今こそ金(Gold)

先週は、個人的に驚いた話がありました。

 

 

日本の金投資第一人者として知られ、チューリッヒの子鬼(スイスの諸銀行を舞台として、金融市場で投機筋が暗躍していることを指した表現)とも言われていた元トレーダーの豊島逸夫さんの発言です。

 

 

以下が豊島さんの発言です。

 

 

 

今日は、豊島逸夫から読者の皆さんへ大事なアドバイスです。

 

(中略)

 

従来、私は資産の10%程度を金で、と説いてきましたが、今日から30%とします。富裕層なら50%もアリです。

 

(中略)

 

普段、冷静を装う私が、こういう語り口で説くのは、我ながら珍しい。金の世界に40年以上の私でも初めてのことです。それくらい、重要なことと考えてください。

 

 

 

上記が豊島さんの発言でしたが、簡潔に「金を買うべき理由」を説明しますと、今回のコロナ危機を受け、現在、日本もアメリカも欧州もマネーを「ジャブジャブ」に溢れさせ、危機を乗り越えようとしています。

 

しかしこれは同時に、未曽有の財政赤字を残します。

 

ところが将来コロナ危機が終息し、その後「増税で財政赤字を減らす」という話になったとしても、これでは選挙に勝てませんので、政治的に不可能な話です。

 

結局、歴史が示すには、政府が国の経済をインフレ状況にし、借金の実質価値を減らすことになります。

 

このような流れが今後は不可避だと考えられるため、インフレに強い金を買うべきだ、ということなのです。

 

 

 

しかし今改めて振り返ってみますと、特にアメリカがトランプ政権になって以降、世界的にも相場的にも「おかしい」ことのオンパレードでした。

 

そして、この「おかしさ」は今なお継続しています。

 

 

以下に、思いつくままに、私が「おかしい」と感じたことを挙げてみます。

 

 

 

・2018年は、京都で観測史上初の1週間連続38度超え、福岡・山口でも観測史上1位の高温、アメリカのカルフォルニア州では50度超えがあり、台風21号では関西国際空港が大規模冠水し、大阪では史上初の震度6弱の地震、北海道では史上初の震度7の地震があり、全域停電となった。

 

 

・2018年の台風12号は「東から西に横断」するという、1951年の統計開始以降で初めての展開となった。

 

 

・2018年に起きた西日本豪雨は「100年に1回の異常事態」と言われ、北海道、長野、岐阜、京都、兵庫、岡山、広島、島根、山口、愛媛、高知、福岡、佐賀、宮崎、鹿児島などで大きな被害をもたらした。

 

 

・2019年1月には、アメリカのシカゴなどの一部地域(6州)で「気温が南極以下」と報じられ、氷点下30度を下回る異常事態となり、体感温度は氷点下46度とも報じられた。そうかと思えば、その週末は一気に春の陽気に戻ったと報じられた。

 

 

・2019年12月には、オーストラリアの南部ナラボーで最高気温が49.9度に達した。

 

 

・米中貿易戦争もなく、新型コロナウイルスの蔓延もなかった「オバマ前大統領の時代」でさえ2万ドルを切っていたNYダウが、2020年2月12日に29568ドルの過去最高値を付けた。

 

 

・売り上げがこの8年間で30億ドル(約3260億円)減少し、1株あたりの純利益もこの8年間で70%減少し、純資産もこの8年間で120億ドル(約1兆3040億円)減少したコカ・コーラの株価が、2020年の初めに過去最高値を付けた。そして同様のケースがアメリカには「数百企業」もある。

 

 

・「売り切れ、需要が史上最大を更新、6年連続で需要が供給を上回る」と報じられた銀が、2020年3月に、この10年間での最安値を付けた。

 

 

・「80」を超えると金融市場が「危険水域」にあるということで知られる「金銀レシオ(金価格÷銀価格)」が、あのリーマン・ショックの時でさえ「84」だったのが、先月一時「129.46」まで上昇した。歴史上ただの一度も付けたことのない「値」であり、人類史5000年の中で最高水準だと報じられた。

 

 

・アメリカの失業保険申請件数(通常は20~30万人/週)が、2週間で1000万人と過去最多となったのにもかかわらず、その報道を受けて、NYダウが暴騰した。

 

 

 

さてこうして振り返ってみますと、近年は地球全体では異常気象のオンパレード、相場については「インチキのオンパレードだった」と断定できるのではないかと思います。

 

 

特に近年の相場ついては、よく専門家達からは「深刻な病状の患者に根本的な治療を施さず、モルヒネを打ち続けているようなもの」と指摘されていますが、重要なのは「やがて、それも効かなくなったときに、何が起こるのか?」ということになります。

 

 

人の場合でしたら、それは「死」を意味するでしょう。

 

そして相場の場合でしたら、それは「強烈な逆回転」となるでしょう。

 

 

つまり、上昇を続けてきた株価は暴落に転じ、株高に歩調を合わせた円売りが出ていると報じられ、円安に進んできた為替は強烈な円高に転じるのではないでしょうか。

 

 

そして前述のように、国の財政赤字からインフレに至る流れを考えますと、金や銀の暴騰も必至だと考えられます。

 

 

このようなイメージを持って、臨むのがよいと思います。

 

 

引き続き頑張りましょう。