アメリカの現状

  

 

今回はアメリカの現状について考察してみたいと思います。

 

 

 

結論を言えば「アメリカの現状は極めて危うい」と私は思っていますが、それでも世界3大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏が「人々は危機の際に、ポンドやユーロなどの他通貨に比べて、ドルが優れていると思うものだ。実際はそうでなくても、そのように考えて行動する」と語っている通り、今後もドル高の流れは変わらないと思います。

 

 

 

ただしアメリカの現状を考察しますと、現在の株高の「異常さ」がよく分かると思います。

 

 

 

以下に「アメリカの現状」について、整理してみます。

 

 

 

 

 

・新型コロナウイルスの感染者が300万人を突破し、死者が13万人を突破した。

 

 

 

・失業率が、3カ月連続で戦後最悪の水準が続いている。

 

 

 

・シェールオイル関連企業の経営破綻が相次いでいる。

 

 

 

・ニューヨーク市マンハッタンのアパート成約件数が、前年同月比で84%減少となった。

 

 

 

・サンフランシスコの家賃が過去最大の低下となった。

 

 

 

・自動車販売が軒並み大幅減少となった。

 

 

 

・ニューヨーク市で銃撃事件が急増しており、同市警が76日にまとめた6月の市内の銃撃事件は前年同月比2.3倍だった。

 

 

 

・アメリカ軍で新型コロナウイルス感染者が急増している。

 

 

 

・アメリカ軍がアフガニスタンとイラクから撤退を進めている。

 

 

 

・トランプ大統領がドイツから9500人のアメリカ軍撤退を決めた。

 

 

 

BLM(人種差別反対運動)の抗議者らが過去数週間、アメリカ各地で略奪や店舗の破壊行為を繰り返し、「アメリカ建国の父」である初代大統領のジョージ・ワシントンや第3代大統領のトーマス・ジェファーソンなどの銅像も破壊した。

 

 

 

・全土でコロンブス像の破壊が相次いでいる。

 

 

 

・トランプ大統領が先住民の反対を押し切って国内石油業界と押し通した石油パイプラインについて、ワシントン地裁が稼働停止命令を出した。

 

 

 

 

 

さて、このような状況であるにもかかわらず株高が続いているわけですが、その背景には、いわゆる「マネーのジャブジャブ」及びAIの影響があると考えられます。

 

 

 

ところが、もうひとつ無視できないのが、価格不正操作などの「インチキ」なのです。

 

 

 

先日ブルームバーグは【疑わしいトレーディングの通報件数が英国で減少、在宅勤務が影響か】と報じました。

 

 

 

報道によると、イギリスだけでも、疑わしいトレーディングの通報件数が月に600件を超すこともあるそうです。

 

 

 

しかしコロナ禍で、トレーダーの在宅勤務が増えたため、「4月は疑わしいトレーディングの通報件数が月に215件」ということで、過去4年間の最小に近い水準だったということでした。

 

 

 

このことは、逆に言えば、イギリス一国だけでも疑わしいトレーディングの通報件数が毎月数百件も上がってくるほど、相場における「インチキ」は日常茶飯事になっているということです。

 

 

 

つまり、現在の相場は「マネーのジャブジャブ」「AI」「インチキ」の3つに大きな影響を受けているということです。

 

 

 

だからこそ、私達個人投資家は「短期で利益を上げる」というよりも「時間を味方につけて勝つ」という、忍耐をもって取り組むスタンスを維持すべきです。

 

 

 

なぜならば、自分自身の「損」が、インチキを行う側の「利益」に転換するのを防ぐことに繋がるからです。

 

 

 

さて、現状の株高が「異常」であるということは、しばしば「株高で円安」と語られる「円安」も「異常」ということになります。

 

 

 

しかし、いくら「マネーのジャブジャブ」「AI」「インチキ」に主導されている相場であったとしても、実体経済を無視した展開がいつまでも続くとは考えられません。

 

 

 

このことは多くの専門家も指摘しているところです。

 

 

 

したがって私達個人投資家は、きちんと実体経済に則って、株安・円高・ドル高の相場観で取り組むことが今後の正解に繋がると思います。

 

 

 

また「マネーのジャブジャブ」が指摘されていますが、「刷れるお札」と「刷れない金・銀」ということで、金高・銀高の相場観も正解に繋がると思います。

 

 

 

 

このようなイメージを持って、引き続き頑張っていきましょう。