金・銀の時代

 

 

 

金・銀の上昇が目立ってきています。

 

 

 

テレビでも報道が増えてきましたが、コロナ危機、マネーのジャブジャブ、米中の対立などを背景に、安全資産としての「買い」が増えてきているようです。

 

 

 

例えば金の場合、未だ1オンス(約31グラム)=2000ドルを突破したことはありませんが(先物価格では突破)、これを突破するのも「時間の問題」だと多くの市場関係者が語っています。

 

 

 

私は今から10年近く前になりますが、「予言します」ということで、メディアで「1ユーロ=100円割れが起こる」や「金価格が1オンス=2000ドルになる」と語ったことがあります。

 

 

 

ユーロについては、2012年に「1ユーロ=94.11円」を付けて「予言」が当たりましたが、今回、金が2000ドルを突破すれば、この「予言」も当たることになります。

 

 

 

さて金・銀がこの先どうなるかですが、「世界に影響を与える投資家」で8位に選ばれたことのあるマーク・モビアス氏が「今からでも買う、買い続ける」と語ったことが先日ブルームバーグで報じられたように、私も「まだまだ強気でOKだ」と思っています。

 

 

 

ちなみに米金融大手のゴールドマン・サックスも、金価格の今後の予想を「1オンス=2300ドル」に引き上げ、これが先日ロイターで報じられました。

また現在「1オンス=24ドル台」で推移している銀価格についても、ゴールドマン・サックスは「1オンス=30ドル」と、予想を引き上げました。

 

 

 

一方、ヨーロッパに「リヒテンシュタイン」という国があります。

スイスとオーストリアの間にある小さな国ですが、1人当たりのGDP(国内総生産)が世界一になったこともある、大変豊かな国として知られています。

 

 

 

そんなリヒテンシュタインの資産運用会社「インクリメンタム」は、「金価格が2030年までに4800ドル」になると予想しています。

また最も大胆なシナリオで展開した場合、「金相場は8900ドルになる」と予想しています。

 

 

 

私も、このリヒテンシュタインの資産運用会社の予想は「十分あり得る」と思っています。

 

 

 

さて「なぜここまで強気なのか?」についてですが、「それくらい世の中がおかしくなってきているから」ということが回答になります。

 

 

 

思えば、現在の世の中は「矛盾」「コロナ危機」「災害」「争い」「経済危機」といったもので溢れかえっています。

 

 

 

「矛盾」については、日本政府は「在宅勤務を7割にしろ」と企業に要請し、これがニュースにもなりました。

一方Go Toトラベルキャンペーンでは、国民に「旅行に行け」と推進しています。

これは、「出勤はするな、旅行には行け」ということであり、各方面からその「矛盾」が指摘されています。

 

 

 

またアメリカでも、コロナの感染拡大を防ぐために、人々が家にいることを求められていますが、今年3月から続いてきた政府による「家賃の支払い猶予」が終わったため、人々が家から追い出されようとしています。

そして最悪は「9月末までに3000万人超がホームレスになる」と報じられているのです。

これも、「家にいろ、家から追い出すぞ」ということであり、各方面からその「矛盾」が指摘されています。

 

 

 

さらに米株価も「矛盾」しています。

GDP(国内総生産)46月期が過去最大の32.9%減で、個人消費も急減しているのにもかかわらず、株価が史上最高値に再接近しているからです。

 

 

 

日本の株価も同様で、【上場企業、46月期、79%減益 3割弱が赤字】【JR東海、726億円赤字に転落 新幹線の利用客が84%減】と報じられたのにもかかわらず、その後の日経平均が勢いよく上がっているからです。

 

 

 

為替も「矛盾」しています。

ユーロ圏GDP(国内総生産)46月期が米国をも上回る過去最大の40.3%減で、新型コロナウイルスの地域別死者数でも米国を上回る20万人超(世界最多)であるにもかかわらず、他通貨と比較して、直近で最も買われた通貨が「ユーロ」となっていたからです。

 

 

 

一方で「コロナ危機」については、未だに毎日のように感染者や死亡者が増えており、なかなか終息の兆しが見えません。

 

 

 

「災害」も、日本では豪雨による災害が続きましたが、中国も同様で、4500万人超が被災したと報じられており、今後も懸念が続きます。

 

 

 

「争い」も、米中が互いに「領事館」を閉鎖するなど、近年最悪の状態まで関係が悪化していると報じられています。

 

 

 

そして「経済危機」についても、前述のことに加えて、自動車業界の不調、航空産業・航空業界の不調、飲食業界の不調・・・と続き、さらに、生活苦融資がリーマン・ショック時の80倍と報じられるなど、深刻な状況となっています。

 

 

 

このように、現在の世の中は「矛盾」「コロナ危機」「災害」「争い」「経済危機」といったもので溢れかえっており、上記で述べた以外にも、たくさんの「不安要素」があるのが現状です。

 

 

 

そのような中、相場の世界では昔から「有事の金」「有事の銀」「有事のドル」「有事の円」と言われています。

 

 

 

今は「有事の金」「有事の銀」の展開にようやくなってきた・・・といったところですが、「有事のドル」や「有事の円」の展開になるのも「時間の問題」だと思います。

 

 

 

 

今後はしっかりと「有事」というものを想定し、これを意識して取り組んでいきましょう。