ヘッジファンドの苦戦

 

 

 

直近のニュース・出来事から、今後の売買戦略、売買に優位性を持たせるにはどうしたらいいのか、この辺りについて考えてみたいと思います。

 

 

 

まず、先週の動きを振り返ります。

 

 

 

422日(木)に、NYダウは321ドル安となりました。

 

 

 

この下落の原因は、【米政権が、富裕層の株式売却益に対する課税を2倍にする】というニュースでした。

 

 

 

ところが、翌日の23日(金)には、NYダウは227ドル高となり、反発しました。

 

 

 

「課税2倍は言っているだけ」「実現するのは難しい」と、すぐさま市場の見方は変化したようです。

 

 

 

次に日経平均株価の動きを振り返ります。

 

 

 

420日(火)に、日経平均株価は584円安となりました。

421日(水)に、日経平均株価は591円安となりました。

 

 

 

ところが422日(木)には、日経平均株価は679円高となり、反発しました。

 

 

 

この日経平均株価の急落・急騰については、ニュースでは色々と言われているものの、報じているのはあくまで「記者」であって「プロの投資家」ではありません。

 

 

 

実際のところ、多くのプロの投資家達が「よく分からない」と言っていました。

 

 

 

一方で日本では、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県を対象に、425日(日)から緊急事態宣言が発令されることになりました。

 

 

 

百貨店には休業要請が出され、【百貨店に「120万円」の協力金】といったニュースが報じられていますが、ある百貨店の関係者は「百貨店は40005000人の人が働き、1日の売上高は数億円になる。まったく話にならない」と語り、そのことも報じられていました。

 

 

 

私も「その通りだ」と強く思いました。

 

 

 

このように、新型コロナウイルスで、経済は「滅茶苦茶」になっています。

 

 

 

ところが「コロナ前」と「コロナ後」と分けて考えた時に、「コロナ後」である「今」の方が、株価が高いわけです。

 

 

 

これを「おかしい」と思う感性を失ってはいけない、と私は強く思います。

 

 

 

実際に、今の株価の動きは簡単には説明がつかない、とウォール街の専門家達の間でも言われているそうで、そのこともニュースで報じられていました。

 

 

 

そのような中、ヘッジファンドの「苦境」も報じられています。

 

 

 

先日、22000億円のヘッジファンド「アルケゴス・キャピタル」が破綻し、そこに野村證券、三菱UFJ証券、みずほフィナンシャルグループ、ドイツ銀行、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの大手金融機関が資金を出していた、というニュースがありましたが、他のヘッジファンドも多くが苦境に立たされているようです。

 

 

 

スウェーデンで最も歴史の長いヘッジファンド会社であるIPM(インフォームド・ポートフォリオ・マネジメント)が閉鎖、アメリカの「超有名」なヘッジファンドである「ルネサンス・テクノロジーズ」や「ツー・シグマ」の苦戦も報じられています。

 

 

 

上記の「ルネサンス・テクノロジーズ」については、トランプ前大統領誕生の際、「ルネサンス・テクノロジーズ」の元CEOであるロバート・マーサー氏が最大献金者であったことが知られており、トランプ政権時代は運用成績が他のヘッジファンドを圧倒していました。

そのため、数々の「疑惑」もありました。

 

 

 

ところがバイデン政権になったからでしょうか。

「ルネサンス・テクノロジーズ」も苦戦しているようです。

 

 

 

しかしここで注目すべきなのは、IPM(インフォームド・ポートフォリオ・マネジメント)の閉鎖と「ツー・シグマ」の苦戦です。

 

 

 

実は、両者とも「クオンツファンド」の巨人として知られており、クオンツファンドとは簡単に言いますと、過去の統計データをコンピューターに徹底的に分析させ、コンピューターをフル活用して運用しているファンドのことです。

これら「超有名」なヘッジファンドは、AI(人工知能)のトップの技術者を、他の業態では考えられないような報酬などの条件で、引き抜いています。

 

 

 

つまり、どういうことかと言いますと、昨今の相場が「過去の統計データ」に当てはまらなくなっているということです。

 

 

 

実際、素人でも「おかしい」と指摘するのが昨今の相場です。

コロナ禍での株高など、各国中央銀行がお金を「刷っている」とはいえ、道理的に「おかしい」ことは明白です。

そして為替相場も、株価の影響を受け「おかしく」なっています。

 

 

 

そのようなわけで、クオンツファンドの専門家も、最近は「人間によるチェックが必要だ」と、認識を改めているようです。

人間はコンピューターとは違い、「なんだか変」「おかしい」といった感性が働くからです。

 

 

 

さて、今後の売買戦略、売買に優位性を持たせるにはどうしたらいいのか、と考えた時に、多くのヘッジファンドも苦戦している以上、「時間を味方につける」という戦略が最も確実だと思います。

 

 

 

なぜならヘッジファンドをはじめ、多くのプロ投資家達が、決算期等で、常に時間的な縛りがあるなかで結果を出さなければならないというプレッシャーを味わっており、常々「個人には決算期がないから羨ましい」と言っているからです。

 

 

 

つまり、プロが「羨ましい」と感じる「時間」を味方につけない手はない、と思います。

 

 

 

さらに、今の相場が「おかしい」という事実に向き合いますと、まともな「分析」の逆を想像するような形で、売買では「天邪鬼(あまのじゃく)」的な発想も大事になってくると思います。

 

 

 

 

根気強く頑張っていきましょう。