現在「アメリカの孤立」という指摘が世界中からなされています。
先日イランの国民的英雄で、イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が米軍によって殺害されましたが、このことについて、アメリカのポンペオ国務長官が以下のような発言をしました。
「ソレイマニの殺害は、敵を阻止することを目的としたアメリカの新戦略である。それはイランだけでなく、中国やロシアにも当てはまる」
上記のように、イラン・中国・ロシアを敵に回すような発言をしたのです。
一方、アメリカはEUに対しても「輸入車に25%の追加関税」と警告しており、EUとの対立を強めています。
同様の対立をイギリスとの間でも強めています。
ちなみにアメリカは、イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドと機密情報を共有する「ファイブアイズ」という枠組みを形成しているのですが、先日イギリスのウォーレス国防相は「トランプ大統領が孤立主義的な外交を強めているため、イギリスはアメリカに代替する同盟国を探す必要がある」と述べました。
また先日、ウクライナ航空の旅客機がイランのホメイニ国際空港を離陸してから7分後に墜落、乗員乗客176人全員が死亡するという事件が起きましたが、この事件によってカナダ人63名が犠牲となりました。
この事件では、イランがミサイルの誤射であったことを認めましたが、カナダのトルドー首相は「元はと言えば米軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したことがきっかけであり、旅客機墜落事件の責任はアメリカにもある」と、アメリカを非難しました。
このようなわけで、現在は前述の「ファイブアイズ」の今後についても危ぶまれる状況となっているのです。
さらに、イラクのアブドゥルマフディ首相からも驚きの発言が相次ぎました。
その発言内容は以下のようなものでした。
・2003年のイラク戦争をきっかけに、イラクはアメリカに国内を破壊された。それにもかかわらず、「イラク国内のインフラと電力網の復興プロジェクトを完成してほしければ、イラクの石油権益の50%をよこせ」とアメリカに要求された。
・(上記のアメリカの要求に)納得がいかないので、イラクの復興プロジェクトは中国と契約することにした。ところがトランプ大統領から電話があり、中国との契約を中止するようにと言われた。
これを拒否したところ、トランプ大統領に「首相の座から引き下ろしてやる」と脅された。
・イラクで反政府デモと治安部隊の衝突があった。トランプ大統領から再び電話があり、「アメリカの要求を飲まないと、米海兵隊の狙撃手を配置し、デモ隊と治安部隊の両方を狙撃して、圧力をかけてやる」と脅された。
上記がイラクのアブドゥルマフディ首相の発言であり、おそらくすべて事実だと思います。
アメリカの行為やトランプ大統領の脅迫はまるで暴力団の様に思えます。
このように、世界中に敵を増やすような行為を繰り返しているアメリカですが、その最終目的は「ドル基軸通貨体制の維持ではないか?」と言われています。
実は現在、マイクロソフトの元コンサルタントであったクリフ・ハイ氏が始めたコンピューターによる未来予測プログラム「ウェブボット」では、ドルの暴落や国内の内乱が繰り返し予想されているのです。
その背景には、アメリカの社会問題があります。
トランプ大統領は「たった3年間で生活保護の受給者が1000万人も減少した」と主張していますが、この実態は財政赤字を理由に支給を大幅にカットした結果に過ぎません。
しかもトランプ大統領は富裕層に対する大幅減税を実施したため、国家の税収は減る一方となり、貧困層や中間層へのしわ寄せが拡大しているのが実態です。
そのような中、トランプ大統領誕生前には刑務所に収監されているアメリカ人が230万人だったのが、現在では300万人に急増しているそうです。
少年院や刑務所の維持費ばかりが増え続け、なんと大学教育費を上回ってしまったそうです。
そして、これだけ多くの自国民を刑務所に収容している国は歴史上初といいます。
このような「アメリカの孤立」や「アメリカの社会問題」について考えた時に、今後も「腐っても鯛」とばかりにドルが買われる状況も考えられますが、前述のように、未来予測プログラム「ウェブボット」ではドルの暴落や国内の内乱が繰り返し予想されています。
一方で「有事の金」とばかりに、昨年5月頃からは「金」がジリジリと上がり続けています。
そのような中、先日は【金融市場は「ねずみ講」も同然、いずれ崩壊へ】という報道や【IMF(国際通貨基金)トップ、世界大恐慌の再来を警告】という報道が相次ぎました。
しかも直近では、新型肺炎の感染拡大懸念から世界同時株安の様相も呈してきています。
したがって、このような全体像について考えますと、今後も「有事の金」や「有事の円」を意識して取り組むのが正解だと思います。
引き続き頑張りましょう。