ワイルドカード

 

先週末、昨日と続いて、米国株式市場は主要3指数(ダウ平均、S&P総合500種、ナスダック)が史上最高値を更新しました。

 

 

 

しかしこの先の展開を考えますと、やはり「株安、円高、金高」になっていくだろうと思います。

 

 

 

まず株安については、著名投資家のウォーレン・バフェット氏の動きからもそのように予想できます。

 

 

 

ウォーレン・バフェット氏といえば「株が暴落する前に売り、株が暴落すると買う」という「究極の逆張り投資家」として知られていますが、バフェット氏が率いる投資会社「バークシャー・ハサウェイ」は、現在手元の現金が過去最高の「約12兆円」に達しているそうです。

 

明らかに今後の暴落に備えた動きだと思います。

 

 

 

そして、もう一人の著名投資家のジム・ロジャーズ氏も「次の弱気市場に備えよ、酷いことになりそうだ」と言い、警鐘を鳴らしています。

 

 

 

一方で、米大手金融機関のJPモルガンはテクノロジー競争に数千億円を費やし、AIの活用に力を入れていると報じられていますが、1カ月先、3カ月先、6カ月先のそれぞれの予測において、的中率が7589%に達しているそうです。

 

そして、そのようなJPモルガンのAIモデル予測が、来月の米株については「下落」と予想しているそうです。

 

要警戒です。

 

 

 

そのような中、アメリカの国家債務は史上初めて22兆ドル(約2400兆円)の大台を上回り、デフォルト(債務不履行)に陥る「Xデー」が9月に来ると、専門家らが予測しているとも報じられています。

 

 

 

先週のコラムでもお伝えしたように、ブルームバーグが「何でもありの市場に警戒を」と報じましたが、やはり現在の株高は「まともでない」と思います。

 

 

 

そして「まともでない」といえば、最近の異様に動かない「為替相場」も同様だと思います。

 

 

 

しかし為替相場については、ここにきて「ある噂」が持ち上がっています。

 

 

 

それは「ワイルドカード」であり、「為替介入」です。

 

 

 

「ワイルドカード」とは、カードゲームなどで万能の効力を持つ特別なカードのことですが、最近の相場があまりにも「何でもあり」になってきているため、米金融大手のゴールドマン・サックスのストラテジスト(投資戦略を考える専門家)が、アメリカの「ワイルドカード」、つまり「為替介入」があり得るのではないかと言っています。

 

 

 

その根拠として、トランプ大統領が「中国と欧州が大きな為替操作ゲームをしている」ということを何度も発言し、為替相場に対して何度も不満を表明しているからだと言います。

 

 

 

したがって、今度はアメリカが「為替介入」し、ドルの押し下げに動き出すのではないか、ということのようです。

 

 

 

さらに最近、トランプ大統領はFRB(米連邦準備理事会)の理事にジュディ・シェルトン氏を指名すると発表しました。

 

そしてジュディ・シェルトン氏といえば、金本位制論者であることが広く知られています。

 

ちなみに「金本位制」とは、金の保有量に応じて通貨供給量の上限を決めよう、というものです。

 

 

 

そのような中、イスラエルには「嘆きの壁」というユダヤ教の聖地があります。

 

トランプ大統領は「嘆きの壁」全体を「金」でコーティングして、自分の名前を刻むことが夢であると公式に語っています。

 

 

 

その一方で、「世界に影響を与える投資家」で8位に選ばれたことのあるマーク・モビアス氏は「金は常に保有すべき」と語り、最近そのことがブルームバーグで報じられました。

 

理由としては、世界中の中央銀行が金を買っていること、地政学的リスクが高まっていることなどを挙げています。

 

 

 

これらのことを考えますと、今後は更なる「金高」が進行するように思います。

 

 

 

また、私が個人的に気になっているニュースとしては、「スイスとEU」に関するニュース、「イギリス」に関するニュースがあります。

 

 

 

「スイスとEU」に関するニュースは、昨年4月のコラムでもお伝えしたことがありますが、現在スイスとEUの間に亀裂が生じており、「スイス版ブレグジット(英国のEU離脱)」の懸念が強まっています。

 

そのような中で、最近も「主権を巡る幅広い政治的な対立に発展」といったことが報じられていました。

 

 

 

一方、「イギリス」に関するニュースでは、「合意なき離脱」で物が無くなることを恐れて、「イギリス人の40%が食料や薬、衣服を買いだめ」と報じられています。

 

 

 

このような全体像を考えた時に、合理的な判断をしますと、この先の展開としては、やはり冒頭で述べたような「株安、円高、金高」になるだろうと思います。

 

 

 

このようなイメージを持って、引き続き頑張っていきましょう。