いよいよか?

 

「いよいよ何かが起こるのではないか?」と思います。

 

まず、最近の相場においては「非常に不可解な値動き」が目立ってきているからです。

 

 

 

分かりやすい例を挙げますと、先月のコラムでもお伝えしましたが、メイ首相率いる与党「保守党」と最大野党「労働党」が大敗し、ウィリアムソン国防相が機密情報の漏洩で更迭されたと報じられた週に最も買われた通貨がポンドだった、といったことがありました。

 

 

 

そして最近も相場を細かくウォッチしていますと、テクニカル分析の移動平均線、指数平滑移動平均線、ボリンジャーバンド、一目均衡表、MACD、ストキャスティクス、RSIなど7つのテクニカル分析すべてが「買いサイン」を点灯したまま下落し続けていった、といったこともありました。

 

 

 

「金銀レシオ(金価格÷銀価格)」についても21世紀になって一度も付けたことがない「89」という数値を付けたかと思えば、その後はさらに「おかしな」展開となって、現在は90台に至っています。

 

 

 

金銀レシオの「異常値」については、5年連続で需要が供給を上回っているにも関わらず、銀(シルバー)が一方的に売られ続けてきた背景があるのですが、最近、国際貴金属マーケットに関する調査分析を専門とするGFMS社から「WORLD SILVER SERVEY 2019」というレポート(英語版)が発表されました。

 

 

 

そのレポートからは以下のようなことが分かっています。

 

 

 

 

 

6年連続で需要が供給を上回った

 

 

 

・宝飾品や銀製品の製造がやや増加したこと、および硬貨およびバーの需要が急増したことを受けて、需要が4%増加した

 

 

 

2018年には太陽電池産業からの銀需要が急増した

 

 

 

3年連続で銀鉱山の生産量は減少し、昨年2%減少した

 

 

 

・昨年の世界のスクラップ供給量は1.6%減の4,707 トンだった

 

 

 

・シルバージュエリーの製造量は2年連続で増加し、4%増の6,609トンと推定された。インドは昨年も好調で、第4四半期に需要が急増し、年間消費量が過去最高の16%増となった

 

 

 

・金銀レシオは長期平均で約57である。80を超えると市場が危機を見越している可能性がある

 

 

 

 

 

上記を見ますと、やはり銀(シルバー)が一方的に売られ続けてきたのが「おかしい」と分かります。

 

そして話を整理しますと、現在の金銀レシオは90台です。

 

リーマン・ショックの時でさえ瞬間的なピークは「84」でしたので、現在が極めて「異常」なことが分かります。

 

 

 

そして「異常」といえば、アメリカ企業の債務残高が現在はリーマン・ショック前の「2倍」の6兆ドルにまで達していることも押さえておく必要があります。

 

これは尋常ではありません。

 

 

 

「まもなく臨界点に達するのではないか?」と思います。

 

 

 

そして「いよいよ何かが起こるのではないか?」と思われる「もう一つの」根拠としては、世界の「不穏な動き」があります。

 

 

 

イラン問題を整理しますと、「イランがとりあえず10年間は核開発を止める、その代わり経済制裁も解除する」というイラン核合意からの離脱をトランプ大統領が表明 ⇒ イランに経済制裁を再開 ⇒ イランの革命防衛隊をテロ組織に指定 ⇒ イラン産原油の輸入全面禁止制裁 ⇒ アメリカが空母艦隊・爆撃機を派遣 ⇒ アメリカがミサイル迎撃部隊を派遣・・・となっています。

 

 

 

そのような中で、先週安倍首相がイランを訪問したわけですが、イランの最高指導者ハメネイ師と会談するタイミングに合わせるかのように、ホルムズ海峡付近で日本のタンカーなど2隻に対する攻撃が行われました。

 

この事件については、日本とイランとの関係を引き裂こうとする勢力の関与が疑われており(黒幕は間違いなくアメリカだと思います)、「日本に対する警告か?」と報じられています。

 

 

 

さらにアメリカは先週、ドイツがロシア産原油をバルト海経由のパイプラインで輸送するノルドストリーム2プロジェクトを進めていることについて、制裁措置を検討していることを明らかにしました。

 

ドイツに対し、エネルギーでロシアに依存しないよう警告したということです。

 

しかしドイツは同計画を推進する強い立場を一貫して維持していますので、今後は米中摩擦だけでなく、アメリカとドイツの関係悪化さえも懸念されます。

 

 

 

このように見ていきますと、やはり「いよいよ何かが起こるのではないか?」と思います。

 

 

 

前述のように最近の相場は「不可解な値動き」が非常に多く「厄介」ですが、それでも今後は基本的な相場観として「有事の円」「有事のドル」「有事の金」をしっかり意識して、「円買い」「ドル買い」「金買い」を戦略に入れて臨むのが良いのではないかと思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。