SVB破綻、どうなる?

 

 

 

米国の金融市場が非常に危うくなってきました。

まずは、以下のニュースです。

 

 

 

 

 

【ウォール街が目を背けるリスク、米連邦債務上限と政府デフォルト(債務不履行)】

 

 

 

 

 

上記は先週、ブルームバーグで報じられたニュースです。

記事は長文で、様々なことが書かれていましたが、まとめると以下のようになります。

 

 

 

 

 

・リーマン・ブラザーズの破綻しかり、2016年米大統領選の結果(トランプ元大統領の誕生)しかり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)しかり、いわゆる「常識」は間違えてきた。

 

 

 

・いわゆるXデー、米政府が支払いをできなくなる日はわずか数カ月後に迫っている。

 

 

 

・ゴールドマン・サックス・グループは、Xデーは8月上旬か半ばだと見積もる。

 

 

 

・市場はひどく油断している。投資家は用心すべきだ。

 

 

 

・連邦政府が支払い不履行に陥れば、米金融システムにとってリーマン・ブラザーズ破綻以来の大きな衝撃となる。

 

 

 

・米国債は、世界経済の基本的な血流システムにあまりに深く組み込まれているため、米国債デフォルト(債務不履行)の影響は想像するのも難しい。

 

 

 

・米国債の支払いを優先することは、裕福な投資家や中国政府などへの支払いを実施する一方で、数百万人の連邦職員や業者、軍人、社会保険給付受給者などへの支払いを無期限に遅らせることになる。

 

 

 

・債券保有者への利払いにせよ、連邦職員の給料にせよ、社会保険給付受給者への給付にせよ、財務省からの支払いが短期間でも停止すれば、壊滅的な市場の反応を引き起こすだろう。

 

 

 

・(上記のようなことになれば)経済は直ちにリセッション(景気後退)入りするだろう。

 

 

 

 

 

さて、多くの人達(特にウォール街の人達)は楽観視しているのかもしれませんが、米国は超巨大な財政赤字を抱えており、上記の通り、危うい状況となっています。

 

 

 

そのような中、米金融大手バンク・オブ・アメリカのCEO(最高経営責任者)は、CNNのインタビューで「我々は米国のデフォルト(債務不履行)に備えている」と語りました。

 

 

 

これは、ただごとではありません。

 

 

 

ところが、同時に「おかしな」ことがあります。

以下に整理します。

 

 

 

 

 

・未だに「ドル高」が続いている。 ⇒ 市場はひどく油断しているのではないか?

 

 

 

・先月、米雇用統計で米国の失業率は「53年ぶり低水準」と発表されたが、米国の雇用主が発表した先月の「人員削減数」は「2009年以来の多さ」となった。 ⇒ どちらが、実態に近いのか?

 

 

 

・今月の米雇用統計も「良好」な結果が発表された。 ⇒ 多くの専門家達が指摘しているが、米雇用統計は「国家ぐるみの粉飾」ではないのか? 

 

 

 

 

 

そのような中、米金融大手バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースといったところの「経営危機」が、最近は噂になっていました。

 

 

 

すると先週末、以下のようなニュースが報じられました。

 

 

 

 

 

SVB傘下シリコンバレー銀破綻、市場に走る動揺】

 

 

 

【米シリコンバレー銀行が経営破綻 リーマン危機後で最大】

 

 

 

 

 

なんと、米国のSVB(シリコンバレー銀行)が破綻したのです。

 

 

 

現在、金融市場は、この話題で持ち切りとなっています。

 

 

 

ちなみに、SVB(シリコンバレー銀行)は米国の「中堅銀行」ですが、総資産は約28兆円あり、報道の通り、リーマン・ショック後の銀行破綻ケースとしては最大規模となっています。

 

 

 

すると、この件で、前述のバンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースがいずれも少なくとも5%株価を下げたのです。

これは「負の連鎖の始まり」ではないでしょうか?

 

 

 

実際のところ、イエレン米財務長官も複数の銀行を「非常に注意深く」監視しているそうで、これもニュースになっています。

 

 

 

さらに、イエレン米財務長官は、具体的に「米国政府は1018日までに資金が枯渇する」ということまで発言しました。

 

 

 

このように見ていきますと、未だに「ドル高」が続いていることもそうですが、市場は楽観視し過ぎているように思います。

 

 

 

しかも、銀行といえば、スイスの金融大手「クレディ・スイス」の危機まで再燃しています。

預金流出も止まらず、株価も最安値を更新しました。

 

 

 

つまり、私達投資家は、今こそ「リーマン・ショックの再来」のようなことを想定しながら相場に取り組む必要があるでしょう。

 

 

 

具体的には、ポジション量などの「資金管理」「リスク管理」に尽きますが、巻き込まれて大損することのないように注意を払う必要があります。

 

 

 

 

「有事の円」や「有事の金」も念頭に、注意深く取り組んでいきましょう。