ちぐはぐ

 

為替相場はほとんど動いていませんが、地味に円安が進み、株式相場は上昇を続けています。

 

ダウは過去最高値を更新し、S&Pとナスダックも過去最高値を更新しました。

 

 

 

しかし、以下のようなニュースがある中での円安、株高です。

 

 

 

 

 

・トランプ大統領、弾劾裁判はほぼ不可避か―米下院の決議案可決で

 

 

 

・米政府の債務残高が23兆ドル(約2500兆円)を超え、過去最高を更新

 

 

 

・中国、トランプ大統領との長期的貿易合意の実現性に疑念―関係者

 

 

 

・米ISM製造業景気指数が、好不況の分かれ目の503カ月連続で下回る

 

 

 

 

 

普通に考えれば、上記のようなニュースが入ってきている中での円安、株高は不自然ですが、これを正当化する理由として、10月米雇用統計が市場予想を上回ったことが「きっかけ」だと説明されています。

 

 

 

しかし以前から方々で言われていることですが、「アメリカの雇用統計は怪しい」という話があります。

 

 

 

その理由ですが、アメリカの場合、失業者としてカウントされるのは過去4週間以内に仕事を探していた人のみで、職探しを諦めた人や、何らかの事情で求職活動が出来なかった人、過去4週間より前の求職活動の結果を待っている人々などは失業者に含まれないからです。

 

さらに、1週間のうちに1時間でも働いていれば失業者としてカウントされない仕組みとなっているからです。

 

 

 

そのような中、実際のところはどうなのかといいますと、アメリカ現地で何十年とビジネスをやっているある日本人の方は「かつてないほどアメリカの景気は悪い」と言っています。

 

 

 

少し前に、「世界の9割で景気減速」と、IMF(国際通貨基金)のチーフエコノミストが警鐘を鳴らしていると報じられましたが、やはりこちらの方が実態に近いのではないでしょうか。

 

 

 

このように、近年は、特にトランプ大統領誕生以降は、「ニュース」や「実態」と「相場の値動き」が「ちぐはぐ」である状態が続いています。

 

 

 

そのような中、先々の相場をどう見通せばよいのでしょうか?

 

 

 

参考となるのが、先週発売された副島隆彦さんの新刊本「米中激突恐慌」(祥伝社)です。

 

 

 

副島隆彦さんについては、過去のコラムでもご紹介したことがありますが、「リーマン・ブラザーズが破綻する」と本に書いたら、2週間後にリーマン・ショックが起こり、「次の大統領はトランプで決まり!」と米大統領選の「半年前」に公言して「当てた」ことなどによって、世間で一目置かれている方です。

 

 

 

そのような副島さんが、新刊本で以下のような大事なことを述べています。

 

 

 

 

 

2018121日に事件があった。アメリカの名門スタンフォード大学の、物理学教授の張首晟(ちょうしゅせい)が大学で飛び降り自殺した。張首晟は、ノーベル物理学賞の有力な候補で、「量子スピンホール効果」という理論を研究している学者だ。ハイテクIT戦争の、次の段階は、量子コンピュータの開発が勝負を決する、と言われている。それは5Gの次の6Gの、さらに次の7Gでの競争であるらしい。

 

張首晟は、アメリカ中の大学で先端の研究をしている若手「中国人学者1000人委員会」のリーダーであった。アメリカで学んだ秀才たちをどんどん中国に帰して、各々の細かい最先端の技術を、直ちに生産に応用させようという「中国製造2025」戦略の要石の人物だった。彼を死に追い詰めたのは、米軍産複合体であろう。

 

私たちの見えないところで、米と中の間では、生きるか死ぬかの激しい闘いをやっている。

 

 

 

 

 

上記のように、そして副島さんの新刊本「米中激突恐慌」のタイトルのように、米中については、一時的な「合意のニュース」に惑わされず、真実を見極めるようにした方がいいと思います。

 

水面下では、もっと激しい闘いをやっているということなのです。

 

 

 

そのような中、副島さんが先々の相場をどう見通しているのかと言いますと、「ドイツ銀行」の破綻も含めて、新刊本で以下のように述べています。

 

 

 

 

 

この本を書き上げた直後(930日)、私はヨーロッパから情報をもらった。名門ドイツ銀行(ヨーロッパ最大の民間銀行)が破綻する。ヨーロッパに金融危機が起きる。日本円は、激しく円高になる。1ドル=100円を割って80円、60円台になるだろう。

 

 

 

株価は、NYでも日本でも、最高値を更新しつつあるように見えた。だが、もうすぐ暴落が起きる。いくら上がっていると言っても、ジェットコースターと同じで、急降下する。この動きを2カ月周期で繰り返す。今の世界の金融市場は、きわめて不安定である。

 

 

 

 

 

副島さんは上記以外にも、「こんなときこそ金(ゴールド)を握りしめなさい」と、金(ゴールド)も推奨しています。

 

 

 

このあたりの相場観は、私も同じ相場観です。

 

 

 

また以前のコラムでもお伝えしましたが、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社「バークシャー・ハサウェイ」の手元現金が「約12兆円」に達しており、明らかに今後の暴落に備えた動きだと思われるという情報もあります。

 

 

 

そのような中、実は一昨日も同様の報道があり、現在バフェット氏の「バークシャー・ハサウェイ」の手元現金が過去最高の「約14兆円」に達しているそうです。

 

以前の報道以上に手元現金が増えたわけです。

 

 

 

したがって、現在の相場は、前述のように「ニュース」や「実態」と「相場の値動き」が「ちぐはぐ」である状態が続いていますが、この「ちぐはぐ」に振り回されないように注意した方が良いでしょう。

 

 

 

その上で、株の暴落に備え、円高や金高の相場観を持って臨むのが賢明だと思われます。

 

 

 

これらの話をひとつ参考にしていただけたら幸いです。