株価大幅下落

 

 

 

先週は株安、ドル高・円高の展開となりました。

株価と為替に限って言えば、久しぶりに「まともな」値動きだったと思います。

 

 

 

そもそも一部の専門家達は、金融専門用語を多用して「もっともらしい」説明をしながらも、一般の人達が理解できないような形で、近年の相場展開を「正当化」してきました。

 

 

 

しかし、一般の人達の「コロナ禍なのに、株高はおかしくないか?」という感性の方が、どう考えても「まとも」だと思います。

 

 

 

そのような中、611日に内閣府と財務省が発表したのが以下のニュースです。

 

 

 

 

                                                                                                                      

【大企業景況感、2期連続のマイナス 46月】

 

 

 

 

 

一言で言うと、大企業は現状を「不景気」と捉えており、しかも「2期連続のマイナス」ですから、少なくとも直近の半年は「不景気」と捉えているわけです。

 

 

 

そして611日の、このニュースが反映されるような形で、先週ようやく株安、ドル高・円高の展開となりました。

 

 

 

ちなみに先週末は、NYダウが533ドル安と大幅下落、欧州株も総じて大幅下落で、英株も大幅下落となりました。

 

 

 

この「きっかけ」は、米セントルイス地区連銀のブラード総裁の発言でした。

 

 

 

ブラード総裁は、インフレ予想が、米金融当局が目標としている「2%」を上回っていることを踏まえ、来年に利上げを開始するのが適切ではないだろうかと述べました。

 

 

 

要するに、コロナ禍における量的緩和(マネーのジャブジャブ、マネーのバラまき)によって、物価が予想外に上昇してしまったということで、それを抑える必要があるということなのです。

 

 

 

しかし、順序としては「利上げ」の前に「テーパリング」があります。

「テーパリング」とは簡単に言いますと、量的緩和(マネーのジャブジャブ、マネーのバラまき)の度合いを徐々に減らしていくことです。

 

 

 

したがって、金融市場では「テーパリングの時期がいつなのか?」が今後の焦点になってきます。

 

 

 

英銀行大手のバークレイズは「テーパリングの発表は9月に行われ、11月に開始される」と予想していますが、このような流れを踏まえて、先週末は株が大幅下落となったわけです。

 

 

 

ちなみに、世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏は、以前から「次の危機は史上最悪の危機になる。おそらく、株価は値下がりすることになる。50%60%70%、いやそれ以上だろう」と警鐘を鳴らしています。

 

 

 

問題は、今回の株の大幅下落が、ジム・ロジャーズ氏の警鐘のような「大暴落」へと至るかどうかです。

 

 

 

そこで現在のコロナ禍を直視し、コロナ禍における世界経済を直視しますと、それこそ「大暴落」へと至っても何ら不思議ではありませんし、実際に、今週も先週の流れを引き継いで、さらなる「株価下落」となる可能性も高いと思います。

 

 

 

しかし、「大暴落」へと至るかというと、近年の「毎度のパターン」のように、「大暴落」には至らずに、どこかで反発してくる可能性が高いと思います。

 

 

 

そのような中、先週末は日銀の黒田総裁の定例記者会見がありました。

そこで黒田総裁は、以下のような発言をしました。

 

 

 

 

 

・企業の資金繰り改善も感染症でストレスがかかる状況が継続

 

 

 

・当面の経済活動水準、感染拡大前に比べて低めに推移している

 

 

 

・新型コロナウイルスの帰趨(きすう)や内外経済への影響は、不確実性が大きい

 

 

 

・感染症の影響収束まで金融仲介機能が円滑に発揮されるか注意

 

 

 

・企業の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく

 

 

 

・必要があれば躊躇なく追加緩和措置を講じる

 

 

 

 

 

これらの発言からも分かりますが、やはり近年の「毎度のパターン」のように、「大暴落」には至らずに、その前に日銀が株を買い支えてくると予想できます。

 

 

 

したがって、今後は以下のような「戦略」が有効だと思います。

 

 

 

 

 

・常にポジション量に留意する

 

 

 

・株も為替も「下がったら買い、上がったら売る」を徹底する

 

 

 

 

 

さて先週の流れを踏まえますと、ボラティリティ(値動きの幅)は、直近のこれまでよりも大きくなることが期待できます。

 

 

 

そういう意味ではチャンスですが、常にポジション量に留意しながら、「上がったり下がったり」を意識しておくことが大事でしょう。

 

 

 

一方でここにきて、以前のコラムで説明した、イールドカーブ(2年、10年など期間の異なる複数の国債における金利の変化をグラフにしたもののこと)にも注目が集まっています。

 

 

 

仮に「2年(貸す)」金利と「10年(貸す)」金利の差が「ゼロ」だったら「おかしい」わけですが、最近またこのような傾向が見えてきました。

 

 

 

このような金利の「異常」は、金融危機の「前兆」だとも言われていますので注意が必要です。

 

 

 

したがって、相場には今後も十分注意しながら取り組むべきだと思います。

 

引き続き頑張りましょう。