「歴史は繰り返す」と言われます。
ところが昨今においては、世の中も、相場の世界も「前代未聞」と言う方が「しっくり」ときます。
今回は、この辺りのテーマについて、現状と対策を含めて考えてみたいと思います。
まず、先週は「日銀株」に注目が集まりました。
暴騰と暴落があったからです。
日銀と言えば、誰もが知るように、日本の「通貨発行権」を有しています。
そんな日銀には「知る人ぞ知る」面があり、先週の「出来事」を含めて以下に整理してみます。
・日銀株は新興市場のジャスダックに上場しており、売買が可能
・日銀の株主の45%が「非公開」となっている
・日銀株は、1984年8月の上場来安値1万8000円から1988年1月の最高値75万5000円まで約41倍に上昇した
・日銀株は、最高値75万5000円を付けた後は暴落し、今年の1月5日には、バブル後最安値である2万4610円を付けた
・日銀株は先週、月曜日から木曜日まで4日連続で「ストップ高」となって年初来高値を付けた後、金曜日、本日(3月8日)と、「ストップ安」になっている。
・ストップ高も、ストップ安も「特に目立った材料は無し」と報じられた
・2週間前に、日銀の保有するETF(上場投資信託)の含み益が「15兆円超」だと報じられた
・15兆円超もの含み益のある日銀の時価総額(株価に発行済株式数を掛けたもの)が、本日(3月8日)の時点で、わずか370億円の状態である
さて上記からも分かりますが、日銀株は非常に「不可解」で、多くの専門家からも「不可解」だと指摘されています。
さらに日銀は、日本の通貨発行権を有しているのにもかかわらず、その株主の45%が「非公開」とされていることから、その事実を知る多くの人達が「いったい誰が日銀を支配しているのか?」と、あれこれ噂をしている状況が昔から続いているのです。
一方で不景気、コロナ禍において、日経平均株価が高値圏にあるのも「前代未聞」と言えます。
飲食、旅行・観光、鉄道・航空・自動車、百貨店、アパレル、化粧品、イベント・・・・・
上記は、コロナ禍で特にダメージを受けた業界ですが、逆に言えば、好景気の時には潤う業界でもあります。
ところが、これらの業界がダメージを受け、現状明らかに不景気であるにもかかわらず、日経平均株価は高値圏にあるわけです。
やはり「前代未聞」と言えるでしょう。
米国株も「前代未聞」です。
先週木曜日、NYダウは345ドル安となり、多くの企業の株価が下がりましたが、依然として過去最高値圏にあります。
そのような中、先週木曜日は多くの企業の株価が下がる中で、2期連続赤字で、今年度も赤字が見込まれている「ゲームストップ」の株価が暴騰したのです。
「ゲームストップ株」といえば、【米素人集団、ヘッジファンドを締め上げ勝利】のニュースにおいて、米素人集団(個人投資家達)が標的にした株(銘柄)です。
「ゲームストップ株」は、まるで「おもちゃ」にされているかのような値動となっています。
また米国は、新型コロナウイルスによる死者が50万人を超えましたし、経済にもかなりの打撃を受けています。
ところが株価は上昇し続け、現在「100」を超えると警戒水準とされるバフェット指数は「189」となっています。(リーマン・ショック時でさえ「116」です)
やはり、このような株価の推移も「前代未聞」と言えるでしょう。
また「前代未聞」と言えば、先日の英国「デイリー・メール」紙の以下の報道内容もそうです。
・中国のビリオネア(資産10億ドル以上の人)の数が1058人となり、世界で初めて1000人を超えた
・中国のビリオネア上位415人の総資産額が約2兆ドルで、ロシアの国内総生産額(世界第11位)に匹敵する規模となった
さて、このように見ていきますと、総じて昨今は、世の中も、相場の世界も「前代未聞」だと言えます。
しかし、もしも「歴史は繰り返す」のであれば、先々の相場は以下のようになります。
・株価は暴落
・為替は円高・ドル高が進行する
・金価格と銀価格が急騰する
その一方で、あくまで「前代未聞」が継続するなら、相場は上記と【真逆】になるでしょう。
したがって、今後の採用すべき「投資戦略」は、以下の「どちらか」とすべきです。
・「異常」な相場の流れに乗る一方、明日にも起こるかもしれない「リーマン・ショック超え」の「金融危機」に備えて、投資可能額の10分の1程度で投資する。
・あくまで「リーマン・ショック超え」の「金融危機」を想定し、忍耐強く、株の暴落、円高・ドル高、金高・銀高の相場観を持って取り組む。
慎重さが大事になってきます。
引き続き頑張りましょう。