「歴史は繰り返す」は本当か?
いつの時代も人間の本質には変わりがないため、過去にあったことは、後の時代にも繰り返して起きるということですが、個人的には「半分正解で、半分不正解ではないか?」と思っています。
例えば第三次世界大戦が起こる、第二のリーマン・ショックが起こる、ということになれば「歴史は繰り返す」は正解になります。
しかし、現時点では起こっていません。
もちろん、このようなことは起こらないに越したことはありません。
そのような中、相場の世界においては、近年は「過去とは違う」ことが頻繁に起こっています。
・「株高・円安」「株安・円高」がセオリーだったのが、近年は「株高・円高」「株安・円安」など、従来のセオリーが頻繁に崩れている。
・「ドル高・金安」「ドル安・金高」がセオリーだったのが、近年は「ドル高・金高」「ドル安・金安」など、従来のセオリーが頻繁に崩れている。
・「株高・債券安」「株安・債券高」がセオリーだったのが、近年は「株高・債券高」「株安・債券安」など、従来のセオリーが頻繁に崩れている。
・「原油高・円安」「原油安・円高」がセオリーだったのが、近年は「原油高・円高」「原油安・円安」など、従来のセオリーが頻繁に崩れている。
・日米金利差が拡大すると円安になりやすく、金利差が縮小すると円高になりやすいが、頻繁に「逆相関」の動きが起こっている。
上記は、あくまで「一例」であり、他にも「過去とは違う」パターンが多々あります。
そもそも、日本円の総合的な実力を示す「実質実効為替レート」は50年ぶりの円安水準ですし、最近下落してきているものの、株価は未だ「歴史的高値圏」にあります。
そして、世界三大投資家の1人であるウォーレン・バフェット氏が用いている、株の割高、割安を判断する「バフェット指数」は「100」を超えると警戒水準とされ、リーマン・ショック時でさえ「116」であったのにもかかわらず、現在は「150」を付けています。(昨年は「200」を超えていた)
このように、近年の相場の世界では、実に多くの「過去とは違う」展開があります。
その原因は色々と考えられますが、個人投資家の激増、AI(人工知能)の台頭、HFT(超高速取引)の台頭などは、間違いなく大きな影響を及ぼしていると考えられます。
それでも、投資家達は相場の未来を知るために、様々な「ファンダメンタルズ分析」や「テクニカル分析」などを用いて相場に臨んでいます。
しかし「ファンダメンタルズ分析」は、前述のように、近年の相場は「過去とは違う」パターンが頻繁に起こっています。
そのような中、ある意味「歴史は繰り返す」を教訓として、「現在のチャート」と「非常に形状の似通った過去のチャート」を見つけ出し、未来の値動きを予想するという「テクニカル分析」もあるのですが、これについても、やはり「過去とは違う」展開になる方が圧倒的に多くなっています。
つまり、今後の相場における結論としては、「過去とは違うことが起こる」と想定すべきだと言えそうです。
メディアは相場の値動きを「後講釈」で、常にもっともらしい説明をしていますが、例えば、ある時は「Aだから上がった」と言い、別の時は「Aだから下がった」と言うなど、多くの「矛盾」がみられます。
結果的には「買うから上がる、上がるから買う」「売るから下がる、下がるから売る」で、しつこく「トレンド」が継続するのが近年の相場の「実態」と言えます。
したがって、この傾向が変わらない限り、トレンド重視の戦略で臨むべきだと思われます。
ただし、「歴史は繰り返す」を無視していいかと言うと、それは違うでしょう。
なぜなら、バブル崩壊を思い返してみても分かるように、上がれば上がるほど「値下がりリスク」が高まるものだからです。(その逆も然り)
やはり、絶対的に意識すべきなのは「リスク管理」です。
「損益」=「ポジション量」×「値幅」
上記のように、「ポジション量」と「値幅」こそ、常に意識を集中させるべきでしょう。
その上での「トレンド重視」ということになります。
【世界で最も裕福な人々が 2022年に1.4兆ドル(約190兆円)を失った】
上記は、先週(6月14日)のブルームバーグ(英語版)のニュースです。
超富裕層が、これだけ大きな損失を被ること自体、現在が「異常事態」なのかもしれません。
【ブリッジウォーター、欧州株の空売りポジションが57億ドル規模に拡大】
上記も、先週(6月17日)のブルームバーグ(日本語版)のニュースです。
「ヘッジファンドの帝王」と呼ばれるレイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーターが、欧州株の下落に賭け、そのポジションの規模が57億ドル(約7700億円)に膨らんでいるとのことです。
これらのニュースから言えることは、「いつ何が起こってもおかしくない」ということです。
したがって、話を総括しますと、「未来は過去とは違うことが起こる」と想定しつつも「慎重に取り組むべきだ」ということになります。
引き続き頑張りましょう。