結末

 

少し前に【外為市場の「ベタなぎ」長期化で専門ファンド閉鎖続出】と報じられましたが、「ベタなぎ」(風が吹かず、海面に波がないことを意味する言葉で、要するに為替市場が全然動いていない)が長期化しています。

 

 

 

私の知人で、著名なトレーダーも「本当に動かない」「閑散としている」と、同様のことを言っていました。

 

 

 

一昔前の「普通」からすると、考えられないくらいに為替相場が動いていません。

 

 

 

しかしニュース等を冷静に分析すればするほど、これまでのコラムでもお伝えしてきたように、株は下落し、「有事の円」や「有事の金」ということで、円高、金高になっていく方が自然だという結論に至ります。

 

 

 

さて最近、私は2017年にテレビドラマ化された「アキラとあきら」を観ました。

 

ベストセラー作家の池井戸潤さんによる経済小説がテレビドラマ化されたもので、ATP賞テレビグランプリ(優れたテレビ番組を顕彰する賞)を受賞した作品でもあります。

 

小説の方も非常に高い評価を受けています。

 

 

 

「アキラとあきら」では、日本のバブル経済とその崩壊の様子が描かれています。

 

バブル期の社会を覆っていた熱のようなもの、どこか浮かれた感じの雰囲気、その中でも「いつかは終わる」と冷静に見ている人もいれば、「いやいや、まだまだ」と突っ走る人もいて、そのような中で「バブル崩壊」に至る様子が見事に描かれています。

 

 

 

私はドラマを観ながら、「今とそっくりだな」と思う一方で、「今の方がより悪質だな」と思いました。

 

 

 

なぜなら今の相場は、社会を覆っている熱のようなものさえ無い状態にも関わらず、ひたすら「根拠なき株高」のみが続いているからです。

 

 

 

では、はたして今のような「根拠なき株高」の結末はどのようになっていくのでしょうか?

 

 

 

ここで、少し前にブルームバーグで以下のような興味深いニュースが報じられました。

 

 

 

【金価格は約3倍も、NY市場で行使価格4000ドルのオプション大口取引】

 

 

 

 

 

上記のニュースを簡単に解説しますと、20216月(約1年半後)には、金価格が4000ドルを超えると予想する大口の買い手がいて、その大口の買い手は「予想に相当な自信を持って」オプションの大口取引を行ったということになります。

 

 

 

ちなみに、金価格は過去最高値で1923.7ドルです。

 

したがって、金価格が4000ドルを超えるということは、過去最高値の2倍を超えることを意味します。

 

 

 

現在「根拠なき株高」については方々で指摘されていますが、その結末を考えた時に、少なくとも上記の「大口の買い手」は「金価格の急騰」を予想しているということになります。

 

 

 

そのような中、金(Gold)については、10数年前に出版された本「GOLD WARS」が今再び注目を集めています。

 

著者のフェルディナンド・リップス氏は、ロスチャイルド家(ヨーロッパの財閥)の金庫番とまで言われた人物で、すでに亡くなってしまいましたが、「遺言」として書いた本が「GOLD WARS」なのです。

 

 

 

GOLD WARS」では以下のようなことが書かれています。

 

 

 

 

 

・各国の政府や中央銀行は、自国の通貨の実質的価値が下落していることが露見するのを防ぐために、金の価格を操作している

 

 

 

・金は普遍的に貴金属とされ、様々な文明がその価値を認めていて、聖書で最初に言及される金属も金と銀である

 

 

 

・金ならびに銀は、何千年にもわたる人類の経験によって規定されてきており、聖書の時代から我々に伝えられた真の貨幣金属である

 

 

 

・金本位制離脱(1971年のニクソン・ショック)以来、アメリカは「アンチ金政策」を実施している

 

 

 

・あまりに長く危機の中にいると、自分たちが危機の中にいることが分からなくなる、つまり、不気味で愚鈍な楽観主義に気をつけなければならない

 

 

 

・金の価格操作に反対するGATAGold Anti-Trust Action Committee)が設立されたが、彼らが金価格操作を行った疑いがあるとして絶えず非難していた者に、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、ドイツ銀行などがある

 

 

 

・フランスの元大統領のシャルル・ド・ゴールは「ある特定の国に支配されることのない、確固たる基盤にふさわしい通貨は金以外、ありえない」と言った

 

 

 

・必ず経済的な大惨事が訪れる

 

 

 

・金価格は月に届くほどに上昇する

 

 

 

 

 

上記が、ロスチャイルド家の金庫番とまで言われたフェルディナンド・リップス氏の「遺言」なのです。

 

 

 

そして、世界がフェルディナンド・リップス氏の「遺言」通りとなるならば、上記のように、金価格が今後4000ドルを超える展開になるのもあり得る話です。

 

 

 

いずれにせよ、「根拠なき株高」が続く中、「その結末」をしっかりと想像しておくことが大事だと思います。

 

 

 

「その結末」は、「金の急騰」や「円の急騰」になるのではないでしょうか。

 

 

 

そのようなことを日々意識しながら、取り組んでいきましょう。