二転三転

 

2008年当時(リーマン・ショック)はクレージーだったとよく話したものだが、今の方がはるかに異様だ」

 

 

 

「毎日のように実感する予測不能という問題は、当時の比ではない」

 

 

 

「トランプ大統領はこれまで誰も考えつかなかった前代未聞のやり方で大惨事を引き起こす」

 

 

 

 

 

上記はウォール街で語られているもので、最近のブルームバーグは【言葉を失うウォール街、金融危機より「異様」なトランプ・マーケット】と報じました。

 

 

 

私も全く同感で、「トランプ以前」と「トランプ以後」というくらい、トランプ大統領誕生以降はマーケットが変質してしまったと思っています。

 

 

 

例えば先々週のコラムでもお伝えしましたが、トランプ大統領の発言が頻繁に二転三転することでマーケットが混乱しているように思います。

 

 

 

32兆円相当の中国製品に10%の追加関税を課す。91日に発動する」

 

 

 

「制裁関税について、特定品目の発動を1215日に先送りする。先送りするのは、クリスマスシーズンのためにやる」

 

 

 

 

 

上記のような感じで、それこそ「二転三転」が頻繁にあるわけですが、最近も以下のような「二転三転」がありました。

 

 

 

「中国には何十年もの間に何兆ドルもバカみたいに搾取されている」「我々は、中国は要らない」

 

 

 

「これまでにないほど中国とは上手くいっている」「中国との交渉をまとめてヒーローになるかもしれない」

 

 

 

 

 

このような調子が続く中、トランプ大統領の発言があまりにも「二転三転」し過ぎるということで、中国では「トランプ大統領が信用できない」という声が大きくなっているようです。

 

そして前述の報道に加えて、最近のブルームバーグは【中国、トランプ氏信用できないと判断か―最悪の展開に準備】とも報じました。

 

 

 

まさに、今は「トランプリスク」真っただ中と言えます。

 

 

 

さらに「トランプリスク」といえば、最近は「非常事態宣言」に関する報道も増えてきています。

 

 

 

「非常事態宣言」に関する内容としては、「アメリカ企業を中国から撤退させる」「中国への投資を禁止する」「中国との取引を禁止する」「ドル安介入を始める」といったような報道が増えてきています。

 

 

 

つまりこれらの報道を意識して、現在マーケットの警戒感は高まっていると考えられます。

 

 

 

そのような中、826日に終えたG7サミット(主要7カ国首脳会議)が、歴史上初めて「首脳宣言見送り」という結果になりました。

 

「各国の意見の隔たりがあまりにも大きい」というのが理由です。

 

 

 

したがってニューヨーク・タイムズでも報じられましたが、「各国の協調体制を望むことができないので、次に起こる金融危機はリーマン・ショック以上に激しいものになるだろう」と考えられます。

 

 

 

一方で、「マイナス金利」に関する報道も増えています。

 

 

 

日本とEUはすでにマイナス金利ですが、ついにデンマークのユスケ銀行では「住宅ローンを借りると金利がもらえる」という「訳の分からない」状態にまでなりました。

 

 

 

このように、今は世界全体が「おかしく」なっているようです。

 

 

 

ドイツの景況感は8年ぶりの低水準ですし、イギリスではボリス・ジョンソン首相が「EUから1031日までに必ず離脱する」と確約し、そのために10月半ばまで議会が閉会されることが決まりました。

 

ちなみにイギリスのEU離脱の翌日に、トヨタ自動車は工場を停止することを決定しました。

 

 

 

このような状況ですので、今後も、例えばトランプ大統領の「二転三転」などによって相場が上下することは十分考えられますが、やはり今の世界について考えますと、「有事の円」「有事の金・銀」ということで、これらの「買い」を基本戦略として取り組むのが良いように思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。