AIが運用する投資信託15本が全てマイナスになったと報じられました。
さらに「万能なはずのAIが苦戦」とも報じられました。
やはりAIといっても「AI対AI」というのが実態で、勝つAIもあれば負けるAIもあるということです。
これまで散々AIを駆使してきた投資家の多くも「AI競争はキリがない」ということで、「AIに勝つにはAIを無視する」という結論に達し、例えば為替の場合ですと、国の経済状態がどうなのか、国家を取り巻く環境がどうなのか、といったような「ファンダメンタルズ」にしっかり向き合う基本に戻ろうという流れになってきています。
私達個人投資家も、やはり「ファンダメンタルズ」にしっかり向き合う基本に忠実な姿勢で取り組むのが良いだろうと思います。
そのような中、国内ではトヨタ自動車が前期比で3%の営業減益になると発表しました。
その上で、当初「1ドル=110円」と想定していた為替レートを「1ドル=106円」に修正しました。
しかし現状は1ドル=105円台で推移していますので、私個人的には「1ドル=106円でも修正が足りないのではないだろうか?」と思っています。
さて大きな流れで考えた時に、トランプ大統領は最初から「貿易収支を均衡させる」と言っています。
そして、貿易収支を均衡させる上で無視できないのが「為替」です。
だからこそ、今回トランプ政権は中国を「為替操作国」に認定したわけです。
「為替操作国」に認定されたということは、今後中国が是正措置を講じなければ、さらなる高関税などの制裁が科されるということになります。
一方で、日本も要注意です。
「為替操作国」の認定条件は3項目あるのですが、日本は3項目のうち2項目に抵触していますので、現在「監視国」に認定されています。
したがって、今後もしも日本が円高を懸念するという理由で為替介入でもするならば、トランプ大統領に激しく攻撃されることが予想されますので、うかつに為替介入もできないだろうと思います。
すると、やはりトレンドは円高にならざるを得ないと思います。
さらに日本経済新聞も以下のように報じています。
「実際、8月に入ってからの相場を見ると、ドルだけでなくユーロ、英ポンド、中国人民元、インドルピー、豪ドルなど主な通貨に対して軒並み円が上昇している。8月初めに1ユーロ=120円台だった対ユーロ相場は、今は118円台だ」
そして記事では「世界の不安が招く(円の)独歩高」と結論付けていました。
「有事の円」ということです。
さらに「世界の不安」という観点でいえば、最近は韓国の通貨ウォンの暴落が大きく取り上げられています。
韓国の主要な上場企業の上半期の営業利益は前年と比べて約40%落ち込み、格付け会社は韓国企業の大量格下げを警告しており、韓国全体の格下げを招く状況となっています。
その上で、外資の韓国離れも進んでいますので、最近の通貨ウォンの暴落へと繋がっているのです。
このような中、通貨ウォンに関しては、実は少し前にゴールドマン・サックスが「1ドル=1220ウォンになる」と予想していました。
そして先週、ゴールドマン・サックスの予想通りに「1ドル=1220ウォン」を突破することとなりました。
通貨ウォンの暴落です。
一方で、ゴールドマン・サックスは「1ドル=103円」「1ユーロ=1.08ドル」「1ユーロ=111円」といった予想も出してきています。
しかもこれらの予想は「向こう3カ月で」とのことだそうで、もしも予想通りの展開になるのであれば、直近でも円の急騰が繰り返し起きてもおかしくないだろうと考えられます。
イギリスの新首相も「イギリスのトランプ」と言われるジョンソン氏ですし、通貨ポンドについても、市場では弱気が支配しています。
香港で、デモによって空港が閉鎖された件についても、本日再開されましたが、状況は依然として不安定です。
したがって前述のように、「世界の不安が招く独歩高」ということで、円高トレンドがまだしばらく続きそうだと思います。
引き続き頑張っていきましょう。