対策

先週の金曜日、朝たまたまテレビを観ていたら、緊急速報の音が鳴り、テレビ画面上部に【JNN緊急ニュース速報】の文字が出ました。

 

 

「いったい何があったのだろう?」と思ったところ、【大企業製造業景況感、4期連続悪化】というニュース速報でした。

 

 

「緊急ニュース速報で流すくらい、製造業の景況感が悪いということか?」などと思いましたが、その後東京証券取引所が開くと、【日経平均500円超高】という展開となりました。

 

 

まるで【大企業製造業景況感、4期連続悪化】を無視したかのような相場展開でしたが、これについてはイギリスの選挙に関して、与党保守党が過半数を確保するとの内容が伝わったことや、米中通商交渉の「第1段階」の合意が近いと伝わったことが理由として説明されていました。

 

 

しかし私の感想を一言で言うと、「狂っているな」という感想です。

 

 

例えばこの数カ月、米国株は史上最高値の更新を続け、日経平均も年初来高値の更新を続け、為替に関してはポンドがひたすら買われる展開が続いています。

 

 

しかし、私は【マーケットが何も問題無いような反応をしていることが大問題!】と思っています。

 

 

その理由を挙げれば本当にキリがないくらいたくさんあるのですが、例えば株高については【世界の9割で景気減速なのに、株高?】や【1株あたりの純利益が70%減少し、純資産が1兆3160億円減少している会社の株が過去最高値を更新?】といったように、「狂っているな」という感想を抱き続けています。

 

 

そしてポンド高については、再度以下のような事実があることを把握する必要があると思います。

 

 

 

・2016年6月23日は、イギリスのEU離脱決定によって、ポンドが31年ぶりの大暴落となった。今回の選挙で過半数を確保した与党保守党が公約に掲げているのも「イギリスのEU離脱実現」である。

 

 

・日本が対外純資産342兆円で世界一なのに対して、イギリスは対外純資産で26兆円の「負債」であり、先月格付け会社ムーディズは、イギリスの格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げた。

 

 

・イギリス企業の約3割が、イギリスのEU離脱で海外移転を検討し、275社以上の金融機関が130兆円超の資産・資金をイギリス国外に移管すると報じられ、日本のホンダはイギリス工場を閉鎖し、日産もイギリス工場での生産計画を撤回し、トヨタ自動車もイギリスのEU離脱の翌日に工場を停止することを決定し、ソニーとパナソニックは欧州での本社機能をイギリスからオランダに移すと報じられた。

 

 

・イギリスのEU離脱実現に際して、スコットランドではイギリスからの独立問題が再燃し、北アイルランドでもイギリスからの独立問題が再燃している。

 

 

・2005年7月に起きたロンドン同時多発テロ事件以降、イギリスではテロ事件が相次いで起きており、イギリス当局がテロリスト監視リストに入れている人物は3,000人いると言われている。

 

 

 

さて、上記のような事実があることを把握すれば、ポンドがひたすら買われる展開が続く現状が、株高同様に「狂っているな」という判断に至ります。

 

 

そのような中、現在の「世界」には以下のような事実があることも押さえておくべきです。

 

 

 

・アメリカでは住宅ローン残高がリーマン・ショック時を超えて過去最高に達している。

 

 

・日米欧の自動車大手が7万人削減と報じられた。

 

 

・世界の各銀行が年初から発表した人員削減が7万3000人を超えた。

 

 

・フランスで年金制度改革案に反対する全国ストライキが拡大し(80万人以上の労働者が参加)、高速鉄道TGVの9割が運休し、エールフランス航空が運航を取りやめ、学校が閉鎖し、パリへの道路が500キロを超える渋滞になったと報じられた。

 

 

・香港で再び80万人が参加する大規模デモが行われた。

 

 

 

やはり、このような事実を把握すればするほど、現状の相場展開が「狂っているな」という判断にならざるを得ないと思います。

 

 

いつ相場の大幅修正が起きてもおかしくないと感じますが、今は壮大な「ババ抜きゲーム」を見ているかのようです。

 

 

このような相場に対して、対策は以下の3つが考えられます。

 

 

 

1、「ババ抜きゲーム」と自覚した上で、しっかりと今の流れに乗っていく

 

 

2、「ババ抜きゲーム」と自覚した上で、ポジション量に十分留意して、今の流れに乗っていく

 

 

3、「ババ抜きゲーム」と自覚した上で、相場の大幅修正がくるのを待つ

 

 

 

個人的には、2もしくは3を選択すべきだと感じます。

 

1については、「いざ相場の大幅修正がやってきたら、ダメージが甚大になる」と考えます。

 

 

いずれにせよ、前述のような、たくさんの「事実」をしっかりと把握して、「ババ抜きゲーム」になっていることを自覚しながら現在の相場に向き合っていくことが大事だと思います。

 

 

引き続き頑張りましょう。