バフェット氏の売却行動

コロナ禍で、相場の世界では「とんでもないこと」が進行しているのではないかと思います。

 

 

リーマン・ショックの際ですが、世界3大投資家の一人であるウォーレン・バフェット氏は、米国金融の雄であるゴールドマン・サックスの株を大量に購入していました。

 

 

ところが先日報じられたニュースでは、「バフェット氏、ゴールドマン株を84%売却」とのことです。

 

またJPモルガン株も売却したとのことです。

 

 

さらに、これらのニュースが報じられる少し前には、「バフェット氏が5兆円の損失! 米4大航空会社の株を全て売却」というニュースもありました。

 

 

これらは非常にインパクトのあるニュースです。

 

バフェット氏は「コロナによって世界は変わった」と発言しました。

 

そしてバフェット氏の売却行動から推察しますと、今回のコロナ危機はリーマン・ショックをはるかに超えるのではないかと思います。

 

 

「いったい今何が起こっているのか?」ということなのですが、私が個人的に「気になった」ニュースを以下に整理してみます。

 

 

 

・JAL(日本航空)が6月の国際線を96%減便

 

 

・IATA(国際航空運送協会)が旅客需要について、新型コロナウイルス危機前の水準を回復するのは少なくとも5年先になると警告

 

 

・米航空機メーカー、ボーイングの4月受注がゼロで、キャンセルが200機超

 

 

・CFTC(米商品先物取引委員会)が「原油マイナス価格に備えを」と忠告

 

 

・米老舗百貨店「JCペニー」が経営破綻し、240店舗閉鎖

 

 

・米失業保険申請件数が3600万件を突破し、失業率が20%超えの可能性

 

 

・米GDP(国内総生産)が、4~6月期に年率換算で前期比40%減と戦後最悪のマイナス予想

 

 

・日本の4月の工作機械受注が前年同月比で48%減

 

 

・米解雇件数が、3月は1140万件と過去最高

 

 

・2020年3月期決算発表では、日本の上場企業の4社に1社が最終赤字

 

 

・日本の上場企業の2020年1~3月期の純利益合計が前年同期比67.3%減

 

 

・トヨタ自動車の今期営業利益が8割減

 

 

・居酒屋大手ワタミの4月売上高が93%減

 

 

 

さて、このように見ていきますと、やはり今回のコロナ危機はリーマン・ショックをはるかに超えるのではないかと思います。

 

 

ところがウォール・ストリート・ジャーナルをはじめ、「経済がこんなに悪いのになぜ株価が上昇するのか?」といった報道が相次ぎ、実体経済の悪化を無視して株価は上昇傾向です。

 

 

本日の日経平均株価も上昇しています。

 

 

そして、そのような株高に合わせて「株高で円売り」といった報道が相変わらず続いています。

 

 

これらは極めて「異常」なことだと思います。

 

 

一方で、最近は金と銀が上昇しています。

 

 

ちなみに前述のバフェット氏は、株式投資の投資家として有名なのですが、1996年には「銀」を買い占めたことがあります。

 

当時の世界の年間銀供給量の約20%に当たる1億2900万オンス(約4000トン)の「銀」を買い占めたのです。

 

 

当時に関して、バフェット氏は「売るのが早すぎて、あまり儲からなかった」と語っていますが、今回バフェット氏が、ゴールドマン株やJPモルガン株、航空株を売却したタイミングで「銀」が上昇してきているのは、世界の様相や相場の様相が変化しているサインだと思います。

 

 

そのような中、「なぜか流通量増える100ドル札、1ドル札を上回る」といったニュースも報じられました。

 

「100ドル札の流通量がこの10年で2倍に拡大し、その数は1ドル札を上回る」とのことです。

 

 

使用頻度で考えれば、1ドル札の方が、100ドル札よりも流通量が多そうなイメージですが、100ドル札の流通量がこの10年で2倍に拡大したということで、要するにマネーが「ジャブジャブ状態」だということです。

 

 

こうなってきますと、今後は益々「刷れるお札」と「刷れない金・銀」が意識され、金や銀の上昇に拍車がかかるのではないかと思います。

 

 

そしてどこかのタイミングで株価が暴落しますと、その時は「有事の金」「有事の銀」「有事のドル」「有事の円」となり、これらの「買い」の勢いが増すのではないかと思います。

 

 

引き続き頑張りましょう。