近年の為替相場は、しばしば「虫眼鏡相場」と言われています。
それくらい小さな値動きが続いているということですが、先週は、とりわけ動きませんでした。
特に8月に入り、海外勢がサマーバケーション中となっており、今は市場参加者の少ない相場となっています。
したがって相場については、再び動き出すまで待つしかありません。
さて今回は、【相場を「心」で判断する】というテーマで考えてみたいと思います。
【ドル高を見込む理由はない】 ・・・・・ ゴールドマン・サックス
【ドルは中期的に底堅い】 ・・・・・ JPモルガン・チェース
上記はいずれも最近のコメントですが、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースといった大手金融機関でも、それぞれ発言が異なっています。
また日頃から、いわゆる専門家達の間でも「相場予測」は異なります。
そして「相場予測」に限らず、世の中の「あらゆること」についても、専門家達によって「見解」が異なるものです。
したがって、私達は世の中の「あらゆること」について様々な意見を聞きつつも、最終的には「心」で判断するスタンスでいることが大事ではないでしょうか。
【プロも予測不能?翻弄される日本経済】
上記も最近のニュースになりますが、経済動向を読む「プロ」達が、このところ翻弄(ほんろう)され続けている、といった内容です。
その理由は、やはり「コロナ」です。
コロナ禍が、「長引くばかりか、どこまで広がるのか全く読めない」ということのようです。
さらに「デルタ株をはじめ、変異株の感染拡大でこの先の感染状況はさらに見通せなくなった」ということのようです。
このように、コロナ禍は、ずいぶんと長引いています。
「ワクチンを接種しろ」 ⇒ 「コロナは収束に向かう」 ⇒ 「経済も生活も正常に戻る」
上記のような話を前提に社会は動いてきたはずですが、今や【お盆でも、先祖を親族で厳かに迎えることも送ることも出来ない異常な社会情勢】等と言われる始末です。
【ワクチンを打った人が感染し、重症化している】といった報道も相次いでいますし、話の前提が崩壊しつつあるように思います。
そのような中、先日報じられたのが以下のニュースでした。
【モデルナとビオンテックが大幅続落、2日間で時価総額計6.6兆円失う】
新型コロナウイルスのワクチンメーカー大手、米モデルナと独ビオンテックの株価が大暴落したのです。
前述のように、ワクチンを打っても、経済も生活も正常に戻っていかないわけですから、これらのワクチンメーカーの株価が大暴落するのも当然の結果だと言えそうです。
さらに「医療崩壊」を伝える報道も相次いでおり、状況は深刻だと思われます。
そのような中、これらのワクチンメーカー大手の株価は、8月9日に【上場来最高値】を記録していました。
もはや「不合理」というより「ばかげた」水準であると、専門家達等によって指摘されていたところ、今回のワクチンメーカー大手株価の大暴落に至ったわけです。
ここで、私達投資家も考える必要があると思います。
それは、今の株価をはじめ、相場全般についてです。
・もはや「不合理」というより「ばかげた」水準と思わないか?
・仮に「大暴落」したとして、「おかしい」と思うか? 「当然」と思うか?
上記のようなことを「自問自答」することが【相場を「心」で判断する】ということです。
現状の相場展開については、それを批判する専門家達もいれば、正当化する専門家達もいます。
しかし今後、相場が仮に「大暴落」したとして、その際に「当然」と思うのであれば、現状の相場展開を正当化する専門家達がどれだけいようとも、意見を「鵜呑みにすべきではない」と私は思います。
むしろ、相場を「心」で判断しますと、今の相場は「おかしいこと、この上ない」と個人的には思います。
そのような中、世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏は、最近以下のような発言をしました。
【どこの市場も天井破りの上昇で、こんなことはかつてなかった。世界中の中央銀行が貨幣を増発している。今のバブル相場は、今後数か月のうちに終わると確信している】
私はジム・ロジャーズ氏の意見が正しいと思います。
すなわち、今後数か月のうちに株価は暴落し、そのタイミングで為替は「円高」「ドル高」へと戻っていくという相場観です。
いずれにせよ、最終的には「心」で判断するスタンスでいることが大事だと強く思います。
引き続き、慎重に頑張っていきましょう。