「騒動」から学ぶ

 

 

 

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

さて、2023年が始まりました。

 

 

 

その前に、ここで昨年の2022年を振り返ってみますと、日本の5大ニュースとしては、メディアで以下のようなことが取り上げられていました。

 

 

 

 

 

1.     安倍晋三元首相殺害事件

2.     旧統一協会をめぐる問題

3.     記録的円安、1ドル=151円台、32年ぶり

4.     知床観光船沈没事故

5.     北京冬季五輪メダル最多18個 W杯、強豪のドイツ・スペインを撃破

 

 

 

 

 

一方で今年の2023年については、コンサルティング会社のユーラシア・グループが、10大リスクとして、以下のようなことを取り上げています。

 

 

 

 

 

1.     ロシアが米欧などの安全保障への重大な脅威となる

2.     中国の習主席に権力が集中し、市場や企業が習主席の発言に振り回される

3.     AI(人工知能)が市場や企業の混乱を招く

4.     インフレによって、多くの国・地域がマイナス成長となる

5.     イランと西側諸国の新たな対立が予想される

6.     エネルギー危機

7.     健康・教育・生活水準の指標である人間開発指数(本質的な国の豊かさを示す)の停滞

8.     米国の分断

9.     Z世代(デジタルネイティブ世代)が台頭し、米欧などで新たな政治勢力になる

10.  水不足

 

 

 

 

 

たしかに、上記は「今年の10大リスクかもしれない」と個人的にも思いますが、相場においても、これら10大リスクによって「乱高下」がもたらされる可能性があると思います。

 

 

 

いずれにせよ、相場においては、乱高下があっても対応できるような戦略で臨むべきです。

 

 

 

そのような中、今後の相場対策を考える上で教訓としたいのが、ゲームストップ(米ビデオゲーム小売大手)の株価にまつわる「騒動」です。

2020年から2021年にかけて起こった「騒動」です。

 

 

 

この件については過去のコラムでも取り上げたことがあり、ネットフリックス(動画配信大手)でも『イート・ザ・リッチ ~ゲームストップを救え!~』というタイトルで配信されています。

 

 

 

個人的にも非常にお勧めの「ドキュメンタリー」で、今後の相場対策を考える上でも参考になると思います。

 

 

 

この「騒動」を簡単に説明しますと、以下のようになります。

 

 

 

 

 

米国の素人の投資家集団がヘッジファンドに勝利した。

 

 

 

・米国の素人の投資家集団がインターネット上の掲示板で「結託」し、ゲームストップ株を買い上げたが、ヘッジファンドはゲームストップ株を空売り(値下がりで利益を狙う)していた。

 

 

 

・米国の素人の投資家集団の多くが、ロビンフッダー(米ロビンフッド証券が提供する同名のスマホアプリだけで売買する人達、3950万人にも上る)だった。

 

 

 

・ヘッジファンドの損失が青天井に膨らんでいく中、米ロビンフッド証券が「ゲームストップ株」の購入を途中から「出来なく」し、その結果、ゲームストップ株が暴落した。

 

 

 

・(上記に対して)米国の素人の投資家集団は怒り、米ロビンフッド証券には批判が殺到し、その他の「犯人捜し」も始まるなど、大きな騒動となった。

 

 

 

 

 

簡単には上記のような内容だったわけですが、当時のゲームストップは、会社としては「いつ倒産してもおかしくない」ような状態でした。

そういう意味では、当時のヘッジファンドの「空売り」は理にかなった行動でした。

 

 

 

しかし、ゲームストップ株を買い上げた素人の投資家集団にも「言い分」がありました。

 

 

 

それは、ヘッジファンドは今まで散々、好き勝手に相場を動かしてきたどころか、悪行の限りを尽くしてきたから復讐するべきだ、というものでした。

 

 

 

実際に、この「言い分」も当たっており、ヘッジファンドは過去に幾度となく「相場の不正操作」で当局から制裁金を科されています。

 

 

 

要するに、ある意味「どっちもどっち」の騒動だったのですが、この騒動から得られる教訓としては、近年の相場は、多かれ少なかれ「まともでなくなってきている」ということです。

 

 

 

そして今回この件を取り上げたのも、つい先日、以下のような報道があったからです。

 

 

 

 

 

【シタデル、ヘッジファンドなど過去最高収入-マーケットメーク1兆円】

 

 

 

 

 

実は、上記のシタデル(ヘッジファンド運営会社)は、前述のゲームストップ株騒動の「犯人捜し」で何度も名前が挙がった会社であり、当時、米ロビンフッド証券と共謀していた疑いをかけられている会社なのです。

 

 

 

そんなシタデルは、現在も業績が「絶好調」なようですが、前述の『イート・ザ・リッチ ~ゲームストップを救え!~』を観れば、多くの人はこの会社を「黒である」と思うことでしょう。

 

 

 

しかし、ゲームストップ株騒動の件というのは、あくまで「一例」です。

私達個人投資家は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈(ばっこ)するのが「相場の世界の本質」であると理解して、いつだって冷静さを欠かないようにしなければなりません。

 

 

 

そして同時に、相場は「心理戦」です。

 

「心理負け」しないように、資金管理でも十分な余裕を持って対応していきましょう。