タートルズ

 

 

 

あけましておめでとうございます。

昨年中は色々とお世話になり心よりお礼申し上げます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

 

 

1980年代の話になりますが、世界中の投資家達の間で少なからず知られているのが「タートルズ」の物語です。

 

 

 

当時、伝説のトレーダーと呼ばれたリチャード・デニス氏が、公募で集めた「トレードの素人達」に自らのノウハウを教え、運用をさせるという「実験」を行いました。

 

 

 

その、トレードの素人集団のニックネームが「タートルズ」なのです。

 

 

 

そんな「タートルズ」について、その「成功」と「失敗」、そして「光」と「闇」に至るまで詳細を記した本が、『伝説のトレーダー集団 タートルズの全貌』(株式会社FPO)です。

 

 

 

さて本来、相場というのは、政治、経済、ニュース等、あらゆることから影響を受けます。

つまり、ファンダメンタルズの影響を受けるわけです。

 

 

 

さらに過去の値動き、チャートがあり、そこからトレンドやパターンが意識され、相場はファンダメンタルズと同じように影響を受けます。

つまり、テクニカルの影響も受けるわけです。

 

 

 

したがって、ファンダメンタルズ分析もテクニカル分析も、その両方が大事であるという考え方が、プロの投資家達の間でも「王道」となっています。

 

 

 

しかしコロナ禍でも、過去最高値の更新が止まらない米国株や、実質的に(実質実効為替レートが)50年ぶりに安くなっている「円」について考えてみただけでも、近年の相場はファンダメンタルズを無視していることが分かります。

 

 

 

メディアは相場を「後講釈」で正当化していますが、後講釈であれば何とでも言えるので、やはり「おかしいものは、おかしい」と考えておくべきでしょう。

 

 

 

そのような中、結果的に、テクニカル分析の中でも、ひたすら「トレンド」重視の「タートルズ」の運用手法が、近年の相場には一番「マッチ」していたように思われます。

 

 

 

したがって今回は、前述の『伝説のトレーダー集団 タートルズの全貌』について、個人的に参考になったポイントを以下に整理してみたいと思います。

 

 

 

 

 

・リチャード・デニス(伝説のトレーダー)の戦略は、強気相場で買って弱気相場で売るという取引を貫くことだった。

 

 

 

・「とにかく、上昇したら買い、下落したら売るんだ。そうすればトレンドに乗れ、利益が転がり込む。間違っていたら・・・・・素直に軌道修正するだけさ!」

 

 

 

・上がっているものを買って、下がっているものをショートする(売のポジションを持つ)ことができる投資家はそうそういない。安く買って高く売りたいという人間の直感に反するからだ。

 

 

 

タートルズ(トレードの素人集団)が学んだのは、一流大学の経済学部で教えられてきた金融理論とは正反対の取引方法だった。

 

 

 

・リチャード・デニスは、これまでの経験から、トレードに最も役立つのは「ルール」だと確信するようになっていった。

 

 

 

・どの市場が毎日どの程度の値動きを記録したのかを知っておくべきだ。

 

 

 

・たとえ失敗しても次の取引ができるような体制を保ちながら、いずれ大きなトレンドがやってくるのを待つのである。

 

 

 

・よい出来事が起きるまでに長い時間待たねばならないこともある。たいていのトレーダーは、こうした持久戦に耐えられないのだ。

 

 

 

・タートルズの「実験」の重点は、規律に置かれていた。個々の取引が成功しようが失敗しようが関係ない。ただ粛々と取引をこなすということだ。勝ったポジションで稼いだ利益から、負けたポジションの損失を差し引くという、ごく単純なトレンドフォロー型の売買手法だ。

 

 

 

・流動性が高く、公正な取引が行われていて、ある程度の活発な値動きがあれば、どんな市場でもタートルズ流トレーディングは通用する。

 

 

 

・タートルズは「学び」を忠実に実践していたが、後にリチャード・デニスの「教え」通りに実践すると、過剰なリスクがあることが判明した。そこでタートルズ全員に命じられたのが「ポジション量を50%減らせ」というものだった。

 

 

 

・平均回帰(市場価格は長い目で見れば「平均に回帰する」傾向があるという考え)を、人は本能的に信じようとする。しかし、平均回帰を信奉するトレーダーに安らぎを与える「100年に一度の洪水」は、実際には2年か3年ごとに発生して彼らの財産を奪っていくのである。

 

 

 

 

 

さて、上記のようなことが個人的には参考になりました。

 

 

 

前述のように、コロナ禍でも、過去最高値の更新が止まらない米国株や、実質的に50年ぶりに安くなっている「円」について考えてみただけでも、近年の相場は何かと「極端」になっていることが分かりますが、今後仮に「1ドル=200円」や「1ドル=30円」になろうとも、タートルズの運用手法であれば、大きなトレンドに乗ることで利益を稼ぐことができるでしょう。

 

 

 

ただし、上記には「公正な取引が行われていて」とありますが、現実問題として相場の「不正操作」は頻繁にありますし、過剰なリスクが「マズイ」ことは、上記からも、常識的にも明らかです。

 

 

 

また「大きなトレンドに乗る」ことがタートルズの「戦略」である以上、大きなトレンドが発生するまでは「忍耐」が必要であることも分かります。

 

 

 

したがって、総合的に考えますと、以下のようなスタンスが、今後のトレードにおいて「正解」となるのではないでしょうか。

 

 

 

1、トレンド重視

2、ポジション量は慎重に

3、忍耐強く

 

 

 

 

今年も引き続き、頑張って取り組んでいきましょう。