フラッシュ・クラッシュ

 

 

 

「当面は現状レベルでの方向感のないもみ合い相場が続いてしまいそうだ」

 

 

 

「為替市場はなんとも方向感のない動きが続いてる」

 

 

 

「為替相場に動意が無い」

 

 

 

「様子見を決め込むような展開」

 

 

 

「自縄自縛に陥っている相場」

 

 

 

「全くやる気がない相場」

 

 

 

「それにしても相場は動かない」

 

 

 

「ここ数年来、為替市場の動きの無さが目立つ」

 

 

 

「前もって組まれたプログラムに沿って、売買を繰り返すロボット(コンピューター)トレードがレンジ相場を作っている」

 

 

 

 

 

為替相場は、先週だけでも上記のようなコメントが相次ぎました。

いずれも専門家達のコメントです。

 

 

 

たしかに為替相場は、一昔前の感覚からすると「あり得ない」くらい動いていません。

その値動きは、510倍は小さくなっているようです。

 

 

 

さらに近年の傾向として、わずかな値動きながらも、しつこいドル安・円安と、しつこい株高に連動した値動きが続いています。

 

 

 

上記にもあるように、原因は「前もって組まれたプログラムに沿って、売買を繰り返すロボット」にあるのでしょうが、このような相場に対しては、私達投資家も「細かい売買」で対処していくしかありません。

 

 

 

しかし今後、気を付けるべきであると同時にチャンスかもしれないのが「フラッシュ・クラッシュ」です。

 

 

 

ちなみにフラッシュ・クラッシュとは、短時間で相場が急変動することです。

 

 

 

振り返ると、過去、フラッシュ・クラッシュは何度も起きており、有名なものもいくつかあります。

例えば、以下のようなものがあります。

 

 

 

 

 

20105月のNYダウの暴落・・・1000ドル以上の暴落

 

 

 

20151月のユーロ/スイスフランの暴落・・・1.2スイスフランから0.8スイスフランに暴落

 

 

 

20158月のNYダウの暴落・・・1100ドルの暴落

 

 

 

201610月のポンドドルの暴落・・・1.26ドルから1.14ドルまで暴落

 

 

 

20176月のイーサリアム(仮想通貨)の暴落・・・319ドルから10セントに暴落

 

 

 

20177月の銀の暴落・・・16.15ドルから14.35ドルに暴落

 

 

 

20191月の豪ドル円の暴落・・・76円から70円まで暴落

 

 

 

20203月の原油の暴落・・・48.66ドルから19.27ドルまで下落

 

 

 

 

 

上記以外にも「たくさん」ありますが、いずれも「一瞬のうちに」と言っても過言ではない暴落でした。

 

 

 

フラッシュ・クラッシュの原因は、様々なことが言われていますが、やはり一番の原因は「AI(人工知能)や自動売買(プログラムトレード)の発達」にあります。

超高速コンピューターによって、売りが売りを呼び、電光石火の勢いで価格が下がるのです。

 

 

 

しかし特徴として、多くの場合、暴落の後には暴騰となり、値段は元の価格に戻っていきます。

さらに「暴落→暴騰」だけでなく、「暴騰→暴落→暴騰」というパターンもあります。

 

 

 

したがって、例えばドル円が現在109円だとすると、ポジション量に留意しながらも、フラッシュ・クラッシュを狙い、111円台の売りと105円台の買いを狙う・・・といったような戦略を考えることもできます。

 

 

 

フラッシュ・クラッシュは今後も間違いなく起こるでしょうから、このような戦略は有効であると思います。

 

 

 

 

 

一方で、フラッシュ・クラッシュが起こると、毎度のように、相場から強制退場となる人達が出てきます。

ポジション量が多すぎて、ロスカット(強制決済)されるのです。

 

 

 

ですので、いつだってポジション量に留意するのは必須です。

 

 

 

前述のように、フラッシュ・クラッシュの一番の原因は「AI(人工知能)や自動売買(プログラムトレード)の発達」にありますが、中には人為的に引き起こされるケースもあります。

 

 

 

20105月のNYダウ暴落におけるフラッシュ・クラッシュでは、英国人のトレーダーが「原因をつくった」ということで、その5年後に米捜査当局に逮捕されています。

 

 

 

逮捕された英国人のトレーダーは、見せかけの注文を自動発注してすぐに取り消すプログラムで、「見せ玉」と呼ばれる違法行為をし、それがきっかけとなって、売りが売りを呼び、電光石火の勢いで価格が下がったのです。

 

 

 

この件については『フラッシュ・クラッシュ たった一人で世界株式市場を暴落させた男』(角川書店)という書籍まで出ています。

書籍では、現代金融市場が抱える構造的な脆弱さへ警鐘が鳴らされています。

 

 

 

したがって、このような全体像を踏まえ、今後も慎重さをキープしながら取り組むべきです。

引き続き頑張りましょう。