捜査

 

「ロシア疑惑」を覚えているでしょうか?

 

 

 

2016年のアメリカ大統領選挙にロシアが介入して、トランプ氏が勝つように工作をしたのではないかという疑惑です。

 

 

 

この疑惑に対して、トランプ大統領は初期段階の疑惑捜査を担当したコミー前FBI長官を20175月に解任し、201811月にはジェフ・セッションズ前司法長官を解任しました。

 

 

 

そのため、「トランプ大統領が捜査妨害をした」と方々から言われていたのですが、当然ながらトランプ大統領は「捜査妨害はしていない」と否定していました。

 

 

 

その後、トランプ大統領は前述のジェフ・セッションズ前司法長官の後任にウィリアム・バー氏を指名し、現在はウィリアム・バー氏が司法長官となっています。

 

ウィリアム・バー氏は「トランプ支持者」「トランプ護衛官」などと言われています。

 

要するに、トランプ大統領は自らの息がかかった人物を司法長官に指名したわけです。

 

 

 

ちなみに、前述のコミー前FBI長官の後任にはクリストファー・レイ氏を指名し、こちらもウィリアム・バー氏と同様にトランプ大統領の息がかかった人物だと言われています。

 

 

 

そのような中、非常に興味深いニュースが入ってきました。

 

 

 

これはブルームバーグでも報じられましたが、以下のようなニュースです。

 

 

 

【米司法省、JPモルガンのトレーダーらを訴追-貴金属市場で不正操作】

 

 

 

 

 

上記のようなニュースは、これまでにも度々ありましたが、米司法省は最近、JPモルガンなど大手金融機関による金・銀相場の不正操作について捜査を進めているようです。

 

 

 

しかし以前のコラムでも何度かお伝えしたように、アメリカでは既にJPモルガンに対して金・銀相場の不正操作の訴訟が起こされており、この時JPモルガンは「弊社はアメリカ政府の代理として価格操作をしただけ」との申立弁明をして、無罪放免となっていました。

 

 

 

アメリカ政府には「命綱のドルを防衛する」という目的があって、ドルのライバルとなり得る「金(ゴールド)を下落させたい」という思惑があり、そのためにアメリカ政府とJPモルガンが「組んで」いた、ということでした。

 

 

 

ところが「無罪放免」ということで、いったんは決着がついたかに見えたこれらの「不正操作」が、ウィリアム・バー司法長官の下で再度ほじくり返されているようです。

 

 

 

上記のブルームバーグのニュースでは、「不正操作は8年間に及び、違法なトレーディングは数千件に上る」と報じられていました。

 

 

 

私も以前から「金・銀相場は間違いなくインチキが行われている」と確信していましたので、今再び「不正操作」がほじくり返され、捜査されていることは良いことだと思っています。

 

「今後は不正操作がやりにくくなるのではないか?」と思うからです。

 

 

 

そして今は再び捜査される側となったJPモルガンについては、7月には「自社の決算報告で、ドルの時代は終わりを迎えつつあると警告した」「ドルの下落が生じるのは、もう時間の問題である」「他の通貨や貴金属を優遇することを助言する」等と発言した、と報じられていました。

 

 

 

一方でこれとほぼ同時期に、トランプ大統領は「FRB(連邦準備制度理事会)の理事にジュディ・シェルトン氏を指名する」と発表しました。

 

そんなジュディ・シェルトン氏は金本位制論者であることが広く知られており、「金の保有量に応じて通貨供給量の上限を決めよう」という主張を繰り返しています。

 

 

 

そのような中、肝心のトランプ大統領については、以前から「ドル安志向」であることが知られています。

 

「輸出に有利になる」という理由からのようです。

 

 

 

そして先週のコラムでもお伝えしましたが、地政学的リスクの高まりを理由として、米金融大手のシティ・グループは直近のレポートで「金価格は今後2年で2000ドルを突破し、史上最高値を突破する」との予想を発表しています。

 

 

 

つまり、これら「全体像」を考察しますと、今後はかなり高い確率で金・銀相場が上昇するのではないかと思われるわけです。

 

 

 

また金・銀相場が上昇する場面というのは、昔から「有事が進行する」場面でもあります。

 

 

 

現在の世界はそれこそ有事の「火種」が至る所にありますし、前述のJPモルガンの「他の通貨や貴金属を優遇することを助言する」等の発言からも想像できますが、当面は円相場の上昇や金・銀相場の上昇をイメージして取り組むのが良いのではないかと思います。

 

 

 

引き続き、頑張っていきましょう。