行き過ぎた「強欲」

 

 

 

先週のコラムでもお伝えしましたが、118日、日銀の金融政策決定会合が開かれ、この日のドル円の値動きは以下のようになりました。

 

 

 

128.08円    131.58円    127.57円    128.89

 

 

 

この日は事前の市場予想では「円高」が多かったのですが、実際には円安(128.08→ 131.58円)に動き、円安に動いた後に円高(131.58→ 127.57円)に動き、さらに円高に動いた後に円安(127.57→ 128.89円)に動きました。

これが「わずか1日の中での値動き」だったわけです。

 

 

 

この値動きのように、「下がると見せかけて上がる」「上がると見せかけて下がる」のが最近の相場の特徴となっています。

 

 

 

ですので、大手金融機関で働くプロトレーダー達が、実際に以下のように語っています。

 

 

 

 

 

「最近の相場は、売ってはやられ、買ってもやられ、また売ってもやられるような嫌な相場だ」

 

 

 

「値動きが訳分からなさ過ぎる」

 

 

 

「この道数十年。相場に心血を注いできたが、ここまで相場が玩具(おもちゃ)にされるとは・・・」

 

 

 

「動いているのは超短期投機筋だから、まともな相場になっていない」

 

 

 

 

 

さて、このようにプロトレーダー達が言うのは「もっとも」なのですが、ここで厄介なのが「下がると見せかけて、本当に下がる」「上がると見せかけて、本当に上がる」ケースもあるため、短期売買になればなるほど「振り回されがち」になることです。

 

 

 

そして、短期売買になればなるほど「振り回されがち」になるということは、相場格言「損切りは早く、利は伸ばせ」に則って短期売買をすると、高確率で損切りがヒットし、利益も早めに確定しておかなければ、あっという間に無くなることを意味します。

 

 

 

したがって、相場は「心理戦」ということを改めて自覚し、自身が心理的に振り回されないような資金管理や投資戦略で取り組むことが肝要なのです。

 

 

 

ところで個人的な話になりますが、私は昔、イギリス人と一緒に仕事をしたことがあります。

相場の短期売買で、圧倒的に優位と言えるような戦略がないかと共に模索しました。

 

 

 

そのイギリス人は、京都大学大学院で宇宙物理学を専攻し、履修科目はオール優で、プログラミングスキルも高く、日本語も日本人以上と言っても過言でないレベルで話すような、超優秀な人物でした。

 

 

 

私達は共に前述の「模索」を数か月に渡って行ったのですが、やはりと言うべきか、天才イギリス人を以てしても「相場の短期売買で、圧倒的に優位と言えるような戦略は無い」というのが「結論」でした。

 

 

 

だからこそ、以下のようなことを、私は確信を持って言うことができます。

 

 

 

 

 

・相場の短期売買で必勝法のようなものは無く、その結果は主に「運」に左右される

 

 

 

・たとえ含み損でも、含み益になるまで「待って」決済をすれば「利益確定」となるわけだから、特に個人投資家は「時間を味方につけて勝つ」という観点も重要

 

 

 

 

 

ところで、イギリスと言えば通貨「ポンド」で知られますが、2021年には【GDP(国内総生産)減少率が1709年(18世紀)以来311年ぶりの大きさ】と報じられました。

 

 

 

ところが、この「報道前」も「報道後」も、当時最も買われた通貨は「ポンド」でした。

 

 

 

また2021年と言えば、ゲームストップ株の乱高下もありましたが、ウォール街で働く金融のプロ達が分析して導いた株価と、現実の株価が「6倍も乖離する」という現象も起こりました。

 

 

 

このように、これらの出来事だけでも近年の相場の「おかしさ」がよく分かりますが、同じように、近年の異常なまでの円安も、このような「おかしさ」の延長線上にあると考えられます。

 

 

 

したがって、近年の相場については、ある意味「滅茶苦茶である」と認識し、前述のように、相場は「心理戦」ということを自覚して取り組むことが肝要だと思います。

 

 

 

ところで、なぜ、ここまで相場が「おかしく」なってしまったかですが、AI(人工知能)やHFT(高速・高頻度取引)の台頭、個人投資家の急増などが要因として考えられます。

 

 

 

しかし本質的には、行き過ぎた「強欲」が要因だと考えられます。

 

 

 

そして、行き過ぎた「強欲」は相場に限った話ではなく、世界中でまん延しています。

 

 

 

例えば、潜入取材で真相を暴いていくジャーナリストの組織で、米国にプロジェクトヴェリタスという組織がありますが、先日ここが製薬会社のファイザー社の幹部に潜入取材しました。

 

 

 

そこで撮られた動画が、129日時点で、なんと2300万回も再生され、世界中で情報が拡散されていますが、内容は以下のようなものでした。

 

 

 

 

 

・コロナウイルスを自分達で変異させて撒けばいい

・サルを使って変異種をつくる

・新ワクチンを投入し、この先も市場を独占する

 

 

 

 

 

さて、ここでは真偽は置いておきますが、人々が思っているのは「今の世界、絶対に何かがおかしいのに、主要メディアは決して真相を報道しない」といったことではないでしょうか。

 

 

 

ウクライナ戦争も同様でしょう。

戦争で儲けている連中がいるのは明らかですし、ウクライナ国民が疲弊しているにもかかわらず、ウクライナの国会議員の多くは、この冬もスペインなどのリゾート地で贅沢三昧だそうです。

 

 

 

今の世界、残念ながら、行き過ぎた「強欲」があるのが現実で、相場もその影響を受けています。

 

 

 

 

このようなことを十分に認識した上で、相場も賢く取り組んでいきましょう。