正当性

 

NYダウが上昇を続け、先週も史上最高値をつけました。

 

週末の金曜日は下がりましたが、それでも【4日間で上げ幅1100ドル超】だと報じられました。

 

 

 

株価上昇の理由については、報道で以下のような説明がなされていました。

 

 

 

 

 

・中国政府がアメリカからの輸入品にかけている報復関税の一部を引き下げると発表し、米中貿易協議の先行きに対する安心感が広がった

 

 

 

・新型コロナウイルスによる肺炎拡大への過度の警戒感が和らいだ

 

 

 

 

 

ここで、上記の株価上昇の理由について考えてみたいと思います。

 

 

 

まず、オバマ前大統領の時代は「米中貿易戦争」自体がありませんでした。

 

しかし株価は現在の29102ドルをはるかに下回っており、2万ドルを切っていました。

 

 

 

ところがトランプ大統領就任以降は「米中貿易戦争」が始まります。

 

「関税だ!」「報復関税だ!」といった「やり合い」が続いているわけです。

 

当然、世界経済にとってもマイナスです。

 

 

 

そのような中、今回の報道は「米中貿易戦争」における「報復関税の一部引き下げ」という話であって、「争いが緩和した」というレベルの話でしかない、と認識しておく必要があります。

 

 

 

このようなことを踏まえますと、はたして株価が史上最高値をつけたことに正当性があるのでしょうか?

 

 

 

またつい先日、アメリカは中国への渡航に関する警戒レベルを4段階で最も高い「渡航禁止」に引き上げ、緊急事態を宣言しました。

 

今回の株高は「新型コロナウイルスのワクチン開発を巡る報道」によって「過度の警戒感が和らいだ」という話でしたが、WHO(世界保健機関)はワクチン開発を巡る報道について「効果があるかは不明だ」との見解を示しました。

 

 

 

つまり「新型コロナウイルス」の影響はまだまだ先行き不透明と言えそうで、直近でも【新型肺炎なお重荷、影響長期化懸念】などの報道が続いています。

 

 

 

これについても、やはりこのような状況を踏まえますと、はたして株価が史上最高値をつけたことに正当性があるのでしょうか?

 

 

 

一方で今年に入り、「アメリカとイランの危機」も勃発しました。

 

これは現在、終息しているのでしょうか?

 

 

 

実はノルウェー政府が明かした最近の情報によると、「米軍は米兵3000人をイランとの戦闘に振り向けるようだ」とのことなのです。

 

 

 

しかもトランプ大統領は24日の一般教書演説で、イラン指導部に対し「テロの拡散をやめよ」という警告までしています。

 

 

 

したがって「アメリカとイランの危機」について、「終息」というよりも「一触即発」の方が実態に近いのではないかと思われるのです。

 

「危機はなお継続中」ということだと思います。

 

 

 

すると株価が史上最高値をつけたことについても、その正当性が「ますます怪しい」と言えそうです。

 

 

 

ところがニュースでは、そんな株高を理由として、【株高に歩調を合わせた円売りが出ている】と報じられ、円安に繋がっているのが実態なのです。

 

 

 

つまり、正当性のない株高が続き、その株高に影響を受ける為替相場、という構図が見えてくるわけです。

 

 

 

さてこのような中、世界三大投資家の一人であるジム・ロジャーズ氏は、常に「歴史に学べ」ということを主張しています。

 

 

 

そしてそんなジム・ロジャーズ氏が、昨今は「史上最大の金融危機が来る」と警鐘を鳴らし続けているわけです。

 

 

 

一方で、アメリカのウォール街でも「いつ、誰がバブル崩壊のトリガー(引金)を引くのか」などという会話が頻繁になされているといいます。

 

 

 

そのような中で、もしも仮に、今の「正当性のない値動き(流れ)」に追随したとしますと、短期的には利益が得られるかもしれません。

 

ただし株高・円安が続く限りは、ということです。

 

 

 

そのかわり、いざ「史上最大の金融危機」が勃発しますと、その時は甚大なダメージを被ることになると思います。

 

 

 

私はやはり、「おかしいものは、おかしい」という信念を持って、「史上最大の金融危機」を想定し、戦略を立てて臨む方が賢明ではないかと思っています。

 

 

 

そして「史上最大の金融危機」が勃発した際には、値動きの大幅な巻き戻し(株安・円高)が起こると予想できます。

 

 

 

このようなことを意識して取り組むのが正解だと思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。