尋常ではない状態

 

もしも5年連続で増収増益の企業の株価が5年間にわたって下落していたら、明らかに「おかしい」と言えます。

 

 

 

しかし現在これと同様の事が「銀(シルバー)」で起こっています。

 

ここで銀は商品市場になりますが、現在の世界は商品市場、為替市場、株式市場、債券市場・・・と、市場が違っても「互いに影響がある」事が問題です。

 

したがって、仮にどこかで「不正操作」が行われた場合、影響が他の市場にも波及するのです。

 

 

 

ちなみに「銀(シルバー)」には、自動車業界、エンジン、太陽電池板、気象制御、浄水装置、3Dプリンター、ロングライフ乾電池、メディア媒体、防臭剤、抗菌性の実験室用コート、タッチスクリーン用の手袋、禁煙グッズ、洗濯用洗剤、プラスチック、木材保存剤、パーティ用の爆発物、写真、食べ物の装飾、ステンドグラス、牛乳の保存剤、イボなどを除去するための薬・・・といった多くの用途がありますが、その「需要と供給」については、毎年トムソン・ロイターGFMS社が報告書を出しています。

 

 

 

そしてトムソン・ロイターGFMS社の報告書は、銀に関して信頼できる、権威ある資料として世界の産業、金融界の方々に広く利用されています。

 

トムソン・ロイターGFMS社の報告書によると、銀については5年連続で需要が供給を上回っている状態です。

 

 

 

しかしそれにも関わらず、5年前に年間平均価格23.79ドルだった「銀(シルバー)」が5年間にわたって下落し、現在は14.39ドルとなっています。

 

本来であれば、たとえ1ドルであっても下がるのは「おかしい」ですが、現状は「需要と供給」を無視して下がり続けているのです。

 

 

 

このことについて、インターネット上では「銀価格の引き下げはJPモルガンによる凶悪犯罪である」といった情報がいくつも出ています。

 

 

 

そして本来、凶悪犯罪であれば取り締まるのが「筋」ですが、真相については、取り締まる側であるべき米司法省やFRB、さらにはSEC(証券取引委員会)といった「当局」の内部が分裂しており、「真面目に取り締まろうとするグループ」と「金融機関とグルになっているグループ」があるという事のようです。

 

 

 

実際に、アメリカではJPモルガンに対して銀価格不正操作の訴訟が起きたこともあるそうですが、この時JPモルガンは「弊社はアメリカ政府の代理として価格操作をしただけ」との申立弁明をして、無罪放免となったそうです。

 

 

 

ではなぜ「アメリカ政府の代理として価格操作」という話になってくるのでしょうか?

 

 

 

現在、世界の中央銀行は、こぞって「金(ゴールド)」を買っています。

 

さらにその「買い」の規模は、1971年の「ニクソン・ショック」以来の最高水準に達しています。

 

どうも何かしらの「有事」に備えて、「金(ゴールド)」を買っているようです。

 

 

 

そのような中、アメリカ政府としては「命綱のドルを防衛する」という目的のために、ドルのライバルとなり得る「金(ゴールド)」を下落させたい、という思惑があるようです。

 

しかし「金(ゴールド)」そのものを価格操作で下落させるよりも、金よりも圧倒的に割安である銀を下落させる方が簡単だということで、銀を下落させるのです。

 

すると銀につられて金も下がってくる、というわけです。

 

 

 

結果として、不自然なまでに下落した「銀(シルバー)」によって、80を超えたら危険シグナル」として知られる「金銀レシオ(金価格÷銀価格)」が、先週はなんと「89」まで上昇しました。

 

本来「金銀レシオ」は「65」程度が普通なのですが、銀価格が極端に下落していることによって、危険シグナルの「80」を超えて、「89」まで上昇したのです。

 

 

 

さらにこの「89」という数値は、21世紀になって一度も付けたことがない数値になります。

 

同じ数値を付けていたのは、イラクがクウェートを侵攻したのをきっかけに始まった1991年の「湾岸戦争」まで遡ります。

 

 

 

実際に、「80を超えたら危険シグナル」として知られる「金銀レシオ」が「89」になっているので、今はかなり「尋常ではない状態」と言えますが、その事を裏付けるかのように、最近は「国際情勢は湾岸戦争前と酷似」「国際情勢はイラク戦争前と酷似」「国際情勢は第2次世界大戦前と酷似」・・・といったような報道が続いています。

 

前述の世界の中央銀行による「金買い」も、これら戦争前と状況が酷似していると考えるのであれば、説明がつきます。

 

 

 

では、私達個人投資家はどうすべきなのでしょうか?

 

 

 

まずは、とにかくリスク管理を徹底する、という姿勢が大事になると思います。

 

 

 

しかしそれだけではなく、メンタルのコントロールも重要だと思います。

 

 

 

メンタルのコントロールについては、「日本の優秀企業研究 企業経営の原点 6つの条件」(新原浩朗著、日経ビジネス人文庫)という本があるのですが、優秀企業の6つの条件と「個人の億万長者の特性」がとてもよく似ているそうです。

 

両者の共通として、「ピンチをチャンスと捉える」というものがあるそうです。

 

 

 

したがって、現状の相場に関して、私達個人投資家が「ピンチだ!」「リスク管理を徹底しよう!」と思うのは自然な反応になりますが、同時に「滅多に無い事だ!」「だからこそチャンスだ!」といったような「メンタルの切り替え」も大事になってくると思います。

 

 

 

このような事を意識して、引き続き頑張っていきましょう。