ言えるのは、今は市場参加者の間で、様々な思惑が錯綜しているということです。
一方で、相場は昔から「心理戦」だと言われます。
ですので、いわゆる「心理負け」しないように、ポジション量に留意し、そして「損切り貧乏」にならないように留意する必要があるでしょう。
その上で、「しつこい円安」「止まらない円安」「相場の急転換」を意識すべきです。
各種報道にも注目して、取り組んでいきましょう。