国内外のニュースを見ていますと、今、世界は相当「危うい状況」です。
したがって、相場では戦略が必要です。
そのような中、昔ある雑誌に「偏差値100超えの天才がたどり着いた禁断のFX手法」という記事が載っていました。
東京大学を卒業し、専業トレーダーになったという方の記事でしたが、以下のようなことが書かれていました。
・FXを始めた「きっかけ」は、同じ東京大学出身の友人から「FXは簡単。1ドル80円から120円のレンジがほとんどなのだから」と説かれたから。
・FXのようなマニュアル本には「ナンピンのような買い下がりは厳禁」と書かれているが、失敗するのはレバレッジが過大になるからで、資金管理に気をつければ、ナンピンこそもっとも簡単に勝ち続ける方法だ。
・急落時には含み損が拡大するが、強制決済にならないよう資金に余裕をもたせ、相場回復を待てばよい。
さて、上記のようなことが書かれていたのですが、ご存知の通り、ドル円は「80円から120円」のレンジにはならずに上昇を続け、特に昨年は「1ドル=151.94円」まで上昇しましたので、もしこのようなレンジを想定した戦略を採用していたら大変な目にあっています。
さらに前述のように、今、世界は相当「危うい状況」です。
したがって、今後の相場は、たとえ「1ドル=200円」や「1ドル=50円」になろうとも大丈夫な戦略を採用すべきで、それはトレンド重視の戦略になります。
その上で、ナンピンや資金管理を含めて、「何か工夫できることはないか?」と考えていくことが、現実的な対策になると思います。
ここで、最近の、個人的に気になっているニュース(情報)を以下に整理します。
・新型コロナウイルスのワクチンが、史上最悪の「薬害事件」になってきている。
・東京五輪汚職の捜査が「国際的」に継続している。
・NATO(北大西洋条約機構)のストルテンベルグ事務総長が、ミンスク合意(2014年に始まったウクライナ東部紛争を巡る和平の合意)が「戦争準備の隠れ蓑」だったことを認めた。
(ドイツのメルケル元首相、フランスのオランド元大統領も認めた)
・米下院共和党の議員達が「ウクライナ支援の打ち切り」の決議案を提出した。
・米議会公聴会で、ツイッター社の幹部が「米政府と一体になって行った言論弾圧と選挙干渉」を厳しく追及された。
・ゴールドマン・サックスのCOO(社長兼最高執行責任者)は「市況悪化の兆候がある」と言い、人員の大幅削減に踏み切ったと明らかにした。
・東京商工リサーチが発表した全国企業倒産件数は前年同月比26%増で、10か月連続増加となった。
・世界の金利に上昇圧力がかかっており、金融市場の混乱が続く可能性がある。
・外国人の日本国債の「売り越し額」が過去最大(4兆1190億円)となっており、国内生損保も超長期債の「大幅売り越し」になっている。
・中国で地方政府の債務が930兆円に達した。
・米国の南部国境で「不法入国を試みる中国人」の件数が、前年同期比で7倍増加している。
・中国が保有する米国債の減少が続き、12年半ぶりの低水準となっており、代わりに資金を振り向けているのが金(Gold)となっている。
・中国投資銀行の華興資本(チャイナ・ルネサンス・ホールディングス)のCEOが音信不通となっており、その理由は不明だが、中国では習近平国家主席が主導する汚職摘発により、有力な企業幹部がほとんど説明もないまま行方不明になる例が相次いでいる。
・ピューリッツアー賞(ジャーナリストのノーベル賞とも言われる)の受賞歴がある、米国人ジャーナリストのシーモア・ハーシュ氏が、「バイデン政権が、ドイツとロシアを結ぶ天然ガスパイプライン・ノルドストリームの爆破を計画実行させた」というスクープを発表した。
・IMF(国際通貨基金)のゲオルギエバ専務理事が「これから世界は未曾有の危機に直面する」と発言した。
・在モスクワの米国大使館が、2月12日、ロシアに滞在している米国人に対しロシアから直ちに出国するよう指示した。
さて、個人的には上記のようなニュース(情報)が気になっているわけですが、相場においては、このような状況下で「平穏無事な相場が続く」とは考えない方がいいでしょう。
ちなみに先週末、ブルームバーグで「ドルはピークとの見方」と報じられ、世界の有力投資家達の見方も紹介していましたが、そう報じられた矢先にドルは「急騰」しました。
したがって、このことからも分かりますが、やはり今後の相場でも「決め打ち」しない方がいいでしょう。
また先週のコラムで紹介したチャットGPT(質問をするとAIがまるで会話するように答えてくれる技術)も非常に優秀ではありますが、ウォール街では警戒が強まっており、世界的な投資銀行内では利用を制限する動きが相次いでいます。
これも「過信は禁物」と考えた上でのことでしょう。
このような全体像を踏まえますと、相場においては前述のように、トレンド重視の戦略を採用しつつ、ナンピンや資金管理を含めて、「何か工夫できることはないか?」と考えていくことが、今後も現実的な対策になると思います。
引き続き、頑張りましょう。