バブルか火災か・・・

 

 

 

株価は歴史的な高値、一方で新型コロナウイルスの拡大が止まりません。

ここで、最近のニュース等とその値動きを整理してみます。

 

 

 

 

 

・今年に入ってから、7000万を超える人々が失業保険に申請し、米国各地のフード・バンクには長い列ができている。  【ダウ、ナスダック、S&P500が過去最高値更新】

 

 

 

 

 

・パウエルFRB(米連邦準備理事会)議長が「米経済回復への道のりは長い」「低所得者らが背負えぬ打撃を受けている」と指摘した。 ⇒ 【ダウ、ナスダック、S&P500が過去最高値更新】

 

 

 

 

 

202079月期の全産業の経常利益が28.4%減と発表された。

 ⇒ 【日経平均株価上昇】

 

 

 

 

 

・イギリスとEUの通商交渉が、漁業問題などの項目で見解の大きな相違が埋められない中、時間切れの恐れが出てきた。 ⇒ 【イギリス株上昇】【欧州株上昇】【ポンド上昇】【ユーロ上昇】

 

 

 

 

 

・スコットランド首相が「独立巡る住民投票が阻止されれば法的措置も辞さない」と発言した。

 ⇒ 【イギリス株上昇】【ポンド上昇】

 

 

 

 

 

・ロンドン中心部で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)に抗議するデモが行われ、警察が155人を拘束した。 ⇒ 【イギリス株上昇】【ポンド上昇】

 

 

 

 

 

・治安関連法案や外出宣言に抗議、首都パリなど各地で133千人が参加するデモが実施され、警察は催涙ガスを使用した。  【フランス株上昇】【ユーロ上昇】

 

 

 

 

 

さてこのように整理してみますと、毎週のコラムでも指摘しているように、改めて「おかしさ」が分かるのではないかと思います。

 

 

 

ニュース等と「逆」の値動きばかりが続いています。

また米国株に至っては、この4年間で1.5倍にもなっています。

 

 

 

ちなみに東京大学経済学部を首席で卒業し、現在は慶應義塾大学大学院の准教授をされている小幡績(おばたせき)氏は、最近の米国株について、以下のように整理をした上で「バブル以外の何物でもない」と指摘しました。

 

 

 

 

 

・米大統領選の前、「上下両院ともに民主党が制すれば政策が一気に進む」として株価が上昇した。

 

 

 

・トランプ優勢と報じられた際には、「ビジネス重視のトランプは株式市場にプラス」として株価が上昇した。

 

 

 

・上院は共和党、下院は民主党となったことを受け、「ねじれ議会のため、富裕層への増税は実現できない」として株価が上昇した。

 

 

 

 

 

要するに、とにかく「株価の上昇ありき」なわけです。

そして値上がりの理由は「後付け」となっており、だからこそ「バブル以外の何物でもない」と小幡准教授は指摘しています。

 

 

 

また小幡准教授は「バブルの末期症状のようだ」とも言っており、今後は1987年の世界で同時に株が暴落するきっかけとなった「ブラックマンデー」のようになる可能性も示唆されました。

 

 

 

一方でウォール・ストリート・ジャーナルは、最近の米国株について、以下のように指摘しています。

 

 

 

 

 

・金融市場は簡単に5倍や10倍に膨れ上がり、一瞬で少なくとも50%は下落して、何百万人もの投機家にやけどを負わせ、一国の経済を黒焦げにすることもある。1929年の株価暴落後の米国やそれから約60年後の日本を考えてみればいい。

 

 

 

・過大評価された資産はバブルととらえるより、火災と考えたほうがいいのかもしれない。火災は燃え広がれば広がるほど、そして熱くなればなるほど、大きな惨事を招く。

 

 

 

 

 

やはり今の相場は「行き過ぎ」と考えるべきではないでしょうか。

 

 

 

今でこそNYダウが3万ドル、日経平均株価が26000円台といった価格で推移していますが、リーマン・ショック後、NYダウは6470ドル、日経平均株価は6994円という価格を付けています。

 

 

 

またリーマン・ショック後、為替はドル円が75.32円、ユーロ円が94.11円を付けています。

 

 

 

そのような中、日本の内閣府が先月出した報告書によると、今回の新型コロナウイルスは「大恐慌やリーマン・ショックを上回るショックだ」との指摘です。

 

 

 

一方で、日本ではコロナの感染増が目立ってきており、再び自粛要請が出始めていますが、それでも欧米各国に比べれば桁が2つぐらい少ない数で推移しています。

そのような中、直近では【東京の不動産投資額が世界首位】というニュースもありました。

 

 

 

ところが為替市場では、そんな日本の「円」が、各国通貨の中で最も下落しているのです。

本当に「おかしなこと」ばかりが続いています。

 

 

 

私達投資家は、株の暴落を想定し、円高・ドル高、金高・銀高を想定しておくことが賢明だと思います。

 

 

 

 

引き続き頑張りましょう。