住宅バブル

 

 

 

ノーベル経済学賞受賞者で、米イェール大学教授のロバート・シラー氏という方がいます。

 

 

 

同氏は、「S&Pケース・シラー住宅価格指数」の生みの親で、同指数は相場の世界においても重視されている指数になります。

 

 

 

ところで、S&Pケース・シラー住宅価格指数は20001月を100」として指数を算出しており、この指数が米国の景気指標の一つとして注目されています。

 

 

 

実はこの指数が、現在は「300」となっています。

つまり「20001月」の「3倍」ということです。

 

 

 

そして、これはどういうことなのかというと、現在の米国が「住宅バブル」になっているということなのです。

 

 

 

また住宅バブルといえば、「バブル研究」に関しては「第一人者」として知られ、米資産運用会社GMOの共同創業者であるジェレミー・グランサム氏も以下のような警鐘を鳴らしています。

 

 

 

 

 

【日本のバブル崩壊やリーマン・ショックが示すように、住宅バブルは乗り切れない】

 

 

 

 

 

さらに、同氏は以前から、現状の株式相場をスーパー・バブルと指摘し、米国株はピークから50%下落すると予想しています。

 

 

 

そしてFRB(米連邦準備理事会)も、先日公表した半期金融安定報告書で、インフレやウクライナ戦争によって、米金融システムが「突然の」混乱に直面する恐れがあると警鐘を鳴らしています。

 

 

 

このように、現状の相場は「かなり危うい状態にある」と認識しておく必要があると思います。

 

 

 

ところで、「報道の自由度ランキング」というものがあります。

メディアの独立性、多様性、透明性などを図る国別ランキングです。

 

 

 

最近、2022年度の「報道の自由度ランキング」が発表されましたが、世界180の国や地域のうち「日本は71位」と、昨年から順位を4つ下げる結果となりました。

 

 

 

しかし日本は先進国のはずですが、「報道の自由度ランキング」の順位が低いのはなぜなのでしょうか?

 

 

 

順位を発表している「国境なき記者団」によると、以下のような説明がなされていました。

 

 

 

 

 

【日本政府と企業は、大手メディアに対して日常的に圧力をかけている】

 

 

 

 

 

先週のコラムでも述べましたが、新型コロナウイルスも「ワクチン利権」なのか、イベルメクチン(ノーベル医学・生理学賞を受賞した、大村智博士が開発した感染症の治療薬)について触れられることはほとんどありませんし、同様にロシアのウクライナ侵攻についても、「軍事利権」なのか、ひたすら「ロシア=悪」の報道が続いていますから、やはり上記の説明が「正しい」ということになるでしょう。

 

 

 

すると、日本の大手メディアの報道をそのまま信じるとどうなるかというと、「物事の判断を誤る」ということになると思います。

 

 

 

そして、このような観点で考えますと、例えば相場関連のニュースについても、それら解説や見通しに対して「鵜呑み」にする前に、「本当にそうなのだろうか?」と立ち止まって考える習慣を持つことが大事だと思います。

 

 

 

ある意味、「心」で向き合ってみることが大事だと思います。

 

 

 

さて、世界の中央銀行や政府等の金融当局は、外貨準備といって、いざという時のための「外貨」を保有しています。

 

 

 

10年前までは、世界の国々が持っている外貨準備の8割がドルでした。

ところが、現在は6割を割り込むまで比率を落としています。

 

 

 

IMF(国際通貨基金)も指摘していますが、この背景には、ロシアや中国が着々と「脱ドル化」を進めていることが要因として挙げられます。

 

 

 

「鶏が先か、卵が先か」ということはありますが、ドルの基軸通貨体制を脅かしているということで、米国はロシアや中国を目の敵にしていると考えられます。

 

 

 

「では、今後どうなるのか?」と考えた時に、かつてニューヨーク連邦銀行と米財務省に勤務し、今は世界有数の金融機関クレディ・スイスのストラテジスト(投資戦略を考える専門家)を務めるゾルタン・ポズサー氏は、「今後のシナリオとして、西側諸国(12億人)が困窮し、それ以外の国々(667500万人)が強くなる」と述べており、これが現実となる可能性はあるでしょう。

 

 

 

一方で、西側諸国(12億人)とそれ以外の国々(667500万人)の力が、まだしばらくは拮抗する可能性もあると思います。

 

 

 

ただし冒頭で述べたように、米国が「住宅バブル」になっていることや、FRB(米連邦準備理事会)が、米金融システムが「突然の」混乱に直面する恐れがあると警鐘を鳴らしているのは「現実」のことです。

 

 

 

そのような中、先週のドル円は、高値「1ドル=131.35円」から安値「1ドル=127.51円」へと、年初来最大の下落もみられました。

 

 

 

その後、ドル円は持ち直していますが、このような全体像を踏まえますと、いつ次の「リーマン・ショック」のような事態が到来してもおかしくないでしょう。

 

 

 

特に最新のニュースでは【米消費者マインド、2011年以来の低水準-インフレ懸念が重し】と報じられており、文字通り、米国の消費者マインドが低下しているようです。

 

 

 

それにもかかわらず、現状は株高であり、住宅バブルであるわけです。

一言で言うと、「不正」と書いての「歪(いびつ)」であり、かなり歪んでいます。

 

 

 

さらにウクライナ戦争については、その背後に「軍事利権」があり、長期化が必至とみられていますから、リスクは高まる一方です。

 

 

 

 

引き続き、慎重さを維持しながら取り組んでいきましょう。