世界は激変中

 

 

 

ロシア軍がウクライナでの戦闘を続け、米国を中心とした西側諸国が世界各国に対ロシア制裁への支持を求めています。

 

 

 

しかし対ロシア制裁は、どうも「破綻」しているように思われます。

 

 

 

日本を含め、西側メディアは【米国がロシア産原油の輸入禁止を発表】と盛んに報じていましたが、アラブ系メディアが、それとは逆に【米国のロシア産原油の輸入が43%増加している】ということで、最近米国の実態を報じていました。

110万バレル」(約1590万リットル)も輸入しているとのことでした。

 

 

 

一方で、米国は欧州に対しても「ロシア産原油・天然ガス・石炭の輸入禁止」を要請していました。

「経済制裁だから」という理由です。

 

 

 

ところが、そもそもエネルギー(原油・天然ガス・石炭)は必需品です。

輸入禁止を要請するのであれば、その「代替」を供給するのが「筋」であるはずです。

 

 

 

しかし、米国自らが(ロシアから)買っていたというわけです。

 

 

 

そのような中で、欧州も「一枚岩」ではないようです。

 

 

 

EU(欧州連合)としては対ロシア制裁を支持していますが、その実態はどうなのかということで国別に見ると、ドイツ、イタリア、オランダ、オーストリア、ハンガリーは「反対」しているのが実態です。

さらに、潜在的にはもっとたくさんの国が反対していると思われます。

 

 

 

なぜなら、ロシアからのエネルギー(原油・天然ガス・石炭)の供給が止まると「困る」からです。

国によっては50%を超えていますが、天然ガス供給の半分近くをロシアに頼っているのが欧州の実情だからです。

 

 

 

したがって、このような現実にもかかわらず、「対ロシア制裁だ!」と言ったところで、ほとんど効果はないのではないでしょうか。

 

 

 

そして、ロシアといえば、今後の輸出産品はロシアの通貨「ルーブル」でしか売らないという方針です。

 

 

 

エネルギー(原油・天然ガス・石炭)を含め、ロシアから何かしらを輸入したければ、他の国々は「ルーブル」を入手しなければならないというわけです。

 

 

 

したがって、このような構図を考えれば、ルーブルが弱くなる道理はありませんし、逆に「強く」なるのではないでしょうか。

 

 

 

事実、いったんは暴落したルーブルですが、逆に今は「制裁前」よりも「高く」なっています。

 

 

 

ところで、「世界人口白書2021」によると、世界の総人口は787500万人です。

 

 

 

その中で、日本や米国、欧州を含め、「対ロシア制裁だ!」と言っている西側諸国は約12億人です。

逆に残りの約667500万人は、そうではないわけです。

 

 

 

そのような中、前述のように、ロシアは今後の輸出産品はロシアの通貨「ルーブル」でしか売らないという方針で、ルーブルの価値の裏付けとしては、金(Gold)・天然ガス本位制の通貨にするとのことです。

 

 

 

米政府財務次官補を務めた後、ウォール・ストリート・ジャーナルの副編集長を務めた経験を持つ、ポール・クレイグ・ロバーツ氏も「ルーブルの金(Gold)・天然ガス本位制は実現しそうだ」と述べています。

 

 

 

すると、これまで量的緩和(マネーのジャブジャブ、マネーのバラまき)で、ひたすら供給を増やしてきたドルやユーロや円などよりも、「金(Gold)・天然ガスと交換できるからこそ価値がある」とするルーブルの方が、長期的には強い通貨になるかもしれません。

 

 

 

前述のように、「12億人」と「667500万人」という人口比で考えても、その可能性は十分あるでしょう。

 

 

 

このような構図を踏まえ、かつてニューヨーク連邦銀行と米財務省に勤務し、今は世界有数の金融機関クレディ・スイスのストラテジスト(投資戦略を考える専門家)を務めるゾルタン・ポズサー氏は、以下のように述べています。

 

 

 

 

 

【今後のシナリオとして、西側諸国(12億人)が困窮し、それ以外の国々(667500万人)が強くなる】

 

 

 

 

 

もしも上記のシナリオが現実になるのであれば、ルーブルだけでなく、長期的には西側諸国以外の国々(667500万人)の通貨価値が高まってくるでしょう。

 

 

 

このように、今、「世界は激変中」の可能性があります。

 

 

 

そのような中、為替は円安が止まらない状態が続いています。

 

 

 

ずいぶんと長い間、メディアは「円高は輸出企業がダメージを受けて、経済成長がマイナスになる」といった調子で「悪い円高」と言わんばかりの報道を続けてきましたが、今は一転して「悪い円安」報道のオンパレードです。

 

 

 

そもそも、通貨(の価値)が高いということはその国の信用力が高く、実力が評価されているからであって、通貨(の価値)が安いというのはその逆ですから、これまでの「悪い円高」報道の方が異常だったと言えるでしょう。

 

 

 

ブルームバーグは【来週(今週)のドル・円は上昇か、早ければ130円トライの可能性も】と報じていますが、その可能性もあるかもしれません。

 

 

 

ただし、相場というのは「上がり過ぎたものは下がり、下がり過ぎたものは上がる」ものです。

したがって今後、世界の株式市場が暴落する可能性や、円安の大幅修正(=円の急騰)が起こる可能性も十分あり得ます。

 

 

 

そして、もしもそうなれば、バイデン米大統領や西側諸国の指導者達は、「ロシアのせいだ!」とするのではないでしょうか。

 

 

 

 

最近は「第三次世界大戦」に言及する報道が急激に増えてきていますし、前述のように、世界は激変中の可能性がありますので、今後も十分に注意して取り組みましょう。