寅千里を走る

 

 

 

2021年も残すところあとわずかとなりました。

相場においては、今週以降は海外勢がクリスマス休暇に入り、市場参加者が減るとみられています。

 

 

 

さて、来年はどんな年になるのでしょうか。

 

 

 

ちなみに来年は「寅(とら)年」です。

相場格言としては「寅千里を走る」というものがありますが、寅年は何かと「極端にブレる」一年となる傾向があります。

ここで、過去の「寅年」を簡単に振り返ってみます。

 

 

 

 

 

2010年】

リーマン・ショック(2008年)からの回復がみられたが、ジョブレス・リカバリー(雇用なき景気回復)と言われる一年だった

 

 

 

1998年】

日本長期信用銀行、日本債券信用銀行が経営破綻した

 

 

 

1986年】

バブル景気の「出発点」となった

 

 

 

1974年】

異常な物価高騰があり、狂乱物価(名付け親は政治家の福田赳夫)と言われる一年だった

 

 

 

1962年】

東京の人口が1000万人を突破し、世界初の1000万都市となった

 

 

 

1950年】

朝鮮戦争(北緯38度線全域で北朝鮮軍と韓国軍による戦闘)が勃発した

 

 

 

 

 

さて、上記のようなことがあったのですが、個人的には、2022年は新型コロナウイルスが収束し、経済活動正常化の出発点となるような一年になってほしいと願っています。

 

 

 

ところで、相場格言としては「寅千里を走る」とあるのですが、株式市場においては「下落」となる傾向があるようです。

 

 

 

上記においても、1950年、1962年、1974年、1998年、2010年は「下落」で終わり、1986年だけが唯一「上昇」で終わりました。

はたして、2022年はどうなるのでしょうか?

 

 

 

そのような中、知る人ぞ知る「予言」が、イギリスの経済誌『エコノミスト』の「表紙」にあります。

毎年年末になると、来たる年の世界情勢について記した「世界はこうなる」シリーズが約30年間続いており、世界中からも注目を集めています。

 

 

 

そんな『エコノミスト』の「表紙」のイラストには、数々の深い意味が散りばめられているとされ、これまでも数々の予言を的中させてきたと評価されています。

過去には「旧ソ連」の崩壊も予言していたそうです。

 

 

 

ちなみに、2022年の『エコノミスト』の表紙には、以下のようなイラストが描かれています。

 

 

 

 

 

・米国のバイデン大統領と中国の習近平国家主席

・バラバラになった「日の丸」と思われる「赤と白」

・顕微鏡と注射器とウイルス

・風力発電

・半導体

・スペースシャトル

・相場と思われる「チャート」

・仮想通貨(ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン、エイダコイン)のロゴ

 

 

 

 

 

これらのイラストからは、様々な解釈ができると思いますが、これらが注目を集めるという観点で考えますと、相場のヒントにもなり得るかなと思います。

また「寅千里を走る」という相場格言を含め、何かと「極端にブレる」一年となる傾向があることを考えますと、相場においては「極端な上昇」や「極端な下落」を意識しておいた方がいいでしょう。

 

 

 

実際に、世界最大の資産運用会社である「ブラックロック」も、来年の株式相場はボラティリティー(値動きの幅)が高くなると予想しています。

 

 

 

そして、米金融大手のバンク・オブ・アメリカによると、現在の株式市場と1990年代前期から2000年代初期のドットコムバブル(インターネット関連企業が実態を伴わない異常な高値になった、ナスダック総合指数は100050001000)の間には「無視し難いほどの類似点がある」とのことです。

 

 

 

さらにバンク・オブ・アメリカは、現在の市場の兆候のいくつかが、ドットコムバブル崩壊前の当時よりも間違いなく悪いと指摘し、そのために来年の市場はネガティブな方向に向かうとの見解を述べています。

 

 

 

ちなみに、為替相場においては、1986年に「1ドル=200円」から「1ドル=158円」へ、1998年に「1ドル=130円」から「1ドル=113円」へ、2010年に「1ドル=93円」から「1ドル=81円」へと動いており、円高基調になるのが寅年の特徴でもあります。

 

 

 

したがって、このようなことを踏まえますと、来年は「株安」「円高」になりそうな気がしますが、近年の相場はほとんど「ファンダメンタルズ」を無視して、ここまできています。

 

 

 

そのため、極端な株高・株安になろうとも、極端な円高・円安になろうとも、利益を狙えるような戦略で取り組むべきだと思います。

 

 

 

それは、すなわち「トレンド重視」の戦略です。

ただし、相場は常に「上がったり」「下がったり」するものですし、トレンドも「転換」することがあります。

 

 

 

そういう意味では、常に「慎重さ」を欠くことなく、その上でトレンドに追随するスタンスで取り組むことが重要です。

 

来年も引き続き頑張っていきましょう。

 

 

 

以上が今週のコラムとなります。

 

 

 

今年も一年間ありがとうございました。

次回のコラムは16日(木)とさせていただきます。

 

 

 

 

それでは皆さん、どうぞ良いお年をお迎えください。