「数学的思考」で儲ける!?

 

 

 

16才でケンブリッジ大学に合格した天才が、お金の使い方から、投資、ギャンブル、果ては起業や仕事術まで、数学を使って人生も財布も豊かにする方法を伝授する!」というテーマの書籍で、『教養としての数学』(ダイヤモンド社)という本があります。

 

 

 

この本では、かなり難解な「数学」の話も出てきます。

ですので、よほど数学好きな人でないと読みづらい本かもしれませんが、それでも投資における重要な教訓が学べる本だと思います。

 

 

 

本著を読んでみて、私が重要だと感じた「教訓」を以下に整理してみます。

 

 

 

 

 

・みんなが犯しがちな数学的な誤りに通じておくことは、人生にとって追い風となる。

 

 

 

・数学をしっかりと理解することが、経済的な成功に欠かせない土台である。

 

 

 

・この世に魔法の豆(杖)なんて実在しない。

 

 

 

・資金をきちんと管理することが重要だ。

 

 

 

・投資の際には、市場の「気まぐれ」よりも、いつだって「本質的価値」という考え方に集中すべきだ。

 

 

 

・世界的な金融危機のきっかけとなったサブプライム市場の崩壊(2007年から2008年)は、もともとアナリストたちによって6シグマの事象と見られていた。確率にすれば「10億分の2」程度しかない。これは数学的モデル化への過信が破滅的な結果につながることもあるというひとつの例だ。

 

 

 

・チャーティズム(チャート至上主義)に陥らないよう、注意が必要だ。

 

 

 

・市場の全員が「ほかのみんなは何を考えているのだろう」と勘ぐりだすと、ものすごく非合理的で、予測の難しい行動が生じることがある。

 

 

 

・コンピューター分析に頼るクォンツやファンドが跋扈(ばっこ)する現代は、市場で見出すことのできる「優位性」を見つけるのは難しいだろう。

 

 

 

 

 

さて、いわゆる「数学的思考」によって導かれたのが上記の「教訓」で、これらの「教訓」を私なりに噛み砕きますと、以下の3つの重要な「教訓」を導くことができます。

 

 

 

 

 

・コロナ禍での株高など、相場は非合理的に動くことがある。

 

 

 

・たとえ相場が非合理的に動いても、強制退場とならないような「資金管理」が重要。

 

 

 

・株式相場にせよ、為替相場にせよ、「まともに考えるとどうなのか?」「適正価格はどうなのか?」といった本質的なことから目を背けてはいけない。

 

 

 

 

 

ところで、世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏は「次の危機は史上最悪の危機になる。おそらく、株価は値下がりすることになる。50%60%70%、いやそれ以上だろう」と語っています。

現状に警鐘を鳴らしているわけです。

 

 

 

しかし、上記の教訓である「相場は非合理的に動くことがある」に従えば、ジム・ロジャーズ氏の警鐘を無視して、今後さらに株価が上昇する可能性も考えておかなければなりません。

 

 

 

一方で、ジム・ロジャーズ氏の警鐘や上記の教訓である「まともに考えるとどうなのか?」「適正価格はどうなのか?」に従えば、全力で株を買ってはいけないことも明白です。

 

 

 

要するに、いつだって私達個人投資家は、このような「相場は非合理的に動くことがある」や、「まともに考えるとどうなのか?」「適正価格はどうなのか?」ということを、頭の中で思考しておく必要があるのです。

 

 

 

そして、このような思考こそが「数学的思考」になります。

 

 

 

さて、「相場は非合理的に動くことがある」が、あまりにも長く続いているのが近年の相場の特徴です。

 

 

 

世界3大投資家の一人であるウォーレン・バフェット氏が用いている、株の割高、割安を判断する「バフェット指数」は、「100」を超えると警戒水準とされ、リーマン・ショック時でさえ「116」であったのにもかかわらず、トランプ前大統領誕生以降は、ほぼ全ての期間においてリーマン・ショック時の「116」を上回っています。

 

 

 

しかも、先日は前代未聞の「200」も突破しました。

 

 

 

しかし、このような「相場は非合理的に動くことがある」は、ある意味チャンスにつながるかもしれません。

 

 

 

と言いますのも、前述のように、サブプライム市場の崩壊(2007年から2008年)は、確率にすれば「10億分の2」程度しかないものが現実になったわけですが、本著では以下のような話が紹介されていたからです。

 

 

 

 

 

【ヘッジ・ファンド「サイオン・キャピタル」のマネージャーであるマイケル・バーリは、2005年にサブプライム市場を詳しく調べた。彼は過去3年間の住宅ローンの貸付手法について徹底的にデータを分析した結果、サブプライム市場が今にも弾ける寸前のバブル状態であると「正しく」結論づけた。案の定、サブプライム市場は暴落し、バーリは1億ドルもの利益を懐に収めるのである。】

 

 

 

 

 

つまり、サブプライム市場の崩壊(2007年から2008年)は、何年も「おかしな」状態が続いた後に崩壊しているわけです。

 

 

 

同様に考えますと、今の株式市場も何年も「おかしな」状態が続いていますから、サブプライム市場の崩壊(2007年から2008年)のように、一部の投資家にとっては大きなチャンスになるかもしれません。

「株の暴落や円高・ドル高にチャンスあり」でしょう。

 

 

 

以上、簡単ですが、「数学的思考」によって導かれた「教訓」について考えてみました。

このような「数学的思考」は、私達個人投資家にとっても必須の思考だと言えるでしょう。

 

今回の話を、ひとつ参考にしていただけたら幸いです。