世界の現状は「カオス」

 

 

 

自民党新総裁に岸田文雄氏が選出されました。

日経新聞は、以下のような記事を出していました。

 

 

 

【勝負決した2日前の会談 岸田新総裁選出の舞台裏】

 

 

 

 

 

上記の記事の中で、以下のようなことが書かれていました。

 

 

 

 

 

・世論調査でも支持を集めていた河野太郎氏はなぜ敗れたのか。

 

 

 

・無難で敵が少ない岸田氏を勝ち馬とみた各派閥が最終盤で相乗りしてきた。

 

 

 

3Aと呼ばれる安倍、麻生、甘利の3氏の意思はそろった。結果は23位どころか「13位連合」となる勝利だった。

 

 

 

・岸田氏なら安倍、麻生、甘利3氏の3Aが主導権を握る従来の党内秩序が維持される安心感もある。

 

 

 

・世界は新型コロナウイルスで大きく姿を変えた。経済も外交も安全保障も変化のまっただ中にある。現状維持だけでは乗り切れそうにない。

 

 

 

 

 

さて相場の世界では、自民党新総裁が「決まる前」から日経平均株価が大幅上昇し、その上昇理由をメディアは「新政権に期待感」と報じていましたが、今回の総裁選の結果を受け、引き続き「新政権に期待感」を持っている人達がどれくらいいるのでしょうか?

 

 

 

ちなみに、海外投資家達の反応は賛否両論様々でした。

そして、海外メディアの反応も賛否両論様々でした。

 

 

 

そのような中、日経新聞は海外の市場関係者の意見(投資調査会社BCAリサーチ)を以下のように紹介していました。

 

 

 

 

 

・日本のトップは頻繁に交代するが政策は大きく変わらず、今回も党内で新世代の河野氏よりも岸田氏が選ばれたのは安倍路線を踏襲する動きが政治の刷新より優先されたからだろう。世界の金融市場が期待する変化は起きなかった。

 

 

 

・日本株は自国の政治よりも、米国株や中国政治の動向に左右される。岸田氏が目指す大型の財政出動は日本株にすでに織り込まれている。新型コロナワクチンの普及もあって短期的に日本株は上昇するだろうが、勢いは強まらないとみる。

 

 

 

 

 

私は、上記の意見(投資調査会社BCAリサーチ)が最も「的確」であるように感じます。

 

 

 

一方で、最近は「米財政」を懸念する声が高まっています。

 

 

 

これも日経新聞ですが、以下のようなニュースを報じていました。

 

 

 

【米財政に二重リスク 政府閉鎖と債務不履行】

 

 

 

 

 

イエレン米財務長官は、米国が1018日以降に資金繰りが行き詰まり、米国債の利払いや償還が滞るデフォルト(債務不履行)に陥る可能性があると警告しました。

「米国が史上初のデフォルトに陥る恐れがある」と警告したのです。

 

 

 

また記事では、以下のようなことも書かれていました。

 

 

 

 

 

・その激震は想像を超える。

 

 

 

・国境を越えた貿易も立ちゆかなくなる。

 

 

 

・イエレン氏は「基軸通貨としてのドルの地位を損なう」と危ぶむ。

 

 

 

 

 

かなり事態は深刻なように思われますが、ロイター通信も【JPモルガン、米債務不履行への対応を準備=ダイモンCEO】と報じていました。

 

 

 

ところが為替市場では、そんな「ドル」が、不思議なことに、直近の1か月で「最も強い通貨」だったのです。

いったい、どういうことなのでしょうか?

 

 

 

BRICs(ブリックス)とは、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を合わせた造語ですが、その名付け親であるジム・オニール氏は「ドルの他に基軸通貨となるものがない」と語っていました。

 

 

 

前述のように、事態がかなり深刻でも「ドル」が買われる理由は、ジム・オニール氏の言う通りなのだろうと私も思います。

 

 

 

また、米国は過去にも同様の問題を何度も繰り返しており、その度に最終的には「切り抜けてきた」ことから、市場は「楽観視」しているのかもしれません。

 

 

 

しかし、油断は禁物です。

 

 

 

現在注目を集める中国恒大集団(不動産開発会社)は、格付け大手フィッチ・レーティングスによって、その格付けを「C(デフォルトが近い)」に引き下げられています。

 

 

 

つまり、米中両国ともに楽観できるような状況にはないわけで、そういう意味でも、世界の現状は「安定」よりも「カオス(混沌とした秩序のない環境で予測が不可能である)」と捉える必要があるでしょう。

 

 

 

すると、相場も「カオス(混沌とした秩序のない環境で予測が不可能である)」を前提に考える必要があります。

 

 

 

もちろん予測も大事ですが、基本的には【安くなったら「買う」、高くなったら「売る」、万が一を想定しポジション量に留意する】といったスタンスで臨むことが、最も「堅実」であると思います。

 

 

 

 

引き続き、慎重に取り組んでいきましょう。