米国のデフォルト!?

 

 

 

先日、世界一の大富豪で実業家のイーロン・マスク氏が「米国のデフォルト(債務不履行)は時間の問題」との見解をツイッターに投稿しました。

 

 

 

ただし、このことを報じた主要メディアは、私の知る限りありません。

アゼルバイジャン(ロシア、ジョージア、アルメニア、イランに囲まれた国家)のニュースが報じていたくらいです。

 

 

 

一方で、以下のニュースは主要メディアのロイター通信でも報じられました。

 

 

 

 

 

【米債務上限、来月にも深刻な問題に=JPモルガン】

 

 

 

 

 

米金融大手のJPモルガンが、米国の債務上限到達が早ければ今月(5月)にも問題になると予想し、米国債のデフォルト(債務不履行)は重大なリスクだと指摘しました。

 

 

 

さらにJPモルガンは、米財務省が利用可能な資金が8月中旬までに払底(ふってい)する可能性があると予想しています。

 

 

 

そして、これらのことを裏付けるかのように、以下のようなニュースも報じられました。

 

 

 

 

 

【イエレン米財務長官、債務上限引き上げ改めて訴え-回復「台無しに」】

 

 

 

 

 

米債務残高は今年1月に法定上限の314000億ドル(約4279兆円)に到達し、米財務省はそれ以降、特別措置を活用してデフォルト(債務不履行)を回避してきましたが、イエレン米財務長官はデフォルト(債務不履行)の事態となれば「経済的および金融的な大惨事」が起こると予測しました。

 

 

 

だからこそ、イエレン米財務長官は債務上限の引き上げを訴えているわけですが、民主党と共和党との間で全く折り合いがついていません。

 

 

 

共和党は債務上限の引き上げを認める代わりに、バイデン米大統領肝煎りの学生ローン減免や再生可能エネルギー促進策の撤回など、総額45000億ドルの「歳出削減」を求めているのですが、民主党がそれを拒否している形です。

 

 

 

したがって、このままでは米国のデフォルト(債務不履行)が現実味を帯びてくるわけで、実際に米財務省は近く、デフォルト(債務不履行)に陥る恐れがある時期について、新たな見通しを示す予定だそうです。

 

 

 

ちなみに前述のイーロン・マスク氏は、米経済学者のピーター・セント・オンジ氏の見解についても言及しています。

 

 

 

それは、国際決済に占めるドルの割合が、2001年の73パーセントから、現在は47パーセントにまで低下しているというものです。

 

 

 

要するに、これは世界的な「ドル離れ」が起こっているということです。

 

 

 

米国はこれまで「経済制裁」という名のもとに、ドルを「武器」として繰り返し使用してきました(国際金融システムから当該国を遮断)ので、今や米国の同盟国までもが「脱ドル」に関心を示し始めているようです。

 

 

 

ところが、どれだけ「デフォルト(債務不履行)」や「ドル離れ」の話が出てきても、未だに「ドル相場」は崩れていません。

 

 

 

いったい、なぜなのでしょうか?

 

 

 

それは、今や相場が「マネーゲーム」と化しているからだと思います。

 

 

 

 

 

【巨万の富への道、金融とテクノロジーの融合が鍵-ニューリッチ番付】

 

 

 

 

 

上記は先日ブルームバーグで報じられたニュースですが、最近は以下のような特徴を持った人達(ヘッジファンド等)が巨万の富を築いているそうです。

 

 

 

 

 

・コンピューターを駆使したトレーディング会社のCEO(最高経営責任者)

 

 

 

・クオンツトレーディング戦略(高度な金融工学の手法を用いた戦略)は、またの名を「ブラックボックス」ともいい、説明が難しく理解しづらいというのが世間一般の見方だが、このような戦略を用いたトレーディング会社のCEO(最高経営責任者)

 

 

 

・テクノロジーを活用して相場の行方を超高速で判断し、1秒足らずの間にポジションを動かすHFT(超高速取引)会社のCEO(最高経営責任者)

 

 

 

 

 

要するに、著名投資家のウォーレン・バフェット氏のように、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)をきちんと分析するのではなく、あくまで金融とテクノロジーの融合で稼ぐ人達が巨万の富を築いている構図のようです。

 

 

 

彼らが「マネーゲーム」を制しているのです。

 

 

 

しかし、このようなことがいつまでも続くのでしょうか?

 

 

 

現に、米国のデフォルト(債務不履行)やドル離れの話が方々から出てきているわけで、それこそイーロン・マスク氏の言う「時間の問題」なのではないでしょうか?

 

 

 

トランプ前大統領も「ドルはまもなく世界標準でなくなる。これは過去200年間で最大の敗北だ」と語っています。

 

 

 

したがって、私達個人投資家は、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から目をそらさずに、さらにはマネーゲームで敗北しないように注意を払うことが肝要です。

 

 

 

具体的には、上昇・下落トレンドの見極め、損切り貧乏にならないような「ストップ」の設定、着実な利益確定、過度にならないポジション量・・・といったことが考えられます。

 

 

 

 

これらを意識しながら、引き続き頑張っていきましょう。