ゲームのルールが変わった!?

 

 

 

あえて「相場」のことを「ゲーム」と言ってみますが、ゲームのルールが変わった可能性について考察したいと思います。

 

 

 

話は変わりますが、例えば、殺人が犯罪であることは当たり前です。

しかし戦争になれば、その犯罪であるはずの殺人でさえもOKとなってしまいます。

これは、背景の「ルール」が違うからです。

 

 

 

ここで改めて今の相場について考察しますと、コロナ禍であるにもかかわらず、世界中で一方的な株高が続いています。

為替も、GDP減少率が「311年ぶりの大きさ」と報じられたイギリスの「ポンド」が、現在最も買われている「通貨」となっています。

 

 

 

このような「おかしさ」については、最近の以下のようなニュースからもよく分かります。

 

 

 

 

 

・「休廃業・解散」が過去20年で最多、今後は倒産も増加に転じる恐れ

 

 

 

・上場企業「早期・希望退職」募集、2020年は2.6倍に急増 コロナ禍で赤字リストラ目立つ

 

 

 

 

 

要するに、コロナで多くの企業がダメージを受け、廃業、解散、倒産、人員削減が相次いでいるのに、株価だけが一方的に上昇し、先日は日経平均株価が30年ぶりに3万円台を超えたということなのです。

 

 

 

もちろん、30年前と違って好景気からの株高ではなく、今回は「恐慌」という声さえ聞こえてくる中で、日銀や年金といった公的マネーが「東証一部上場企業の8割で大株主」という異常な株高です。

 

 

 

実際、これだけ株高が進んでも、内閣の支持率が上がっていくわけでもないですし、企業が「賞与でも出そうか」という雰囲気があるかというと、それすら皆無と言っていいでしょう。

まさに、前代未聞の「異常事態」と言えます。

 

 

 

そのような中、スマホ投資家もこの異常な株高を後押ししています。

 

 

 

 

 

30年ぶりの3万円超え株高支える150万人増の“スマホ投資家”】

 

 

 

 

 

上記の報道のように、最近はスマホ投資家が急増しており、報道では「うれしいです、非常に」とか、「個人的には、どんどん上がって、バブルの39000円超えですか、4万円になってほしいな」といったような、スマホ投資家の「声」が紹介されていました。

 

 

 

はたして、このような状況が「健全」だと言えるでしょうか?

 

 

 

間違いなく「異常」でしょうし、現在「100」を超えると警戒水準とされるバフェット指数も「195」となっています。(リーマン・ショック時でさえ「116」です)

 

 

 

しかし前述のように、戦争になれば、犯罪であるはずの殺人でさえもOKとなることを考えますと、今は「異常なルール」で相場が動いていると考えれば、異常な株高にも一応の説明はつきます。

 

 

 

ところが、この先無視できないのが民衆の「怒り」です。

 

 

 

30年前の好景気のバブルでも、バブル崩壊の背景には、株価や不動産の高騰に対して「自分には関係がないし、恩恵も受けていない」といった、民衆の「怒り」があったと言われています。

 

 

 

そうであるならば、今はコロナ禍で、多くの民衆の仕事や生活がどんどん衰退していっているわけですから、その「怒り」は30年前とは比較にならないくらい大きいでしょう。

 

 

 

すると、そのような民衆の「怒り」に後押しされる形で、「株式の譲渡益への課税を強化せよ」といった方向に世論が動きますと、それを「きっかけ」に株が大暴落するかもしれません。

 

 

 

ここで、冒頭の「ゲームのルールが変わった可能性」についてですが、私の結論は以下の通りです。

 

 

 

 

 

・今は「異常なルール」が幅を利かせており、人々が「リーマン・ショック超え」と認識するような「金融危機」が起こるまでは、この「異常」な相場が継続する。

 

 

 

・人々が「リーマン・ショック超え」と認識するような「金融危機」は、明日に起きてもおかしくない。

 

 

 

 

 

世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏も、同様のことを語っています。

 

 

 

 

 

・最終的にはひどい結末を迎えるだろう。

 

 

 

・世界中で中央銀行が莫大なお金を刷り続けているので、日本や中国が最高値を更新してもおかしくない。

 

 

 

・(しかし私は)明日にも考えを変えるかもしれない。

 

 

 

 

 

これらを踏まえて、今後の投資戦略は、以下のどちらかを採用すべきだと考えます。

 

 

 

 

 

・「異常」な相場の流れに乗る一方、明日にも起こるかもしれない「リーマン・ショック超え」の「金融危機」に備えて、投資可能額の10分の1程度で投資する。

 

 

 

・あくまで「リーマン・ショック超え」の「金融危機」を想定し、忍耐強く、株の暴落、円高・ドル高、金高・銀高の相場観を持って取り組む。

 

 

 

 

 

これらの投資戦略を採用せずに、仮に「全力」で今の「異常」な相場の流れに乗った場合、遅かれ早かれ、必ず「痛い目に遭う」と私は思います。

 

 

 

何より個人的には、「異常な株価バブルは、一刻も早く崩壊したほうがよい」と思っていますが、いずれにせよ、このような「異常事態」には、忍耐強さが非常に大事だと思っています。

 

 

 

 

引き続き頑張りましょう。