香港情勢

 

・香港株が下落、人民元も安い-米中に対立拡大の兆し

 

 

 

・日本株は大幅安、香港情勢巡り米中協議の行方を不安視-全業種安い

 

 

 

・ドル・円が1週間ぶり安値、米香港法案の成立見通し受け-円は全面高

 

 

 

・NYダウ、続落=香港巡る米中対立に懸念

 

 

 

 

 

上記のように「香港情勢」を巡って、相場にも影響が出てきました。

 

 

 

ウォール・ストリート・ジャーナルでは【香港は革命にかじを切った】と報じられています。

 

BBCニュースでも【香港は「法の支配が崩壊寸前」衝突激化で警察が警告】と報じられています。

 

 

 

香港デモでは、学生やデモ参加者たちが「人権と民主主義の確立」求めて抗議しています。

 

それはつまり「中国共産党からの独立」を求めているということです。

 

 

 

しかし中国政府は「あくまでも香港は中国のものだ」というスタンスです。

 

 

 

その結果、現在香港ではデモ隊と警察との衝突が激化しており、催涙弾やレンガなどが飛び交う「市街戦」になっていると報じられています。

 

地下鉄や商店街も破壊されるなど、被害は深刻だそうです。

 

また香港からは現状を知らせる無数の投稿がインターネットで世界に伝播し、その様子に世界は衝撃を受けています。

 

 

 

さらに香港には中国本土から人民解放軍が入り、特殊部隊が配備されたことも判明し、現在波紋が広がっています。

 

 

 

そのような中、今からちょうど30年前には、中国では「天安門事件」がありました。

 

この時も「人権と民主主義の確立」を求めてデモが起こったわけですが、中国政府はデモ鎮圧のために軍隊を動員し、さらに無差別に発砲し、強引にデモを鎮圧しました。

 

 

 

中国政府は天安門事件で「学生や軍を合わせて死者は319人」と発表しましたが、日本では読売新聞が「死者3000人以上」、毎日新聞が「死者2600人かそれ以上」、朝日新聞が「死者2000人、負傷者5000人以上」と報道していたようで、おそらく日本での報道の方が実態に近いと思います。

 

 

 

そして、そのような「天安門事件の再来だ」と言われているのが、今回の香港デモなのです。

 

 

 

そのような中、アメリカの議会上院は、香港での人権と民主主義の確立を支援する法案を全会一致で可決しました。

 

この法案は、香港に高度な自治を認めた一国二制度が中国政府によって損なわれていないか検証し、抑圧に関わった中国の当局者への制裁を可能にする内容となっています。

 

 

 

それに対し、「あくまでも香港は中国のものだ」と主張する中国政府は「内政干渉であり、受け入れられない」と強く批判しています。

 

さらに、「アメリカが自分勝手に物事を決めれば中国は必ず強力な報復措置をとる」と述べています。

 

 

 

習近平国家主席も「如何なる外部勢力も、香港に干渉することを許さない」「その決意が揺らぐことは絶対にない」と警告しています。

 

さらに先日のウォール・ストリート・ジャーナルでは、【習近平国家主席が香港デモを断固として鎮圧するよう要求したことで、香港政府が実力行使を強め、過激さを増すデモ隊との消耗戦にますます入り込んでいる】と報じられました。

 

 

 

先週のコラムでもお伝えしましたが、やはりキッシンジャー氏の言うように、【米中の対立は避けられない。そして破局的結果を招くだろう】というのが真相に近いのではないでしょうか。

 

 

 

実際に、香港情勢が相場に影響を与えていることを考えましても、今後はさらに大きな衝撃が相場に走ってもおかしくありません。

 

 

 

そして、香港情勢以外にも「気になるニュース」が入っています。

 

 

 

アメリカでは、昨年ゼロだった小型銀行の破綻が、今年10月には3行破綻したそうです。

 

リーマン・ショック前にも似た様相です。

 

さらに、なぜか日本は今年9月に過去最大の米国債売却を行っていることも明らかになっています。

 

 

 

またトランプ大統領はパウエルFRB議長と会談し、現在の「ドル高」について言及したといいます。

 

そしてトランプ大統領が以前から求めているのは「ドル安」です。

 

 

 

一方イギリスでは、与党「保守党」候補者がジョンソン首相のEU離脱合意案を支持することを誓約しました。

 

そして世論調査では、与党「保守党」の単独過半数の可能性が広がっていると報じられています。

 

また【第1週の政治献金はジョンソン首相の「保守党」が労働党の26倍】とも報じられています。

 

その結果、ジョンソン首相が再表明した「年明け1月末までに離脱する」という話がかなり現実味を帯びてきました。

 

 

 

つまり全体像として、香港は情勢が悪化し、アメリカは「小型銀行の相次ぐ破綻」「日本の過去最大の米国債売却」「トランプ大統領のドル安志向」といった状態で、イギリスは年明け1月末までの離脱が現実味を帯びてきているわけです。

 

 

 

すると、やはり「有事の円」ということで、今後は円高を想定しておいた方がいいと考えられます。

 

 

 

このような全体像を再度しっかりと認識して、引き続き取り組んでいきましょう。