昨日は久しぶりに相場が動きました。
いつ何時何を言い出すか分からないトランプ大統領が突然、対中国関税(2000億ドル相当)を今週金曜日に現在の10%から25%へと引き上げるとツイッターで表明し、さらに北朝鮮が短距離ミサイルを発射したとの報道を受けて、相場が動きました。
以下は5月5日(日)に書いた文章になるのですが、昨日は以下の『たまに「合理的」と思われる値動き』となりました。
それでは、以下の文章をお読みください。
昨年12月に「天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律」が公布され、今回の10連休のGWは「大いに警戒すべきだ」と、昨年末や今年の初め頃から多くの金融関係者が言っていましたが、相場は荒れることも無く、今回の10連休も相変わらずの小動きが続きました。
荒れ相場が良いわけではありませんが、相場は動かない事には、はじまりません。
近年の相場については、以下のような特徴があります。
・「通常時」が「ほとんど動かない、小動き」
・「稀なケース」として「荒れ相場」
・上がるのが合理的と思われる場面で下がり、その後は「ほとんど動かない、小動き」
・下がるのが合理的と思われる場面で上がり、その後は「ほとんど動かない、小動き」
・たまに「合理的」と思われる値動き
ちなみに、先週最も買われた通貨は「ポンド」です。
以下のニュースが流れた後に買われました。
・メイ首相率いる与党「保守党」と最大野党「労働党」が大敗
・ウィリアムソン国防相が機密情報の漏洩で更迭
上記のニュースは、常識的に考えて完全な「売り」ニュースです。
例えばアメリカには共和党、民主党以外にも「リバタリアン党」「アメリカ緑の党」「立憲党」など様々な政党がありますが、アメリカに例えるならば、共和党と民主党が大敗した、というようなニュースになります。
さらにシャナハン国防長官(代行)が機密情報の漏洩で更迭された、というようなニュースになります。
やはり「売り」で反応するのが自然です。
しかし前述のように、上記のニュースが流れたにも関わらず、先週最も買われた通貨が「ポンド」だったのです。
近年の相場はずっとこのような調子ですので、一昔前の相場を知る多くの人達が「訳が分からない」と言っています。
私はその原因として「近年の相場がAI対AIになってきているから」と考えます。
AIは人間のように状況を意味理解して売り買いするのではなく、ただプログラムに従って機械的に売り買いするからです。
そして特に問題なのが「超高速取引」だと思います。
例えば、「0.03秒」といえば人間にとっては瞬時ですが、高性能のスーパーコンピュータは人間よりも「0.03秒」早く値段を察知し、それよりも短い「0.004秒」で売り買いを繰り返して稼ぐ、というようなことをやっています。
「0.03秒」先の未来を入手している、と言えるかもしれません。
そしてこのようなことが行われていれば、必然的に市場は「歪む」でしょう。
しかしそれでも、ウォール・ストリートで20年活躍し、アメリカに拠点を置いて活動中の投資銀行家である山口正洋氏は「個人投資家は必ず相場で勝てる」と言います。
山口正洋氏の発言として、以下の発言は私も大いに同意するところで、押さえておきたいポイントです。
・お金を運用している企業には決算というものがあり、どんなにいいポジションだと思っても、たまたま逆方向に行ってしまった時に、そのポジションをカットせざるを得なくなります。これでは投資の継続性は危うく、常にギャンブルポジションをもたされているような状況になってしまいます。
この点、個人は有利です。特にロスカットを義務付けられているわけではなく、その気になれば「永遠に」投資を継続することができます。これは圧倒的に有利な状況にあります。
・個人の方で、デイトレードなどと言って、せっせとスマホで日計りのギャンブルに血道をあげている方がおられますが、失礼ながら、はっきり言って、証券会社や銀行の食い物になっているだけで、あまり賢いとは言えません。
・継続こそがすべてに勝る投資方法なのです。
近年の相場は前述のように「訳が分からない相場」になっているのは間違いありませんが、やはり「負けなければ勝つ」であり、利益になるのを待ってから決済するという「忍耐強さ」が勝利の鍵になると思います。
このようなことを意識して、引き続き頑張っていきましょう。