3者会合

 

 

 

【財務省・金融庁・日銀3者会合 為替変動「適切に対応」】

 

 

 

 

 

530日(火)、財務省・金融庁・日銀は、3者会合を開きました。

 

 

 

最近はずっと円安が止まらず、ドル円が「1ドル=141円」に、ユーロ円が「1ユーロ=151円」に近づいたタイミングでのことでした。

 

 

 

3者会合の終了後、神田財務官は記者団に対し、為替相場について「ファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映して安定的に推移することが重要であり、過度の変動は好ましくない。必要があれば適切に対応していく考えに変わりはない」と述べました。

 

 

 

ちなみに財務省・金融庁・日銀の3者会合ですが、昨年の610日と98日にも開催されました。

そしてその後、922日、1021日、1024日に政府・日銀は「ドル売り・円買い」の為替介入を実施し、「1ドル=152円」まで近づいていたドル円は、一気にドル安円高へと転じました。

 

 

 

したがって、今回の3者会合も、市場では「昨年の展開の再来では?」と噂され、為替相場は円高へ修正されることとなりました。

 

 

 

このように、過度の変動は好ましくないとする、日本の通貨当局のスタンスを考慮しますと、今後、今以上に「過度な円安」にはなりにくいのではないかと思います。

 

 

 

いずれにせよ、神田財務官も述べたように、相場全般については「ファンダメンタルズ(基礎的条件)を反映する」という「基本」から目を背けてはいけないと思います。

 

 

 

すると、例えば以下のようなことも考える必要があるでしょう。

 

 

 

 

 

2021年まで10年近く、「1ドル=110円」前後で推移してきたにもかかわらず、今の「1ドル=140円」は妥当なのか?

 

 

 

・バブル景気以来33年ぶりの高値を付ける日経平均株価は妥当なのか?

 

 

 

・債務上限法案を可決し、デフォルト(債務不履行)を回避した米国だが、本当に「財政状況が極めて悪い」という問題そのものが解決されるのか?

 

 

 

 

 

上記のようなことを考えますと、やはり今の相場は「おかしい」ことのオンパレードだと思います。

したがって、いつ「リーマン・ショック級の金融危機」が起こっても不思議ではないと思います。

 

 

 

また、金融危機の「引き金」になる可能性のあることを把握しておくことが大事だと思います。

 

 

 

そういう意味でも、個人的に「重要だ」と認識していることを以下に整理します。

 

 

 

 

 

NATO(北大西洋条約機構)軍が、ウクライナで戦闘行為を行っていると、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道した。

 

 

 

・英国がウクライナに供与した劣化ウラン弾(核兵器の製造や原子力発電で使われる天然ウランを濃縮する過程で生じる放射性廃棄物を主原料とする合金を使用した弾丸)が、ロシアの戦略爆撃で吹き飛び、放射能の雲が欧州に向かった。

 

 

 

・欧州にとって、ウクライナから入ってきた500万人の難民が重荷になっている。

 

 

 

G7首脳会議と同じ日に開かれた「中央アジアサミット」で、中国の習近平国家主席が、米国が策動するカラー革命(独裁的政権の交代を求めて起こる民主化運動)を共同で阻止するよう呼び掛けた。

 

 

 

・(FBIによるトランプ氏のロシア疑惑の捜査について検証した)ダーラム特別検察官によると、2016年の米大統領選挙では、オバマ氏やクリントン氏が司法省やFBIを使って各種工作を行っていたことが明らかになった。さらに、バイデン米大統領一家9人が、1000万ドル以上の資金提供を外国から受けていたことが明らかになった。

 

 

 

・米下院に、バイデン米大統領、司法長官、FBI長官、ワシントンの連邦検事、国家安全保障省長官の弾劾条項が提出された。

 

 

 

・横須賀にある原子力空母ロナルド・レーガンの「原子炉」で仕事をする複数の兵隊が、麻薬の所持、使用、流通で逮捕され、重要犯罪を取り締まる海軍犯罪捜査局が捜査に乗り出した。

 

 

 

・ロシアのプーチン大統領は、首都モスクワと周辺地域がドローン(無人機)による攻撃を受けたことについて「テロ攻撃という明確な兆候がある」と語った。

 

 

 

G7首脳会議(広島)は、米陣営に都合がいい方向にウクライナでの「代理戦争」を加速させ、「第三次世界大戦」へと突入する進軍ラッパを鳴らしたと、筑波大学名誉教授の遠藤誉氏が語った。

 

 

 

・今やBRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)陣営のGDP(国内総生産)合計は、G7(米国・日本・ドイツ・英国・フランス・イタリア・カナダ)陣営の合計を上回っている。

 

 

 

・世界の国々による「脱ドル」が、米国のエコノミストたちの間で大きな話題になってきている。

 

 

 

・米軍の制服組トップが、ウクライナが領土を奪還できる可能性を否定した。

 

 

 

・英紙フィナンシャル・タイムズが、西側諸国(米国・日本・欧州など)はもはや世界を支配することができないことを認めるべきだと、記事に掲載した。

 

 

 

・米企業業績は「3四半期連続の利益悪化」となっており、リセッション(景気後退)はすでに到来していると報じられた。

 

 

 

・先日、日経新聞は「世界景気減速にシグナルがともっている」と報じた。

 

 

 

 

 

さて上記のようなことを踏まえますと、今の株高は、あまりに楽観的ではないでしょうか?

さらに、庶民の肌感覚としても「不自然」ではないでしょうか?

 

 

 

そして、もしもそうであるのなら、やはり今後は「リーマン・ショック級の金融危機」を想定するべきだと思います。

 

 

 

 

株価も為替も、大幅修正の可能性を常に念頭に置いて取り組んでいきましょう。