2020年大胆予測

アメリカとイランの対立がいったん落ち着きを見せ、本日の日経新聞では【米・イラン、暴走リスク露呈】といった報道もありましたが、再び株高・円安の展開に戻っています。

 

 

しかし最近は多くの市場関係者から「異常な株高の演出」といった声が上がっており、今の相場展開に対して疑問が投げかけられています。

 

 

そのような中、デンマークのコペンハーゲンに本拠を置く世界的大手投資銀行「サクソバンク」が、毎年恒例の「2020年大胆予測」を発表しました。

 

 

これは「大胆予測」の名の通り、「高い確率でこのようになる!」というよりは「このようになる可能性がある」といった「予測」になります。

 

しかし「大胆予測」はもちろん「根拠」無しに予測されたものではありません。

 

背景には、きちんとした「根拠」のある「予測」となっています。

 

 

ちなみに以下が相場に関連する、サクソバンクの「2020年大胆予測」となります。

 

 

 

1、ヨーロッパ崩壊

 

 

2、ドル暴落

 

 

 

まず1の「ヨーロッパ崩壊」についてですが、サクソバンクの昨年の予測において「ドイツ経済の不況」というものがありました。

 

実際のところ、最近も【ドイツ経済が大失速】【ドイツ経済が停滞】【ドイツ経済が低迷】・・・・・といった報道が相次いでおり、これについては「サクソバンクの予測が現実になった」と評価されています。

 

EU経済をリードする「ドイツ経済の不況」は、「ヨーロッパ崩壊」の要因になり得ると考えられます。

 

 

そのような中、先週はイギリス議会下院がEU離脱関連法案を賛成多数で可決し、今月末のEU離脱が確実となりました。

 

 

ここでサクソバンクは、イギリスの次にEU離脱の可能性がある国として「ハンガリー」を挙げています。

 

今から約3年前、ハンガリーでは難民の締め出しが行われたことがあったのですが、これをきっかけにその後のハンガリーとEUの亀裂が深刻になっていると報じられており、「ハンガリーもイギリスに倣ってEU離脱を実行すべきだ」という勢力が台頭してきているようです。

 

 

イギリスやハンガリーのように、他のEU諸国にも「EU離脱」の勢力が存在する中、「いつまでEUの結束が維持できるのか?」という見方が出てきているようです。

 

 

一方、サクソバンクの予測では指摘されていませんでしたが、現在、フランスでは約50年ぶりといわれる大型のデモがエスカレートしています。

 

これは年金制度改革に反対するデモで、フランス全土で行われています。

 

フランス内務省の発表では、先週末の金曜日は【45万2000人が抗議デモに参加した】とのことです。

 

 

また報道によると【首都パリや複数の都市では、黒服の集団がショーウインドーやバス停を破壊したほか、一部のデモ参加者が道路の敷石をはがして警官隊に投げつけるなどしたため、緊張が高まり、警察はデモを解散させるため催涙ガスを使用した】とのことです。

 

 

サクソバンクの「ヨーロッパ崩壊」予測については、約1年前にも世界3大投資家の一人であるジョージ・ソロス氏が【目を覚ませ! そうでなければ、EUはソ連のように崩壊する】と警告していますが、いずれにせよ、私は十分に注意を払った方がよい予測ではないかと思っています。

 

 

 

次に2の「ドル暴落」については、サクソバンクはアメリカ大統領選挙で「初の女性大統領誕生」=「エリザベス・ウォーレン大統領誕生」の波乱があるかもしれない、と予測しています。

 

 

エリザベス・ウォーレン氏は不公平な富の分配について明確で説得力あるメッセージを打ち出しており、現在多くのミレニアル世代や主婦層の支持を集めているようです。

 

 

世間では未だに「トランプ大統領再選」の見方が強いと思いますが、もしも「エリザベス・ウォーレン大統領誕生」の波乱があれば、「ドル暴落」に繋がりかねない、というわけです。

 

 

また世界各国へ常に経済制裁を繰り返すアメリカに対抗して、【ドルの代替通貨として金(ゴールド)の存在感が高まっている】という報道もあります。

 

実際のところ、2019年の世界の中央銀行の金購入量も1971年以降で最高ペースとなっているようです。

 

 

サクソバンクは「ドル暴落」が現実となった際には、「金はドルに対して30%強くなる」と予測しています。

 

これは、現在1540ドル近辺で推移している金が2000ドル近辺まで上昇することを意味します。

 

 

 

さて、上記のような「サクソバンクの2020年大胆予測」ですが、前述のように予測には「根拠」があります。

 

そして「根拠」がある以上、無視するよりも注意を払った方がいいと思います。

 

 

先日の「アメリカとイランの対立」では、マーケットは「株の下落」「金の上昇」「円の上昇」で反応しました。

 

「有事の金」や「有事の円」となった形でした。

 

 

したがって「サクソバンクの2020年大胆予測」の「根拠」も念頭に置きますと、私は引き続き、今後の投資戦略も「株の下落」「金の上昇」「円の上昇」を念頭に置くのが良いと思っています。

 

 

ひとつ参考にしていただけたら幸いです。